Chassol

音楽と映像の狭間を旅する- 気鋭の音楽家・Chassol ”音楽”と”映像”に新鮮な空気を吹き込む アーティスト 映画、TV、広告、コンサート演出など、あらゆる場面で切っても切り離せない関係にある”音楽”と”映像”。パリを拠点に活動するChassol(シャソル)は、この両者の関係に新鮮な空気を吹き込み、独自の音楽スタイルを追求している。 ChassolことChristophe Chassol は、1976年生まれのフランス人ピアニスト/作曲家。長年に渡って映画やTVなどの音楽制作に携わっていた彼は、PhoenixやSébastien Tellierなどのポップミュージックを手掛けたことでも知られている。日本でも人気の高いDJ/選曲家であるGilles Petersonのプレイリストに度々登場してきたChassolの名前を、熱心な音楽リスナーならば目にしたことがあるかもしれない。 【動画】Chassol – Music is God my Love [Indiamore] 【動画】CHASSOL – Fiddler in the Street [Indiamore] ”Harmonizing reality”をキーワードに活動する彼の音楽は、映像と共に収録した音声を楽曲の素材として利用し、ピアノを中心とした様々な楽器でハーモニーを付ける手法で制作されている。映像から音楽が浮かび上がり、音楽が映像の中の風景や人物をより鮮明に映し出すような独特の作風は、どんなオーディオ・ヴィジュアル作品とも異なる魅力に溢れている。 上の2曲は、2013年のアルバム「Indiamore」に収録。このアルバムは、Gilles Petersonが主宰するWorldwide Awards 2015において、Album of the Year第3位を獲得している。 日常を浮き立たせるサウンド 2015年3月には、最新作「Big Sun」がリリースされた。この作品は、彼の両親の故郷である西インド諸島・マルティニーク島が舞台となっており、鳥のさえずり、ドミノゲームに興じる人々、街のカーニバルなど、島の様々な日常や風景を捉えている 【動画】Chassol – La Route de la Trace (BIG SUN) 【動画】Chassol – Reich & Darwin (Big Sun) 遠い異国の日常を彩るサウンドは、ジャズ・ファンクやソウル、ミニマル・ミュージックなどを繋ぎながらも、決してカテゴライズできない。その土地の空気、温度、香り、暮らす人々の息遣いなどが瑞々しいテクスチャをもって伝わってくるChassolの作品は、まさに今旅をしているような感覚にさせてくれる。

音大卒の人達に聞いた「音大のメリット・デメリット」とは?

音楽好きなら一度は考える「音大」への道!? `音楽や楽器の演奏が好きな人の中には「音高や音大に進みたい」と考えている方もいらっしゃると思います。しかし、就職や学費への不安や、本当に自分が音楽の世界でやっていけるのかどうかといった不安から、音大へ進むか一般大学へ進むか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。そこで今回、実際に音大を卒業した5名に「音大のメリット・デメリット」について聞いてみました。 ちなみに回答者の属性は、国立大・私立大、ピアノ科・声楽科・その他の学科、音高から音大・一般高校から音大、20~30代、と様々です。あくまで回答者の個人的な意見ですが、実際に音大を卒業した方々の生の声です(アンケート結果については、大学や学科などによって異なる点がありますので、ご了承ください)。 【独占記事】10年以上も引きこもっていた少女・フミノが 鈴木博文のレーベルからデビューするまでを独占インタビュー 音大卒の人が行って良かったと思う「音大のメリット」 ・音楽を仕事とする場合には、必要不可欠な経歴を得ることができる・色々な時代、国の作曲家についてそれぞれの専門的研究者である教員が考えたカリキュラムの中で学ぶので、独りよがりな解釈や演奏を正される・常に競争社会の中で切磋琢磨できる・実力次第で、たくさんの舞台に立て、大勢の前で演奏することで精神的にタフになる・実力次第なので、生徒の上下関係があまりなく、共演などで色々な学年で仲良くなれる・異性と出会った時に、出身大学によって悪い印象を持たれない(音大生というものに、家柄などの背景を期待して良い印象を持っている人が多い)・専攻楽器が特技として認識されやすい・学校の授業にレッスンが組み込まれるので、著名な先生のレッスンを受けられる・成績優秀であれば、海外の著名な先生の公開レッスンを受けられる ・音楽(音)そのものに触れて音楽の勉強をすることができ、音そのものを論拠として論文作成ができた(音楽学専攻の観点) ・音楽を集中して学びたい人には、その環境がある・音楽を仕事にしていきたい人にはその人脈を作れる環境がある ・音楽現場で働いている先生方の生の声を、たくさん聴くことができた・学内が常に音楽で溢れている ・身近に刺激しあえる友達がいる(音楽仲間が増えた) やはり、音楽について専門的に学ぶことができ、音楽に溢れている環境で切磋琢磨できる友人に巡り合えた、という点が大きなメリットのようです。将来、音楽関係の仕事に就く場合に必要な経歴や人脈が得られるというのも、音大のメリットですね。また、楽譜を暗譜して覚える機会が多いので、記憶力が鍛えられるというメリットもあるようです。 音大の女の子はお嬢様というイメージがあるため、他大学の学生からモテるという話はよく聞きます(しかし、音大は授業が忙しすぎて、あまり遊べないという話も聞きます)。ちなみに音大の男の子は、学内に女の子が多いためモテる反面、学内の男の子からアプローチを受けるケースもあるのだとか…。 そして注目すべきは「精神的にタフになる」という点。音大では大勢の人達の前で演奏したり、マンツーマンのレッスンで先生に叱られたり、礼儀作法に厳しかったり、と精神的に鍛えられる機会が多いのだそうです。「最近の若い子は叱られ慣れておらず、叱られると、すぐに会社を辞めてしまう」という話を聞きますが、その点、音大卒の人は叱られても粘り強く努力するのかも知れません(もちろん、叱られるのは苦手、未だに大勢の前で演奏するのは緊張する、という音大卒の人もいます)。 【注目記事】聴衆もメンバーも若手中心!ゲーム音楽専門のオーケストラ「JAGMO」の挑戦 音大卒の人が行かなければ良かったと思う「音大のデメリット」 ・学費が高すぎる ・奨学金を借りても、お給料が安いので卒業後に返済するのが大変 ・音大を出て就職して稼げるかというと、そうではない ・就職先があまりない・就職先があったとしても、正社員という雇用形態が少ない ・学生時代、サークル三昧の某駅付近の道端に酔い潰れている、一般大の学生を横目に練習など音楽に時間を費やしてきたが、今の稼ぎは間違いなく彼らより少ない・特殊な世界の特殊な人たちに囲まれるので、社会常識的な何かが欠如する・一般社会に出ると浮く・音大卒は、会社で働くという視点で見たら使えない人種という見方をされる・レッスンや少人数の授業により先生との関係が密になりすぎる(公私共に近い関係にならざるを得ない)ことで、こちらの様々な情報が教員側に筒抜けになる ・音大生という色が強すぎて(音楽を勉強していたと言うだけでも)、就職活動に苦労した・音大生は全体的に視野が狭い傾向にあるので、ずっとこの環境にいると偏った人格になると感じた ・音出しの関係で、大学のある場所が田舎な事が多い ・ほぼ,女子大状態のため、大人になってからの異性との出会いが極端に少ない ・特になし 予想通りですが、「学費が高い」「就職が大変」という点が音大の大きなデメリットのようです。 国公立の音大に行ければ学費の負担は、私立に比べれば軽くて済みますが、私立の音大の場合は学費の負担が重くのしかかってきます。ちなみに、平成27年度の東京藝術大学(国公立)の音楽学部の初年度納付金は942,460円、桐朋学園大学(私立)の音楽学部の初年度納付金は2,706,600円です。実際に音大に通っていると、これ以外にも発表会の衣装代や楽器代など、色々な費用がかかるそうです。 就職については、日本の音楽大学の最難関といわれる東京藝術大学でも厳しい状況のようです。実際に平成26年度の東京藝術大学音楽学部の卒業者の進路状況を見ると、卒業者228名のうち、「教職0名」「企業等11名」「非常勤・自営7名」「進学(大学院や留学など)81名」「未定・他129名」となっています。大学院などへ進学する人も多いですが、未定・他が過半数を占めていることに驚きです。そして、更に同大学の大学院音楽研究科(修士課程)の修了者の進路状況を見ると、修了者113名のうち、「教職0名」「企業等15名」「非常勤・自営10名」「進学(大学院や留学など)14名」「未定・他74名」と、こちらも未定・他が過半数を占めています。 その他、「視野が狭く偏った考えになりがち」「女子ばかりなので異性との出会いが少ない」という回答もありましたが、デメリットは「特になし」というご意見もありました。 一般大学卒のピアニストと音大卒の会社員 今回、音大卒の方々にアンケートをとったところ、「一般大学卒のピアニストは〝すごい″と言われるけど、音大卒の会社員は〝もったいない”と言われる」という意見があり、妙に納得してしまいました。 実際に有名なコンクールに入賞した人が音大ではなく一般大学に入学して演奏活動を続けていたり、プロとして活躍している演奏家の人が実は音大ではなく一般大学卒だったり…という話を聞くと、確かに〝すごい″と思ってしまいます。一方で、音大生が一般企業の就職活動をすると必ずと言っていい程聞かれるのが「音大生なのに、どうして一般企業に就職したいの?」という質問。面接官や一般大学の友人だけでなく、音大の友人にまで聞かれることもあり、せっかく音大に入ったのに音楽の道に進まないなんて〝もったいない″と言われてしまうのだとか。 よく考えてみると、一般大学の法学部を卒業して法律関係の仕事に就かずに会社員になっても特に何も言われないのに対し、音大を卒業して音楽関係の仕事に就かずに会社員になった場合は〝もったいない“と言われるのは、不思議な現象なのかも知れません。 【衝撃!】指揮者が突然倒れる!?マウリシオ・カーゲルのユニークすぎる楽譜 音大生はやっぱり「音楽が好き」 最後に、音大卒の方々に「一般大学(高校)ではなく、音大(音高)を選んだ理由」について聞いてみました。 ・一般大学も検討したが、当時、それまでの人生でピアノを一生懸命やり(コンクール出場なども含む)、学校の部活でも音楽系の部活で活動し…と好きで力を入れていたことだったので、音楽をとことん突き詰めて見たいという思いがあった。さらに、幸運にも人との出会いにも恵まれ、普通の家の子では出会えないような先生に師事することができたことも、音楽大学を目指すことにつながった。 ・一般高校は検討しなかった。小さい頃からピアノ以外の選択肢がなかった(親が選択肢を与えなかった)ので、それを突き詰める道以外なかった。良い先生は地方にいなかった。良い先生は、大学の教員である。従って、プロを目指すならば音大に進むしかなかった。 ・一般大学は検討していない。一般的な仕事に興味がなかったため。 ・一般大学は検討していない。自分の専攻でつきたい先生がいてそこで勉強したかったから。 ・一般大学は検討しなかった。音楽を勉強したかったから。 中には、親が音大に行かせたかったから音大に進んだ、という方もいますが、皆さんに共通しているのは「音楽が好き」という点。一所懸命に続けてきた音楽をもっと学びたい!この先生に音楽を教えて欲しい!音楽関係の仕事に就きたい!という思いで音高や音大を選んだのですね。 おそらく人一倍努力をし、忍耐強く練習し、コンクールやオーディションに挑戦してきた音大卒の皆さん。そんな皆さんがこれからも大好きな「音楽」を満喫できるよう、そしてこれから音大を目指す子たちの為にも、音大生の奨学金制度や就労環境が改善されることを願っています。 関連情報 東京藝術大学の過去5年の進路状況(PDF) 東京藝術大学音楽学部の初年度納付金 桐朋学園大学音楽学部の初年度納付金 【合わせて読みたい】 一人二役の驚異の歌声!一人でソプラノとテノールを使い分けるシンガー http://tmedia01.xsrv.jp/veemob/2015/04/22/haruka/ 音楽と映像の狭間を旅する- 気鋭の音楽家・Chassol http://tmedia01.xsrv.jp/veemob/2015/04/29/chassol/ 夜のジャズとソウルの薫り。静かなスリル。 http://tmedia01.xsrv.jp/veemob/2016/01/23/ericagimpel/

ビクターの新レーベル「CONNECTONE」は音楽業界をどう変える?

ビクターエンタテインメントが新たな音楽集団を目指し新レーベルを設立した。つなげる・つながる音楽をコンセプトに新たなビジネススキームを備えたレーベル。その名をCONNECTONE(コネクトーン)とし2015年4月より活動を開始している。 多くのキャリアを持つレーベルヘッド ローリング・ストーンズやスマッシング・パンプキンズなど数多くの海外アーティストを手掛け、ユニバーサルミュージックでの執行役員やグループ会社社長などを兼務する高木亮氏。その巨塔が最前線で手腕を発揮することとなった。 高木氏が提唱する思いとは、音楽業界のリセット。当たり前に音源を買ってもらえる時代は終わった。グラミー賞の年間最優秀アルバムのような懐深い文化、価値は日本やその他の国では偏ったものになっている。ビジネスとスピリットの両面がギリギリでせめぎ合う形を復活させることが成功の鍵だという。 圧倒的オリジナリティの追求 通り過ぎず足跡を残す。音楽家としてのアティチュードを伝えることが出来るアーティストを中心に扱い、メジャーなアーティストにまで刺激を与える集団を目指していく。夢の追及や一発の飛距離ではなく、打率を追及するのが狙いだ。 業界モデルからの脱却 当レーベルのプレゼンにて掲げたのが業界の0.27%というモデルを脱却することだ。これは2013年に邦・洋楽合わせたアルバム1万3012枚のうちデビュー3年以内の新人が5万枚以上のセールスをあげた枚数が35枚(0.27%)しかなかったという実績数値を示している。 2013年ジャンル別新譜数(日本レコード発表資料より) 0.27%という実績ではレコード会社のコストもペイ出来る確率が非常に低い。そして何よりアーティストも2年程度で契約が切れて存続する確率が非常に低い状態となる。万馬券狙いでは10年後にレコード会社も存続出来なくなるという想定だ。 世界音楽売上金額の推移(日本レコード発表資料より) CONNECTONEの新たな「ビジネススキーム」 契約によりジョイントベンチャー型、権利収益乗り入れ型、レーベル・事務所兼任型の3タイプでシステムを構築していく。これはライヴ・グッズ・著作権など全てにおける経費や損益を当分する共有スタイルにより、不毛な小競り合いも無く共闘するのが狙いとなっている。夫々が何らかの形で関わり合うことで完成度も高まるという。 注目を集めるアーティスト陣 海外を含めた多くのレーベルから注目を集めているAwesome City Club(オーサムシティークラブ)のデビューがレーベル第一弾のアーティストとなる。続けてRHYMESTERも移籍が決定し移籍第一弾アルバムを発表。その他にも3組の新人が契約決定している。 【動画】Awesome City Club-1st Album ”Awesome City Tracks” Trailer 【動画】RHYMESTER-人間交差点 新しいフェイズと展望 スポーツ選手が海外で当たり前に活動するように、日本の音楽シーンもやっとそのフェイズに追いついてきた。気負って目指していくのではなく、ごく自然なこととして海外へのつながりを広げて活動していく。キャリアを持つ高木氏の経験からすればごく当たり前の展望と言える。すでにレーベルが主催するイベントも開催が予定されているとのこと。圧倒的オリジナリティの発信と歴史を知る敏腕ヘッドの化学反応は業界をどのように改革していくのか。今後注目のレーベルとなるのは間違いないだろう。