2015
07.03
Blue eye and earth, elements of this image are furnished by NASA

世界に誇れる文化の夢と現実

BLOG

グローバル化した日本の原作やアニメとハリウッド映画の裏事情

 

いわゆる”ヲタク文化”とまで言わしめた日本の漫画やアニメは今やグローバルな展開を見せ、世界中の国々で販売、放映されるまでに至った。聖地といわれている”アキバ”こと秋葉原には、漫画やアニメのキャラクター・グッズなどを買う目的のために外国人観光客がわざわざ遠い異国から訪れるほどである。

 

TV放映されたアニメも翌日にはインターネットで鑑賞出来てしまう。これは本来違法なのだろうが、なんせ日本のサイトだけではなく海外のアニメ専門サイトも多数存在するくらいだから取締りようがないのが実態だろう。裏を返せばそれだけ日本のアニメが注目されている証でもある。

 

以前取り上げた「攻殻機動隊」などは近未来のIT技術を想像させる秀逸のSF作品だと思う。

近未来のIT世界はこうなる? アニメ「攻殻機動隊」が見せるフューチャー・ワールド

 

既にハリウッドでの実写映画化が決定している話しは書いたが、実際ハリウッド映画界では原作、脚本不足だと聞く。そのため、近年やたらリメイク作品が多くなっていたり、こうして日本のアニメを実写化するなどの苦肉の策を取っているのではあるまいか。

 

2014年に公開されたトム・クルーズ主演のSF作品「オール・ユー・ニード・イズ・キル」の原作は桜坂洋氏のライトノベルである。

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(image : amazon)

あの「ゴジラ」に至っては何度ハリウッドが映画化してきたか。もはや完全にハリウッド映画はネタ切れ状態と化しているような気がする。

 

「米国に比べ日本の映画界は100年遅れている」

ハリウッド映画に出演したある日本人俳優が言っていた言葉である。「映画界」を「音楽界」に置き変えてもこのセリフは成り立ってしまうと個人的に思う。

 

もちろん、日本にも古くから続く素晴らしい文化はある。歌舞伎がそうだ。

 

TOKYO JAPAN - February 16 : The Kabuki-za Theater in February 16

(image : iStock)

こういった文化はどんどん海外へアピールするべきだ。故十八代目中村勘三郎氏など、歌舞伎界への貢献は素晴らしいものだった。大げさな言い方だが歌舞伎界で「革命」を起こした人物だと思う。彼は自ら”コクーン歌舞伎”や”平成中村座”を打ち出し、敷居が高いとされていた歌舞伎を庶民の元に戻そうと禁断を打ち破った。そして更にそれを世界へと持ち出して行った。そもそも歌舞伎は江戸時代から庶民の娯楽のひとつだった筈。歌舞伎といえばその厳格な仕来たりは有名だが、彼はそれを恐れずに挑んだ。当然その分批判も多かっただろう。

 

 

スポーツの世界では日本人がどんどん世界的にも活躍しているが、カルチャーの分野に至ってはまったく駄目なのはなぜだろう?

 

「たかが娯楽」だから? そう片づけられてしまっては身も蓋もない。「されど娯楽」である。

 

カルチャーを軽視している?

 

カルチャーを軽視している良い例が各分野の業界体質だ。

 

例えば日本のアニメがワールドワイドな展開を見せている一方で、実は問題視されているアニメ制作会社などの実態。一部では”ブラック企業”の烙印を押されているというなんとも意外な事実もある。確かに以前ちらっとアニメーターの求人を見たことがあるのだが、その提示されている給与金額があまりにも薄給だったので驚いたものだ。

 

映画、音楽、アニメなどのカルチャー分野に於いて、あまりにも軽視し過ぎている気がしてならないのである。人々に夢を与える世界を作り上げる現場ではクリエイター達が夢も希望も持てないような低待遇で働いているという現実、これは決して良いことではないと思う。当然世界へ出ようなどということは夢のまた夢の世界だ。あとは個々で出て行くしかない。組織に属してしまうと「腐る」か「潰される」だけである。

 

以前、ある雑誌で海外を拠点に活動するミュージシャンのインタビュー記事を読んだのだが、その中でヨーロッパのある国のミュージシャンの話しが出ていた。そのミュージシャンの言葉が今でも非常に印象に残っている。

 

「国の力を政治や経済で計るのではなく、その国の文化で計る。これは素晴らしいことだと思う。それこそが真の国の力だと私は思うんだ」