2015
07.25
Saxophone player

侮るなかれ、ジャズスタンダードの世界

BLOG, MUSIC

現代ジャズの良いところは、巧妙なリズムと芸術性を存分に堪能できるところ。まだまだ、ジャズ初心者の私には完璧に聞きこなすことなんて、到底難しい!

 

しかし以前、『現代の私たちは新しい音楽を探さなければならない。古典なんてもう古い、つまらない、遅れてる』

こんな風に言われてしまったことがある。
それって『とても、極端ではないか?』

と、ジャズ初心者の私が少々恐れ多いが、ちょっと寂しい気持ちになってしまった。けれども、古典の存在がなければ、現代ジャズの存在はあり得なかったはずだ、と思う。

 

 

HiRes

 

(image : iStock)

 

古典ジャズの奥深さ

 

古典ジャズの曲はピアノや、ギター、管楽器などの音も、しっかり聞こえてくるし、ドラムのリズムもしっかり変化が聞き取れる。

そして、ヴォーカリストの声をしっかり聴くことができる。

 

例えば、Sarah Voughanの声は伸びが良く、とても太くて重みのある声をしているのに、時に甘い音色を出す。

Ella Fitzgeraldは巧みに自分の声とリズムで遊ぶ。

Billy Holidayは自分の人生を感情のままに独特の声とこぶしで語る。

 

【動画』 Billie Holiday – All of me

 

古典ジャズの時代には現在のような性能の良いマイクもないし、スピーカーもない。それなのに、彼女たちの歌は心にまっすぐ響いてくる。

飾り気や現代ジャズのような巧妙さはないけれど、その歌の意味や感情自体がアートになる。

プレーヤーを目指すなら誰しもが技術を高め、誰にもできないようなプレイをしたいと願うと思うが 、しかし、技術ばかりを気にした演奏は心を感じないし、味気ないような気持ちになる。

 

『心』という最大のエッセンス
音楽は心を表現するもの。

私はずっとそう教えられてきた。

そして、そう思ってきた。

ジャズはポップスのように全員が全員それを好む、というジャンルではない。しかし、古典ジャズにはその要素が含まれているように感じる。

最も、古典ジャズはその時代にはポップスのような役割だったのだけれども。

大げさだが、古典ジャズには音楽の原点を教えてくれる要素があるように感じる。

シンプルな楽曲の中に踊るソロアドリブたちも、楽しい時には陽気なリズムを。悲しい時には切ない音色を奏で、聴く者の心を癒す。

古典ジャズはヴォーカルだけでなく、そこに参加するすべての楽器が全体で感情を表現する。

そこがとても美しい。

そして、シンプルなセッションは聞き手に回想をする余裕を与えてくれる

一つの曲を何度聴いていたとしても、なにか新しいものを発見させてくれる。

 

技術だけで勝負をしようとしても、才能や鍛錬した技術はいつか追い越されることがあるかもしれない。

しかし、全く同じ人間性というものは他の人々の中に存在しない。

そして、それを表現する力もその人の人生や経験が作っていくもので
、いくら音色を真似しようとも全く同じものは作れない。
同じ曲を演奏しても、演奏するプレイヤーによって全く違うニュアンスのものが生まれるから、とても面白い。

 

ジャズ初心者、ヴォーカル希望者の私個人の見解で古典ジャズの魅力を語ってきたが、私には古典ジャズは依然、学習宝庫のままだ。
私はまた古典ジャズから先へ行けず、何かを発見し、そこからまた寄り道をしてしまう。
ジャズ通への道はまだまだ遠そうだ。