2015
07.29
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伝説のバンド「54-71」(ごじゅうよんのななじゅういち)のこと

ARTIST, MUSIC, VIDEO

筆者が学生のころ、日本ではメロコアパンクが流行し、Hi-STANDARDやBRAHMANにHUSKING BEEらがシーンを牽引していて(いわゆる「AIR JAM世代」)、その影響でだんだんと洋楽を聴くようになっていった。メロコアはもちろん、70年代パンクや当時世界で大流行だったミクスチャーなんかを聴いて「邦楽より断然洋楽の方がかっこいいじゃん!」という思考から邦楽バンドをめっきり聴かなくなってしまった。

 

時を同じくして実家にケーブルテレビが入り、MTVやらスペースシャワーTVなど音楽番組を観て新しいバンドを探すようになったり。(YouTubeなどまだなかったので)

 

さて、そんな「洋楽どっぷり」だった筆者が、たまたま音楽番組でPVを観たバンド、それが今回紹介する、”54-71″という邦楽バンド。
初めてPVを観たとき、いささか混乱した。これまで聴いたことの無い音。英語なんだけど日本語にも聞こえる、でもCD買って歌詞カードみたら英語。ポップさは皆無、海外のバンドの音の鋭さとはまた一味違った和風で尖った音。一応、世間では「パンク」にカテゴライズされていたようだが、筆者の中では(いまだに)何にも括ることができない音である。

「何か良いバンド知らない?」って思ってるあなたにおすすめのバンドである。

 

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そもそもどんなバンドなのか?

 

1995年結成、全曲英詞の日本のロックバンド。現メンバーは、佐藤Bingo(Vo.)と川口賢太郎(Ba.)のオリジナルメンバー2人に、BOBO(Dr.)と高田拓哉(Gt.)を加えた4名。
和のグルーヴに英語詞を乗せた不思議な空気、ストイックな音、変態的なライブパフォーマンスは圧巻。国内外のバンドからの評価も高く、向井秀徳やBATTLES、DEERHOOFなどとの親交も深い。2009年にコラボアルバムを発売して以来、表立った動きはなく実質活動休止中。メジャーレーベルに所属していた時期も。

とにかくこの音を聴いて判断してほしい。
これを観れば彼らがどんなバンドか一発で分かってもらえると思う。

 

【動画】 54-71 – ugly pray @ DO IT 2008

現時点での最新アルバム”I’m Not Fine, Thank You. And You?”(2008年)からのリードトラック。盟友Deerhoofのメンバーたちが主演。

【動画】 “Ugly Pray” PV

 

 

同じく、前述のアルバムからのPV。

【動画】 “Cosmetic Overkiller” PV

 

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ZAZEN BOYSの母体でもある!?

 

これはコアなファンには有名な逸話で、女性シンガー「hal」の楽曲「六階の少女」で、ボーカルの佐藤Bingoを除く54-71のメンバーと(当時ナンバーガールの)向井秀徳がバックバンドを務め、その時の名前が「ZAZEN BOYS」。ナンバーガール解散後、向井が自身のバンドとしてこの名前を使いたいと54-71に許諾を得たという。2008年、新生ZAZEN BOYSと54-71が対バンもしている。

 

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バンドの現在

 

バンド自体は活動停止状態だが、最後にバンドメンバーの現在の活動についてもぜひ知っておいてほしい。
まずもっとも精力的に音楽活動を行っているのは、ドラムのBOBO氏。少し前はくるりのツアーサポートを務めたり、今は侍ギタリストMIYAVIの相方として活動中。
また、フロントマンの佐藤Bingo氏は、NYのグローバル・メディア『VICE』の日本法人『VICE Japan』の代表を務めており、2014年には野外フェス『Starfes.’14』を主催。海外からPUBLIC ENEMYやNAS、Erykah Badu、国内勢はBOREDOMS、ZAZEN BOYSなど通好みのラインアップを招集した。ベースの川口氏はファッション誌『Libertin DUNE』の副編集長を務めている。(ギター高田氏の近況はつかめなかったため割愛いたします)

 

原稿執筆時点である2015年はバンド結成から20周年の節目。今のところ、再始動の報は届いていないが、いつかまたシーンに戻ってくることを切に願うことにする。

 

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