2015
10.17
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これからの”アーティスト価値”とその可能性

BLOG

今さまざまな業界における消費者の関心は、そこでどんな体験ができるかという点に集まっている。このような論調が各界から聞かれるようになって久しく、情報に敏感な方なら一度は見聞きしたことがあるだろう。この傾向は音楽業界においても例外ではない。むしろ音楽が持つ魅力の大部分は個人的あるいは社会的な体験を構築していくことにあるので、発信者・表現者として今を生きるアーティストはこうした体験価値について明確なビジョンを持っておく必要があるだろう。アーティストが提供できる体験価値にはどのようなものがあるか。この問いに対して、時代に合わせた答えを常に探っていかなければならない。

 

Barcode as music

 

 

-時代が求める体験価値-

 

おそらく、アーティストが提供しうる一番の体験価値は楽曲制作・ライブなどの音楽的価値だと考えると思う。これは誰もが認める事実ではあるが、あえてここではそれだけでは表面的であると指摘しておく。というのも、このコラムで取り上げたいのは時代に合わせた体験価値であるからだ。先程の音楽的価値というのはいつの時代も認められうるもの。その上で、リスナーの関心と自身のビジョンを擦り合わせていく感覚を持ち合わせておくことは一つの大きな武器になる。

そのために確認しておくべき重要な背景がある。それは、アーティストとリスナーが直接つながることのできる現代の環境である。リスナーの立場から見ると、以前はマスメディアからの情報を受動的に受け取るしかできなかったが、現在はSNSの普及などによって自身の興味に沿った能動的な関わり方がむしろ主流になってきている。

 

Photographer is working on cumputer, top view

 

―活かすも殺すも、自分次第―

 

こうした「聴環境」が当たり前になってくると一体何が起こるのか。すでに起こり始めていることではあるが、大部分のリスナーは慢性的に音楽だけでは物足りなくなる。それも、アーティストに対して従来のそれより直接的な欲求を持つことになるだろう。趣味や興味、リアルタイムな関心事だけでなく、一つ一つの発信に日常的に触れていくことで、マスメディアからの情報よりも新鮮で特別なものとして影響していくためである。
このことが意味するところの本質を捉えアーティスト活動に活かすことができれば、また違った景色が見えてくることだろう。