2016
02.27
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【INTERVIEW後編】ASA-CHANG&巡礼『まほう』から見えたポップの定義

INTERVIEW

恩師に見せてもらったビデオでは勅使河原三郎さんが見たこともない踊りを踊っていて僕をビビらせた。その時の音楽ジャンゴ・ラインハルト「マイナー・スウィング」を探している途中で、カヴァーをしたというピアニカ前田さんを知り、その流れでASA-CHANGを知った。当時リリースされた『タブラマグマボンゴ』は、あの頃のコンテンポラリーダンスように僕をビビらせたものだった。

このように、僕とASA-CHANGとの出会いはキャッチーなスカパラにはかすりもしなかったけれど、そんな僕がここで改めて示したいのは、ASA-CHANG&巡礼のJ-POPにおける功績だ。80年代以降のワールドミュージックブームの新たな突破口を見出し、日本語によるリズムを独自に解剖し、さらにはエレクトロの無機質さをも救って見せてくれた。もはや僕には“スカパラの創設者”なんて前置きがどうでも良いくらい眩しい、ある種のポップ・スターだ。

そして今のASA-CHANG&巡礼も本質的には少しも変わらないと思える。常に大衆的な要素の中に刺激を提供してくれるポップな作風は今作『まほう』でも存分に発揮され、商業的な胡散臭さがない以外のあらゆるJ-POPの扉を開いてくれている。リリース間近の今回のインタビュー後半では、ここぞ、とばかりにASA-CHANG&巡礼の“ポップ感”を自分なりの感性で探ってみた。

 

 

 

(Photo / Mami Otsuki)

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▷しかし本当に良かったですね。生の弦楽器と管楽器のぬくもりといい!

 

ASA-GHANG 良かったね!

 

後関 はい!

 

▷トップの「アオイロ賛歌」が流れた時の高揚と言ったら!「アオイロ賛歌」は▷ASA-CHANG&巡礼を象徴していると朝倉(ASA-GHANG)さんも仰っていましたけど、なんと強烈な!

 

ASA-CHANG そうですね、これが2012年に出来ていたわけですね。舞台のために作った作品…。ね、これを入れない道理はないなあ、と思っていて「一番最初がいいや!」と思って入れたんです。

 

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ASA-CHANG 本当は「まほう」の前にこの曲があっていいのか?と悩んだりもしたんですけど、そうすると変なところに沈んでような気がした。だから位置付けとしてはアルバムの祝福曲みたいな位置付けになっていますね。でもこれからどんどんやっていくかもしれない、ライヴで。

 

 うん、ライヴで!私は一番最初、アコーディオンだった。

 

後関 そうかあ!京都以来やっていないのかあ。

 

 やってないです、これね。

 

ASA-GHANG いきなりこれが「新曲です!」って出したらおかしな話だよ。これはアルバム出てからやれればいい。

 

一同笑

 

杏 そうですね。そういえば朝倉さんが歌っていましたよね。

 

ASA-GHANG そうですよ、恥ずかしい!

 

▷リリースライヴも控えていらっしゃいますよね。新しい場所で。

 

 そうですね!3月23日。六本木VARIT。

 

ASA-GHANG “VARIT”って関西にあるライヴハウスだよね。

東京ではよくやってはいたんですけど巡礼としては久々に名古屋とかも行ったりしますね。このメンバーで(名古屋は)初めてですね。

 

▷田中象雨さんもご出演だとか。

 

ASA-GHANG 『火花』著者の又吉さんと田中象雨が本を出しているなんて知らなくて。その本を田中象雨からもらって読んだら、すごく面白かった。彼女も巡礼の事がすごく好きで、巡礼の文字を書くパフォーマンスはすごくよかったですよ。

 

▷とても楽しみにしています!…しかしこの作品を聴いていると、どれをとってもリアルですよね。ドラマが徐々に観られなくなっている時代。整った音楽・整った演技・整った構成にはもう人は感動し辛くなってきているんじゃないか?と最近感じているんです。

 

ASA-GHANG ほーお。

 

▷ノンフィクションやよりリアリティのあるものに感動したい欲求をどこか人は求めていてそれに応えてくれる。

ASA-CHANG&巡礼は今作も『J-POP』と言う括りになっている。「何をポップか?」という件ですが、例えば私にとってのポップは「口ずさめるかどうか」っていうのはポップとしての一つのポイントだと思うんです。「まほう」も過去作では「花」や「影の無いヒト」だってそう。

 

ASA-GHANG そうですよね。真似して言って見たりとかね、それはありますよね。

 

▷どうですか?何がポップか?というと、それは一つあると思うんですが。

 

ASA-GHANG そうですね「ポップの定義」って色々あると思うけど、それはそうですね。「口ずさめるかどうか」。これ、僕今度使っていいですか?

 

一同笑

 

▷もちろんですよ!有り余る光栄です。

 

ASA-GHANG いただきました(笑)!

 

▷朝倉さんはご自身の曲を理解されないこともあると前に私に仰いましたが、私にとってはとんでもないんですよ。

 

ASA-GHANG だって自分で『J-POP』だと言っても「みんなのうた」とかで流れないじゃないですか。

 

▷「音楽の世界はこんなに広いのにどうして授業で取り扱ってもらえないんだろう?」と例えばASA-CHANG&巡礼の音楽を聴いて私のような人間が思っていましたわけです。そして解放に向かわせてくれるASA-CHANG&巡礼の音楽のポップ性を広げたい。

 

ASA-GHANG ポップっていうと…口ずさめる音楽(笑)。

 

 私としては、最初は(巡礼が)すごく難しいことをしているような感じがしましたけど、日本語が全然違う並びになっていても、実はすごく日本語らしいというか、自然な感じがします。最近になってリズムとか実は自然に描かれているんだなと思います。行き着くところに行っている。それがポップにつながっているのかなって思いますね。

 

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▷生きているリズムですよね。歩いてみたり走ってみたり。

 

ASA-GHANG 不整脈ですが。

 

▷(巡礼は)ポップですね。

 

後関 朝倉さんの人柄がまずポップだと思うんです。

 

ASA-GHANG 僕を口ずさむって、意味がわからない(笑)。

 

後関 ポップはメロディに走りがちですけど、巡礼の音楽は一回聞いたらなんか絶対覚えていますよね。パッと聴いた時に一発で入ってくるのが(巡礼の)ポップなんじゃないですか?

 

ASA-GHANG おお!

 

 中古のMac(「告白」の歌詞)。これポップ(笑)!

 

ASA-GHANG 「ここで曲がこみ上げるようにしたいんだ!」ってすごく言った憶えがある。…なんでしょうね、あまりにも事実だからヒリヒリするんですよ。「知らず悪い会社にすぐ入りすぐ辞めた」とか、どうしてこの人の人生はなんともすごい人生なんだろうと思いつつ、どこか素っ頓狂さっていうのがある。その前に、まずこれを書いちゃう。

シリアスなものっていうのは常に表裏一体。(「告白」は)そういう作品になるといいなあ、と思いますよね。

 

 

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ASA-GHANG 特に巡礼の場合で感情のコントロールを失わせたいな、と思っていて、少しでも自分の制御がきかない時間がなかなかない中で、そういうことが音楽を聴いたことで起こるといいな、と思います。

舞台でもそうですよね。舞台や映画を観ていると持ってかれることがありますよね。何にしても“作品”ってそういう力があるといいですよね。ポップっていうと、お茶の間の、それこそ紅白(歌合戦)に出てきた星野(源)くんの出番を見ていて「いいなあ!」って思いましたね。

 

▷星野さんといえば前作の「ウーハンの女」(『影のないヒト』収録)は星野源さん作詞ですよね。あれも面白い!聴けば聴くほどASA-CHANG&巡礼はポップです。

 

 

 

 

【INTERVIEW前編】ASA-CHANG&巡礼7年ぶりアルバム『まほう』大解剖 

http://tmedia01.xsrv.jp/veemob/2016/02/16/asachangjyunraymahou1/

 

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【リリース情報】

アルバム:まほう

アーティスト:ASA-CHANG&巡礼

リリース日:2016.03.02

価格:¥2,800 (+税)

 

 

《収録曲》

  1. アオイロ賛歌
  2. まほう
  3. ビンロウと女の子
  4. 告白 –Prelude-
  5. 告白
  6. 2月(まほう ver.)
  7. 行間に花ひとつ feat.椎名もた
  8. 木琴の唄 –Xylophone-
  9. ANIの「エンドレスダンス」体操
  10. 告白(Cornelius ver.)

 

 

 

ROPPONGI VARIT grand opening live!
ASA-CHANG&巡礼ワンマンライブ「まほう」

日時:2016.03.23 (水)

Open 18:30 / Start 19:00

場所:六本木VARIT

チケット:2016.02.06発売

前売 ¥3,000 / 当日¥3,500 (D別)

 

 

アサちゃん

ASA-CHANG&巡礼 Web

http://junray.com/