2016
03.24
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SCHOOL OF SEVEN BELLS – 最期のアルバム『SVIIB』

ARTIST, BLOG

SCHOOL OF SEVEN BELLSは2016年2月に最後のアルバムとなる『SVIIB』を発表した。メンバーのベンジャミン・カーティス(Benjamin Curtis)が悪性リンパ腫で亡くなったのは2013年12月。まだ、ベンジャミン・カーティスは35歳だった。あまりにも若すぎる。タイトルの『SVIIB』はSCHOOL OF SEVEN BELLSの愛称だ。ラストアルバムに相応しい名前だと思う。

 

School of Seven Bells – On My Heart

 

デビューまので経緯とか、主要なメンバーが途中で脱退したとか、スコット・ヘレン(Scott Herren)が「Prefuse 73」名義でつくった楽曲に参加して名前を知られるようになったとか、そんなことはどうでもいい。重要なのはSchool of Seven Bellsは実質2人組であり、その1人であるベンジャミン・カーティスがもうこの世にはいないことだ。

 

デビューシングル「My Cabal」を発表したUKのインディレーベル、Sonic CathedralはMixcloudに「Broad Church Mix Forty Five」と題した追悼の音源をアップした。アメリカのインディーを代表するSchool of Seven Bellsだが、欧州のインディーとも呼応した、稀有なバンドだった。

 

https://www.mixcloud.com/soniccathedral/broad-church-mix-forty-five/

 

School of Seven Bells – My Cabal

 

音楽をつくるには生きていなければいけないことを痛切に実感させられる。あの世にも実態があり、バンド活動ができるなら話は別になる。ただ、こちら側にいる人間にはあちら側の世界は知り得ない。この世で音楽を続けるには前提として生きていることが絶対の条件だ。

 

明日、いや、1分後に自分自身がこの世から消えてしまうことを想像出来るだろうか?

 

不治の病に冒されるだけでなく、天変地異や、一瞬のうちに宇宙が消滅することだってゼロとは言えない。言い切れない。何気ない日常に不幸が訪れる確率は予測不可能な話だ。人間なんてちっぽけな生き物でしかない。ましてや、ひとりの人間なら、さらにミクロな存在だ。

 

School of Seven Bells – Half Asleep

 

それなら毎日、周囲の安全に注意深く気をつけて生きるしかないのか?まるで「杞憂」に近い日常だ。濁った天の壁が崩れ落ちてくるのを心配しても仕方ないだろう。人間って死ぬときは、当たり前だが、死ぬ。人間の生きている価値なんて…その程度だ。それでも、『SVIIB』を聴いていると、こんな文章が浮かんでくる。

 

今、やれることをやるしかない。

 

School of Seven Bells – Lafaye

 

『SVIIB』はベンジャミン・カーティスの強い意志だ。よけいな情報を抜きにしても傑作のアルバムだと思う。残されたアレハンドラ(Alejandra Deheza)はこのアルバムを「ラヴ・レター」と言っている。もちろん、ベンジャミン・カーティスへ向けての言葉だ。

 

悔いの残らない生き様なんてないだろう。

それでも足掻き続けるのが人間の宿命だ。

あなたは、今、やれることをやっているだろうか?