2016
04.20

【レポ】中田裕二、初のホールツアー 中野サンプラザにて完遂!

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中田裕二5作目のアルバム『LIBERTY』リリースの全国ツアー「TOUR 16”LIBERTY”」の最終公演地である中野サンプラザ。バンドセット、スリーピース、弾き語り、3つの形態で行われたツアーの最終日であり、そしてキャリア初のホールツアーをしめくくる場所であった。

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ライヴは、アルバム『LIBERTY』収録曲から「WOMAN」「リボルバー」を立て続けに披露してスタート。華やかで賑やか、しかしそこに大人の余裕というものを絶えず感じさせるポップス。中田裕二のバンド編成のステージを支えてきた手練のプレイヤー達(その名もブルーネオンズ)の見せ場も初手からたっぷりで、それもまた余裕につながっているだろうか。

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『LIBERTY』というアルバムの魅力を冒頭から存分に味わい、この日のライヴが文句なしの素晴らしい一夜になることを確信させられる。しかし、どうにも落ち着かない。この日のライヴには、予期しなかった重い意味合いがもうひとつあった。多くの観客が、彼の故郷が熊本であることを知っているのだ。
2曲目を終えて中田裕二は観客に語りかけた。「地元が大変なことになっています。みなさんも心配されているかと思いますが、でも、お願いがあります。暗い顔をしないでください。目いっぱい楽しんで、終わった後たっぷり募金をしてください」。ほっとしたかのような笑い声が拍手とともに起きる。

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アルバム『LIBERTY』収録の全曲が披露されるステージとなったわけだが、やはり「大人」がキーワードである。80年代から90年代初頭のポップスを愛してやまない彼にとってのその時代は、誰もがちょっとだけ大人の背伸びをしながら華やかで刹那な夜を過ごしていた時代だ。それらを、現在の自分――2010年代の東京に生きる大人としてのリアルな気持ちを込めて鳴らすのが、中田にとっての「シティ・ポップ」なのである。『LIBERTY』はその「ポップ」性が突き詰められたものだ。当時を知る大人には懐かしいものとして、同世代にはリアルな音楽、若者たちには新鮮なものとして響くのである。

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椿屋四重奏のセルフカヴァー曲も披露された。「NIGHTLIFE」。「以前このステージで披露したはず。キャリアでも1、2位を争うバラード」、という曲紹介でこの異形の歌謡レゲエとも言うべき曲を披露したものだから、多くの観客にとって気持ちのよい肩すかしとなったわけだが、まったくウェットにならないかたちでのこの椿屋時代の回顧ぶりには、彼のソロミュージシャンとしてのキャリアの長さ、自信というものものを逆に強く感じさせた。『LIBERTY』というアルバムの世界を中心に、あくまで大人のエンターテイナーとしてステージをまっとうする、そんなライヴ本編だったと言える。

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アンコールでは打って変わって、彼はステージに登場するなりそれまで抑えていた気持ちを涙とともに溢れさせた。さきほどまでのエンターテイナーぶりはどこへやら、まったくもって上手く気持ちを伝えれない自分に「情けない」を繰り返し、それでも故郷への愛を語り、落ち着いたら熊本でライヴをやりたい、みんなも熊本に行ってみてほしいと伝えて披露したのは「ひかりのまち」。
続いて披露されたのは最新シングルの楽曲「ただひとつの太陽」。1950-60年代のスタンダードやヴィンテージ・ソウルのテイストを活かしたごくシンプルなラブソングであり、『LIBERTY』以降の彼の新たなモードを力強く告げている。変化を恐れず、未来へ向かって力強く――中田裕二のアーティスト性であり、同時にそれらが多くの人々への向けた力強いメッセージでもあることが伝わってきた。

 

Text / 柳憲一郎
Photo / 河本悠貴

中田裕二
TOUR 16 “LIBERTY” 最終公演
2016.4.17 (日) 東京:中野サンプラザホール

《セットリスト》

1:WOMAN

2:リボルバー

3:KILL YOUR SMILE

4:en nui

5:SO SO GOOD

6:誘惑

7:とまどい

8:春雷

9:MUSK

10:朝焼けの彼方に

11:ROUND ABOUT

12:ヴィーナス

13:NIGHT LIFE

14:UNDO

15:LOVERS SECRET

16:月の恋人たち

17:STONE FROWER

〈encore〉

1:ひかりのまち

2:ただ一つの太陽

3:夜をこえろ

4:MIDNIGHT FLYER

 

中田裕二  web

http://yujinakada.com/