2016
05.30
5D3_5868

【Specal talk】jizue、10年を語る4人の”story” -後編

ARTIST, RELEASE, VIDEO

前回のフリートークでjizueが語ったのは、jizueが歩んだ10年間の”story”。そして今回の”story”は、それらを作品として残した5.25リリースのアルバム『story』についてのラフなインタビューである。

本作は4人の時を刻む”オト”から始まり、10年を経ても尚、アトム並みの強固な技やポリシー、そして絆を示したリード曲「atom」。そして、ミニマムにアプローチされた意欲曲「light」においては、目論んだ全てが成功を収めており、益々リスナーと深交を結べたことは言うまでもないだろう。

彼らはメロディが持つ“良い魔法”も“悪い魔法”も熟知しているから、いつでも冷静でサラリとしている。しかし天分に恵まれながらも艱苦をあえて楽しむ事で肉付けされた技が、フォンの深味を無二に引き出しており、それらが僕だけでなく多くの人々の日常を満たしてきた事は確かだと思う。

jizueが20年目を迎えた頃、もう一度振り返られることを楽しみに、今日は目を閉じて“10年目の音”を喜ぼう。

 

photo / Hayato Kouke

5D3_5748

メンバー/ 山田剛(ベース) / 井上典政(ギター) / 片木希依(ピアノ) /粉川心(ドラム)

 

片木 今回は一年間制作期間を置いて1ヶ月に1曲作ろうって言ってたけど、結局全然できんかった。

 

山田 そのペースは一曲たりとも守れへんかったな。

 

井上 期限がないとやらんのよ人は。

 

片木 結局めっちゃ追い込まれた。笑『story』も出来上がるまで色々試行錯誤あったけど今考えるとあっという間やったな。

 

井上 まぁ10年間、こうして振り返ってみると、いろんな僕らのストーリーがあったけど、そんな僕らのストーリーが詰まった『story』がいよいよリリースされるわけですね。

 

 山田 『Bookshelf』、『novel』と自分達の持つロックなアプローチを活かしてやってきて3枚目の『journal』ではラテンとかも取り入れて。

 

5D3_6156

 

 片木 今までやってこうへんかったこともいっぱいしたよね。

 

井上 『journal』では色々挑戦した。ただここではまだそんなに“人に広げよう”っていう意識はなかったかも。

 

 片木  うん、とにかくやりたいことを詰め込んだだけというか。

 

粉川 で、4枚目の『shiori』でようやく広げたいと思った。

 

片木  でも、この頃は色々と難航せんかった?

 

山田 1枚目、2枚目のような曲を今作れと言われたら勿論出来るけど常に新しい事を模索してたから。

 

粉川 けどそういうのも全部ひっくるめて、こうして10年目に集大成みたいなアルバムができたって事かな。

 

5D3_6195

 

——タイトルの『story』とは、今井上さんが着ていらっしゃるTシャツの中文字”story”というワードが発展して?

 

片木 “What’s your story?”

 

井上 でも、よくよく考えてみたら”story”っていうワードはずっと頭にあったのかも知れないです。

 

片木 jizueの曲はもともと一曲一曲にものすごいドラマが詰まってるから、その物語がたくさん詰まってる本棚(Bookshelf)を1st Albumのタイトルにして、それ以来タイトルは本にまつわるモノでした。

 

井上 “物語(story)”って出したらもうないよね。『comic』も考えたし、あとは雑誌?

 

山田 『magazine』。

 

井上 『comic』と『magazine』はないかな。でも今回のアルバム『story』を聞いた人がどのように感じるか楽しみですね。 片木 『shiori』では受け手の事をすごく意識して作ったけど、今回はそこまで考えすぎず、聴いた人の反応が返って来るのをただ楽しみに作ったんですよ。

 

5D3_5680

 

——衝撃的なのはこの曲。「light」でヴォーカルが入っている事です。しかしそれは楽器的な使い方ですが、ちゃんと言葉の持つ力を最小限の容量で最大限の力が発揮されるようになっているところ。

 

粉川 あれはやっぱり意外でしたか?

 

——正直すごく意外でしたね。あれは誰が歌を?

 

井上 僕と片木です。

 

——そうだったんですね!しかし最も印象に残った曲でもありますね。正に詞とメロディがミニマムでマクロの力を発揮!

 

山田 ヴォーカルという、あくまで楽器が歌詞とメロディを担ってるイメージですね。

 

——そうなんですね。誰かとコラボしているのかと参加アーティストのクレジットを探してしまいました。

 

片木 やっぱり言葉の力はすごいっていうのはあって、今回は自分達で作って自分達で歌うことにこだわったんです。

 

——自曲の歌モノ。でもこれは聴く人によっては“新しいインスト”にも聴こえるかもしれません。

 

 井上 「light」の評価がどうなるかは割と今回のメインですね。一番チャレンジしたところでもありますし。

 

5D3_6041

 

——いつかのインタビューでも「希依さんに歌ってもらいたい」というコメントがありましたね。

 

片木 「kotonoha」(2nd Album『novel』収録)っていう曲を私とノンピー(井上)でライブで初めて歌った時に「やっぱり歌はやめておこう」ってなったんです。笑でもやっぱりjizueとして自分らの歌は自分らで歌いたい。“誰に向けて”

 

——みたいなことは聴く人が受け取ってくれたらいいなっていう歌詞なんですが。

 

粉川 ラブソングだと思いましたか?

 

——そうですね。より身近に愛を感じている方向へ思いが向けられる歌詞だと思うんです。例えば異性への愛を求め、与えている方が聴けばラヴソングに聴こえるでしょうね。家族を持っている人が聴けば、また違う印象になるでしょう。

 

5D3_5791

 

——ちょうどこの取材の直前に、熊本で大地震が起きましたね。自分の身近(自国の)な人が悲しい思いをしている人がいると、せめてそこまでこの音が届いて欲しい、という感覚もありますね。「音楽は不謹慎だ」と感じる人も確かにいるのかもしれませんが、私は、この歌詞と音を届けたくなりましたね。

 

 井上 なるほど。

 

——その人状況に沿うような、非常に優しい曲だと思いますよ。それはjizueがそういう人達だからだとも思っています。

 

片木 本当に受け取る人によって印象が変わっていくんですね。

 

山田 その人の置かれた場所や状況によっても。

 

5D3_5694

 

——「epilogue」は希依さんのピアノでとってもシンプルに締めていましたね。その後のボーナストラック「星に願いを」がラテンタッチで耳に響いてきて、jizueとそれを聴いている人間の未来を明るく願っているように感じた。そして鳥肌が立ちましたよ。

 

井上 深いですね。僕らの「物語」をこれだけ感じてもらえるとは。

 

山田 実際本編としては「epilogue」で終わってて、「星に願いを」はあくまでボーナストラックとして入れたんですが。

 

片木 逆にありがとうございます(笑)。

 

井上 でも、どっちのボーナストラックも結構壮大なイメージですね。

 

5D3_6212

 

片木 もう一つのボーナストラック「惑青 」もいろんな人に聴いてもらいたいです。

 

井上 本当に聴いて欲しいですねこれは。

 

 片木 この曲はShing02さんと演っている曲で、本当に素晴らしいです。元々アナログでしかリリースしてなかったから今回いろんな人に聞いてもらえるのは嬉しい。

 

 粉川  これが伝わらんかったら、何が伝わんねんっていうくらい良い曲。

 

 片木 うん、やっぱりシンゴ(Shing02)さんの言葉の力ってすごいなっていうのもあるし、私らのやりたい世界観ともマッチしました。

 

——いろんなところで、井上さんが「これからもこの4人でずっと演っていきたいんだ。」っておっしゃっていますよね?それが、何故かリスナーもその中のひとりでいるような気がするんです。演れる状態とは、聴ける状態でもあること、つまり、平たく言えば“平和”であることが条件ではなかろうかと。

 

井上 平和であってほしいですね。

 

——そういった意味でもね、すべての人の“story”でもあるんじゃないですかね。

 

片木 なんかジーンときてしまった(笑)。

 

5D3_5708

 

——ツアー最終日は代官山UNITです。ものすごく熱くなりそうですね!先日の「SYNCHRONICITY」でも、相当ギャラリーと音楽的&精神的にもコミュニケーションが取れている素晴らしいステージでした。

 

粉川 「SYNCHRONICITY」では僕らも特別なテンションがのってました。

 

片木 みんな「SYNCHRONICITY」に思い入れがすごくあったんです。目指していた舞台っていうのもあったので。

 

井上 毎回あんなライブが出来るのも勿論良いですが、僕らはアコースティックでもグランドピアノでも演ったりするし、ツアーを通していろんなステージを繰り広げていけたらなと思ってます。

 

片木 例えば同じインストバンドでも、インプロ(即興)が得意なバンドは練習しすぎると逆にダメって感じもありますけど、私らの場合は必死で練習して、縦の点を合わせたりとか、四人だから出せるグルーヴをずっと大事にしてきたんです。ライブひとつにしても緩やかなライブもあれば激しいライブもあるし、何より“4人の音楽”を楽しんでいただけたらいいなと。

 

撮影協力/ 湘南Pancakes江ノ島本店

 

jizue_STORY_H1

【リリース情報】

アルバム:story

アーティスト:jizue

リリース日:2016.05.25

価格:¥2,407(tax out)

 

《収録曲》

  1. prologue
  2. atom
  3. habana
  4. light
  5. city
  6. to me
  7. trot
  8. lost night
  9. old story
  10. epilogue
    【CDボーナストラック】
  11. When you wish upon a star
    【配信ボーナストラック】
  12. 惑青 feat. Shing02

 

 

【リリース情報】

アルバム:Bookshelf

アーティスト:jizue

リリース日:2016.05.25

価格:¥1,852(tax out)

 

《収録曲》

  1. intro
  2. Rain Dog
  3. En
  4. sister
  5. 最後の朝
  6. Island
  7. Tower
  8. SAKURA
  9. home

【ボーナストラック】

  1. SAKURA(Noriyuki Inoue Remix)
  2. home(Noriyuki Inoue Remix)

 

 jizue 10th Anniversary

New Album『story』Release Tour

06/03(fri) 神戸 cafe Fish!

06/05(sun) 大阪 タワーレコード 梅田NU茶屋町店(インストアライブ)

06/12(sun) 京都 タワーレコード 京都店(インストアライブ)

06/18(sat) 新潟 CLUB RIVERST

06/19(sun) 金沢 puddle/social

06/25(sat) 高松 DIME

06/26(sun) 福岡 ROOMS

07/01(fri) 東京 タワーレコード 渋谷店(インストアライブ)

07/09(sat) 伊那 GRAMHOUSE

07/10(sun) 伊賀 TOAST

07/16(sat) 京都 MUSE

07/17(sun) 名古屋 UPSET

07/18(mon/holiday) 米子

07/30(sat) 滋賀 Mother Lake Jazz Festival 2016

08/07(sun) 結城 奥順

08/27(sat) 東京 UNIT tour finaland more…

 

jizue_2016s

jizue web

www.jizue.com