2016
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アイスランドのプリンス Ólafur Arnaldsが作り出す幻想世界

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2011年、イギリスの映画専門チャンネルFilm4で夜中に放映していたLet the right one in(放題/僕のエリ200歳の少女)というスウェーデン映画をはじめて観て、あまりの美しさと哀しさ、痛々しさに衝撃を受けた。

監督のトマス・アルフレッドソンがモリッシーのファンで、彼の名曲Let the right one slip inをこの世界一美しいヴァンパイア映画のタイトルにしたということだ。

そして数年後、なんと舞台化が実現し、スコットランドの劇団が地元公演のあと、ロンドン・ウェストエンドにやってきた。

 

 

レビューは軒並み5つ星でかなり期待して観に行ったものの、実際その期待を上回る完璧さに観終わったあともしばらく呆然としていたくらいだった。

Let the right one in の胸が張り裂けるような究極のラブストーリーの世界の舞台化にあたって、全編に流れる音楽が、当然重要な役割を果たしていた。雪に包まれる背景、主人公の若い二人の恋愛、血に染まる殺戮、それらすべてをピュアで、時にはナイフのように鋭く、ドラマチックに盛り上げていた音楽にも圧倒された。

現代的であって、クラシックで重厚な美しさも兼ねそろえていたその音楽は、アイスランド出身で当時まだ24歳の青年、オーラヴル・アルナルズによるものだった。

クラシック音楽のバックグラウンドがあるのは彼の曲からは自然と聴きとれるのだが、そこに現代っ子ならではのテクノロジーを駆使した新しい流れをもちこみ、さらにアイスランドならではなのか、一見冷たく孤高な美しさを呈していながら、内面はマグマのものすごいエネルギーに満ちている。。といった曲の数々に夢中にならずにはいられなかった。

しかしイギリスでは彼の音楽は、この舞台よりもテレビの人気ドラマだったBroadchurchのサウンドトラックに使われたことにより高く評価されていた。

イギリス南部の海岸の小さな町で起こった殺人事件をめぐる人間ドラマで、海岸の劇的な風景、住民たちの葛藤、悲劇的なストーリー、などにもやはりアルナルズの曲はぴったりだった。人気ドラマになった要因は彼の美しい音楽の影響もあったはずだろう。

当然とも言えるが、このドラマのテーマソングで、その年のイギリスアカデミー賞テレビ部門の最優秀主題歌賞も受賞している。

 

 

若き才能にあふれる北の果ての国の作曲家、ということで近寄りがたく気難しい感じがするかもしれないが、自身のFacebook https://www.facebook.com/olafurarnalds/?hc_ref=SEARCH&fref=nf

をフォローしていると、いかに普通の若者か、ということが見てとれる。さまざまなミュージシャンたちとのコラボレーションも楽しんでいるようだ。

残念ながら彼のライブにまだ行っていないので、あの深く幻想的な世界がどう実現されていくのかを体験するのが楽しみである。

 

 Ólafur Arnalds Web

http://olafurarnalds.com/