2017
01.07
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南半球のインディーロック”PLTS”の、驚くべき抜け感を味わう

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南半球から、インディーロック好きの心を震わせる新たな音源が公開された。バンド名はPLTSと書いて「パイロッツ」と読ませる。オーストラリアのバイロン・ベイという海沿いの街から始まった彼らは数年前から精力的に活動範囲を広げている。スマッシング・パンプキンズを彷彿させるようなキャッチーなメロディーと豊かなコーラスワークを武器に、デビュー2年目とは思えない心地良い「抜け感」を感じさせる4ピース・バンドだ。

 

 

 

PLTSのメンバーはボーカル/リード・ギターのキット・ブレイ、リズム・ギターのバイロン・カーニー、ドラムのハリー・ディーコン、ベースのエリ・アヨから成り、バンドの音楽性についてはパンクからソウルまで幅広いジャンルからの影響を公言している。最初のアルバム制作ではエンジニアにブルーススプリングスティーンやパールジャムとの仕事で知られるニック・ディディアを迎えた。

ボーカルのキットは傷だらけのフェンダーをかき鳴らしながらブロンドのカーリーヘアを揺らし、ドライだが鼓膜にからみつくように伸びやかなロックバンドらしいボーカルを聴かせる。乾いたギターの音も小気味良いほどスリリングに展開していく楽曲も、インディーロックが冒険と挑戦のワクワク感に満ちたものだということを思い出させてくれる。

 

 

PLTSが出身地と公言するサーフィンとヒッピーの街バイロン・ベイは、オーストラリア東海岸の中部に位置し、美しく開けた海から上がったらそのまま裸足で街の中を歩ける穏やかで脱力したムードが魅力の地域。街を少し離れれば海沿いの丘の上には真っ白な灯台が立ち、風が吹けば緑が薫る。決して都会ではないのだが、大掛かりなブルースフェストなどのイベントが開かれたり、サーフカルチャーやオーガニックプロダクトを世界に向けて発信するメーカーが多く存在するなど、「バイロン・ベイ」といえばオーストラリアではアートや音楽のトレンドに敏感な人にとっては文化の発信地としても密かに熱い場所なのだ。

 

 

 

 

2014年のデビュー盤収録曲と2016年の音源を聴き比べると明らかになるのが、PLTSが既に手に入れた程好い力の抜け感と表現の抑制だ。演奏者だけが熱くなるのではなく聴き手を熱くする、というのがプロの表現者としての力量の証明でもあるが、パイロッツは早くもそのセンスを発揮していることが音源やライブ映像から見て取れる。現在のところライブパフォーマンスの予定はオーストラリア国内のみのようだが(音源はiTunesやSoundcloudで公開中)、生でライブを観る日が楽しみなバンドの1つとしてウィッシュリストに加えておくのが良さそうだ。

 

PLTSオフィシャルサイト