2017
01.24
TARU-4693

【INTERVIEW】Still Caravan 『EPIC』は いかにして進化を遂げたのか

ARTIST, INTERVIEW, RELEASE, VIDEO

 

新年を迎えたある日の未明に 突然届いた音源を聴いて、泣いた。

器用なトラックメイキングで『IN YA MELLOW TONE』シリーズのHIP&HOP群に優秀な“メロウ”を添えていた印象だったStill Caravanが、まさかこれだけ躍動する“バンド”だったとは! リフは憎いほどにファッショナブル、ピアノに至っては昨今の国産ジャズではむしろ稀な振る舞いで、凛々しいグルーヴと清涼な鍵盤さばきに序盤で骨抜きにされてしまう。クリエイティビティーとポピュラリティーが緻密に設計されて居ながら、装飾音の遊び心も覗かせるとは…とにかく、一体何が起きたのかが無性に知りたくなった夜だった。

このアルバム『EPIC』のキャッチが「Jazzとブラックミュージックの蜜月」とはウマイこと言ったもので、素で受け取ると まるでコモンのような出会いをした国産ジャズ、或いはクリス・バワーズのような“未来”を含む国産ジャズのようでもある印象。だが本作は同時に歴記としたポップでもあり、雑味を仕込んだラフなフュージョン、さらには潮風ほのかなサーフでさえもあったようにも思えるのだから、恐らくここ日本では2015年cero 『Obscure Ride』辺りから現在も進化が続く“ニューシティポップ”の新アイコンとして幅広い層に受け入れられるのだろうとも思う。

今回は その『EPIC』誕生を祝したインタビューだ。残念ながらメンバーのHiGASHiは欠席となったが、メンバーは彼へのリスペクトを表しながらStill Caravanのヒストリーやポリシーを存分に語ってくれた。

挑戦の入り口は過去にあっても意味がない—— これはあくまでも“予感”に過ぎないが、このStill Caravanは更にもう一度僕らを驚かせてくれる気がする、そう遠くないうちにね…。

 

インタビュー・テキスト/田中サユカ

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Tsurumi/Vo&G Kojima/Ba Nakahara/P Shunsuke/Dr JFK/Producer

——まずは、プロデューサーの寿福さん(JFK)と、Still Caravanのこれまでを振り返って欲しいと思います。

 

Shunsuke 初めて寿福さん(JFK)と会ったのは2014年くらいですかね。

 

JFK ごめん、全然覚えてない(笑)!

 

一同爆笑

 

Kojima  もともと、今日来られなかったメンバーがStill Caravanの(前身)をやってたんですよ。

 

——トラックメイカーのHiGASHiさんですね。

 

Kojima  そうです。で、彼と自分は高校の同級生だったこともあって、色々とバンドの手伝いをし始めたのがきっかけです。それから、ShunsukeとTsurumiはHiGASHiとは大学のつながり。

 

JFK 同じサークルだったんでしょ?

 

Shunsuke 隣のサークルです。Tsurumiさんは僕の直属の先輩ですけど。

 

JFK NakaharaはKojimaの音楽仲間だった。確か、きっかけはライブだよね?

 

Kojima そう、ライブです。「やべぇキーボーディストがいる!」と思って話しかけた感じ。それで、HiGASHiがやっていたStill Caravanの活動が滞っちゃった時に、このメンバーが集められて「このメンバーで最後の賭けがしたい!」って話をされた。

 

JFK なんで滞っちゃったの?

 

Kojima みんな音楽制作のスピートが緩やかだったから、自分たちの生活が出来上がっていくと益々スピードが遅くなっていった。

 

JFK 尚且つ住んでいるところがバラバラでしょ?もともと千葉県の稲毛にHiGASHiが住んでいて、館山に移住して…

 

Tsurumi (2人の)MCは稲毛と市川にいましたね。その時のStill CaravanはHiGASHiの他に2MC体制でやっていたんです。

 

JFK その頃のPVも探せば出てくるので興味ある方は是非!今と音楽性はそんなにかけ離れてはいないけど…まあ、別モンだよね。

 

Kojima 前の作品も俺は好きですけどね。そういうことがあって、Still Caravanは賭けに出ることになった。その頃にはHiGASHiと寿福さんが知り合いを介して繋がっていて、デモを出そうってことになったんです。

 

Shunsuke そうだ!2014年4月に中華料理屋で話しましたね。

 

Nakahara よく覚えてるね。

 

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——2014年といえば『IN YA MELLOW TONE 10』でStill Caravanが初めてシリーズに参加されていますね。

 

Kojima そう。初めは『IN YA〜』にちょっとだけ収録させてもらえるような感じでスタートして、それからすぐ、2015年にはアルバム『Departures』を出せた。

 

Shunsukie でも最初は、確かアナログでしたよね?

 

JFK 2枚組のベスト盤のLPを作ったね。でもそれが『IN YA MELLOW TONE 10』が出る前か…。何であれ作ったんだっけな(笑)? サンプルあげてないよね?

 

4人 はい 笑.。

 

JFK あれソッコーでなくなっちゃったんだよ。唯一会社に少し残しておいたものも、中国に持って行ったら3秒でなくなった。レコード作ったのも久しぶりだったしね。

 

——寿福さんのStill Caravanに対する最初の印象としては?

 

JFK 悪友みたいな知人にStill Caravanを紹介されて「そいつがそこまで言うなら、面倒臭いけど、一回話聞くか…」っていうのが最初(笑)!

 

一同爆笑

 

JFK だってさ、持ち込みなんて大体良いのがないじゃん!誰も刺さらないから一生懸命営業してるわけだからさ。だからその時も「どうせ大したことねえだろうなあ〜、やんわりとうまく断らないと…」ってね。で、とりあえず曲を最初にもらったんだよね?

 

Kojima 数日間でデモを一曲出せって言われたんですよ。

 

JFK そうだ!一番最初に会ったのは…

 

Nakahara  渋谷。

 

Kojima 間にいた人が渋谷の居酒屋かなんかに寿福さんを呼び出したんじゃないですか?それくらい緩い感じの出会いでしたよ。とりあえずデモをくれって言われて渡したら、そこそこやるじゃん!って。

 

JFK なんの曲をもらったんだっけ?

 

Kojima 『Grown』の原型を渡しました。

 

JFK そうだ。それを1st『Departures』に入れたんだよね。それともう一曲入ってたでしょ?

 

 

Shunsuke 「Spartacus Love Theme」をKojimaさんがエディットしたやつを音源として送ったような?

 

JFK それだったかな?…でもね、なんかキラッとしていたんだよね。

 

——Still CaravanのGOON TRAXからのファーストアルバム『Departures』はHIP HOPとしてのリリースでした。もともとジャズ的エッセンスが芳醇なサウンドである印象ではありましたが、今作『EPIC』は、敢えてジャズという札を下げてのリリースですね。バンドとしてのジャズとの交わりは?

 

Tsurumi 多分、このメンバーの中で正式にStill Caravanというバンドに関わったのは俺が最初なんですよね。もともと俺たち二人(TsurumiとShunsuke)が居た大学のサークルはジャズ・サークルだったんですけど、ライブをしてたら「ちょっと、家に遊びに来てよ!」って、HiGASHiがすげーアプローチをして来た(笑)。

 

Kojima そういう距離感は苦手な方なんじゃない?

 

Tsurumi うーんどうだろ。でも、とにかく家に行ったんだよね。そしたらHiGASHiは結構 無理してスタジオ付きの家を借りていて、そこで当時ドラマーで手伝ってくれていた人とかカメラやってるやつとか、みんなで住んでいたんです。ピアニストも。

 

Kojima 謎の料理人とかもね!俺の高校の同級生なんですけど。変なクリエイティブな空間が出来上がっているなあ〜みたいな印象がありましたね。それがStill CaravanのJazz要素が生まれた原型なのかなあ。

 

JFK 良いね、そういうの。

 

——元祖「Still Caravanハウス」?

 

JFK “セカオワハウス”のオリジナルはココだ!”ってね(笑)。

 

Tsurumi その時HiGASHiが聴かせてくれたのが、俗に言われるJazzy Hip Hopだった。今から8年以上前だから、2008年くらい。

 

Kojima HiGASHiは昔からAVISHAI COHENとか、変わったジャズが好きだったな。

 

Tsurumi あとは『BLUE NOTE TRIP』がよくかかってましたね。

 

JFK 「こういうのがやりたいんだよ」って?

 

Tsurumi そう。

 

JFK その頃はライブのお手伝いみたいな感じだったんだっけ?

 

Tsurumi いや、レコーディングもやりましたね。

 

Kojima あの時は、エレキよりもアコギのプレイが印象的だったね。

 

Tsurumi そうかな。

 

——今回からTsurumiさんがヴォーカルを取られていますが(#3「Take It Slow feat.Kharisma」#6「Share My Soul feat. KYTE」#11「Railroad No.9」)、Tsurumiさんが実際に歌い始めたのはいつ頃ですか?

 

Tsurumi 僕自身が歌い始めたのは5~6年前ですね。2011年4月からは僕も館山に住んで居たんですよ。

 

JFK スタジオで働いてたんでしょ?

 

Tsurumi と言うよりは、みんなでスタジオをやろうっていう感じ。財布も一緒にして。こっちでも共同生活ですね。二代目Still Caravanハウス( 笑)。

 

Kojima その頃、俺はHiGASHiとは付かず離れずな距離感で付き合っていましたね。今もやっている自分の別バンドの企画にStill Caravanを誘ったり。その時にはNakaharaくんをキーボードサポートに加えたりしていました。

 

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——Nakaharaさんは、当時のStill Caravanをどう見ていましたか?

 

Nakahara サポートするって決まってからStill Caravanというバンドを知って、聴いた時に「なんかすげえオシャレなこと演ってるな」って思った。

 

一同笑

 

Nakahara その頃の僕はまだ音大を出たばかりで、今のように演奏の仕事をしていない時期に出会ったんですけど、当時演っていたバンドとStill Caravan、Kojimaさんのバンドの3バンドが対バンしたのがきっかけで、Still Caravanと関わるようになったんです。その頃は経験がなかったから「へえ〜こんなオシャレなことやるの?」って素直に喜んじゃった。

 

JFK エリートなのに騙されちゃった(笑)?

 

Nakahara そうですね(笑)。楽しそうだな〜って思って。

 

Kojima その時のライブがすごく盛り上がったんですよ。だから、自分の中ではその頃から”ジャズ”という要素が頭にあったと言うか。

 

Tsurumi HiGASHiは「生演奏で組む」って言う構想がずっとあったみたい。

 

Kojima そうか、あいつJAZZANOVA大好きだからな。

 

Tsurumi HiGASHiの長年抱いていた構想が、現体制になってようやく実現した感じですよね。

 

JFK 一回活動がなくなったからね(笑)。

 

Kojima HiGASHiからしてみれば、音楽を続けるか続けられないかの瀬戸際だったんでしょうね。

 

JFK Shunsukeは、前のStill Caravanで叩いてないの?

 

Shunsuke 叩いていないです。ずっとTsurumiさんに一方的にラブコールを送っていただけ。だから中華料理屋に行った時は、大きな話になっていてびっくりしました!

 

Kojima 俺はグループがどうのとか言うよりも、HiGASHiはいい音楽を作るのに、ずっとくすぶっていて「何やってんのお前!ちゃんと成功しろよ!」って、ただ思って。

 

Shunsuke 人を惹きつける力がありますよね。

 

Kojima ただ、才能はあるのに作るのがめっちゃ遅いんですよ。あいつをメインにしておくと年に2曲できるかどうか。だから、アルバム制作はペースの速い他の人たちが全体的に作って、HiGASHiには最後にインパクトの強いトラックをぶっこんでもらってる。それでグルーヴが活性化して、今のStill Caravanが保たれているんですよね。

 

Tsurumi 確かに俺が!俺が!っていうタイプじゃないよね。むしろもうちょっとHiGASHiから出して欲しいくらいの状況。

 

——なるほど!こうしてそれぞれの資質が余すことなく発揮されていくのですね。そして今作『EPIC』が完成しました。

 

JFK Still Caravanみたいなバンドって、なかなかいないんだよ。アレンジもレコーディングも自分たちでできるでしょ?演奏もできる。たいていのバンドは、誰か一人できる奴がいて、そいつのところに行ってやるんだけど、Still Caravanの場合は、一回集まって打ち合わせをしたら後はオンラインでブラッシュアップさせていくことができる。

 

Kojima いやあ〜、毎日誰かの家に集まっていたらすぐに解散しますよ!

 

JFK そうそう!だからこのバランスがすごくいいの。『EPIC』を作ることになった時は、2泊の合宿に行ったんだよね。あ、1曲目の「Shine On」はその前に出来てたっけ?

 

Kojima 出来ていました。あれはね、HiGASHiのPCから「何か隠し持ってんだろ?」ってフレーズを掘り出して、コードとかリズムをつけたヤツです。

 

JFK そうだ!あれ(「Shine On」)を聴いた時に、もうこれは直ぐに(次のアルバムを)作った方がいい!って思ったんだよね。それで合宿に行った。

 

 

Kojima 明確な収穫でいうと、その合宿では2曲目の「Butterfly」が出来たんですよね。俺が原型を考えてのセッション。これはピアノメインの曲なので、Nakaharaくんにブラッシュアップしてもらった。

 

JFK あの合宿で、ほとんどの曲の原型が出来なかったっけ?

 

Shunsuke 5曲目の「Urban Jack」はなかったよね。「Railroad No.9」はそれこそHiGASHiくんの部屋で、みんなで作ったじゃん。

 

Kojima そうだね。割とアルバムの核となる部分は合宿で出来たんだと思います。あとは、HiGASHiの家に突撃してPCからひっぱり出して…

 

Tsurumi 3回くらい行ったよね。館山の古民家に(笑)。

 

一同笑

 

Kojima 1曲目の「Shine On」はHiGASHiが元で、本当はもっとテンポが遅くて歌も入っていたんでしょ?サックスの部分を取り上げてテンポを速くしたりして、ブラッシュアップしたらこんなにオシャレじゃん!って、なったんだよね。

 

Tsurumi 随分昔からあったんだよ、あれは。

 

JFK 「Shine On」がなかったら、現時点ではアルバムができてない。

 

4人 確かに。

 

JFK あれを聴いて「これはイケそうだ!」って思って。そこから曲決めて…合宿は何月だっけ?

 

4人 (16年の)5月。

 

JFK じゃあ早いね、今作(『EPIC』)が出来たの!

 

Kojima でも前作からって考えると、1年数ヶ月ですからね。実は2016年が終わった時点でヤバイと思ったんですよ。

 

JFK 本当は年内に終わらせる予定だったしね。フィーチャリングのボーカルを誰にしようかとか、どの曲のアレンジを詰めていこうか?って話を渋谷の居酒屋でしたじゃん?

 

Tsurumi そう。渋谷の「北海道」。

 

JFK そこで「あ、そう言えばTsurumi一人で歌ってんじゃん!」って。

 

Tsurumi そうです。普通にフォークシンガーみたいな感じで…

 

JFK モテたいらしくて。

 

Tsurumi アハハ!モテる音楽性ではないですね(笑)。

 

一同笑

 

JFK じゃあ、Still Caravanでも歌ってみよう!ってなって、HiGASHiが持っているJack Johnsonみたいなデモを「Tsurumiが歌ってみれば?」って歌わせたら…これがよかった!それで生まれたのが、11曲目の「Railroad No.9」

 

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Kojima Still Caravanは、これまでヴォーカルを迎えることが多かったんですけど、実際は「ライブはどうしよう?」って、悩むことが多かった。それに「メンバーがもっと前に出ないと売り出せない」って寿福さんも前から言っていたんで、今回からヴォーカルをメンバー内で自給自足っていうのは今後すごくプラスにはなるなって思います。

 

——Still Caravanがライブバンドだというイメージがこのアルバムで持てます。

 

JFK そうだね。でもHIP HOPからジャズ・カテゴリーに変わったバンドなのに、メンバーが歌ってるってなかなか無いよね。

 

Kojima 確かに。

 

JFK 普通は逆じゃん?誰も歌わなくなったから、Voが脱退したから、インストでジャズ・カテゴリーにいきます、なら分かるけど。今のStill Caravanのバランスは本当に稀で、凄い武器だと思う。

 

Nakahara ただ、僕らとしてはジャズを狙っているわけではないかな。こう演ったらいい感じになるっていうものをただただ集めていただけだから。

 

Kojima でも、メンバーはみんな音楽に関しては美食家よ。ちゃんとしたものを食べているというか。

 

Nakahara ルーツはそれぞれ違うけど、みんな同じくらいの気品があるっていうか。

 

Kojima “品”っていう意味では、日本の今時な売れ線のジャズって下世話なくらい派手になっちゃうことが多い印象ですね。“ジャズ”って言っている割にはパンクみたいなのも結構多かったりするし。だから僕らは、売れるためのキャッチーさを意識しつつ“品”の一線は守りたいなって思いますね。

 

——メロディーに関してはどうですか?

 

Kojima トラックがあって、それに対して必然的に乗るものだと思っているんで、あんまりあざとすぎるのも好きじゃないんですよね。音楽的に良くて、そこにしっかり乗っている感覚を大事にしてる。

 

Nakahara 曲にもよるけど、歌モノでは歌ってる人がメロディーをつける場合が多いですね。インストは主役のパートが作ることが多い。

 

——Still Caravanは、あえて日本を拠点に選んで活動を?

 

Tsurumi 日本人だから(笑)。

 

JFK ワハハ!でも、これでライブがうまくいったら海外に出やすくなるよ。

 

Nakahara 僕は、個人的にはあんまり考えていないですね。こういう音楽って、要するに西洋音楽じゃないですか。それを個人としては、真似ても敵うわけがないって思っているんです。だったら日本人的な感覚、歌謡的な感覚を大事にして、日本人にも良いなって思われることを意識して演っていきたい。

 

Tsurumi 確かに拠点ってすごく音楽に影響すると思いますね。もしNYで活動したら「最先端」っぽいサウンドは得られるかもしれないけど、でもそれはNYの音でしかないのかな、とも思う。だから、僕らは“日本”っていうよりも“館山から発信する音楽”としての自覚があるかな。

 

Kojima Still Caravanの曲は、結構シティー系とカントリー系に分かれるんですね。「Railroad No.9」なんかのカントリー系は館山に住んでいるHiGASHiとかTsurumiが関わっていることが多くて、5曲目の「Urban Jack」みたいなシティー系はNakaharaくんとかが関わっていることが多い。

 

Nakahara 結局やりたいようにやるとアーバンっていうか…そうなっちゃうんですよね(笑)。

 

Tsurumi そうなっちゃうよね。俺がやりたいようにやったらカントリーになっちゃうし、ジャンルの話ではなくて。

 

——個々が住んでいる環境もサウンドに大きく反映されるんですね。ところで、館山のその場所からは海も見えるんですか?

 

Tsurumi そうですね。あそこはサーフィンが盛んなとこもありますし。周りに家も少なくて開放的だから、音も出しやすい。

 

JFK 結構びっくりするくらいの音量を出しているよね。家が揺れるくらい 笑

 

——住む場所だけでなく、それぞれの音楽の趣向自体も違うんですよね。

 

Kojima 「ジャズが大好きです!」ってメンバーだけが集まっても、広がるものがないですからね。

 

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——お互いに好きな音楽をシェアしあったりするんですか?

 

Tsurumi あんまりやらないですね。制作している時に「こんなの弾いてくるんだな」とか知るくらいで、具体的に誰々が良いよ、とかは全然ないですね。

 

Kojima 好きに弾いてもらって、良いものには普通に「良いね」って反応する。

 

Nakahara だからみんな、自分と違うものに対して寛容なんです。

 

——次の作品の構想はもうありますか?

 

Kojima さっき“日本”って話になりましたけど、制作する時には そういうことにこだわり過ぎてもいけないと思うんです。「なんでも良いじゃん!」っていう感じで出して、あとは寿福さんがベストを選択するだろうって思っています。

 

JFK まだ公開間もないけど「Shine On」のPVの伸びも順調だし、CDショップのバイヤーさん達もJazzだけでなく、多方面に響くようにプッシュしてくれているので、この作品でJ-INDIEの人にも刺さると思うんですよね。なので、次の作品が非常に大事になってくるかな、と。スタートダッシュが今回とは全然別物になると思うので。

 

タワーレコードあべの

 

JFK このアルバム(『EPIC』)は、トータルで聴いても全然疲れない、絶妙のバランス感。さらにライブもできる!これからの課題はバンドのどの比重を増やすか、ですね。自然とヴォーカルのTsurumiが歌う曲は増えるとは思いますけど。

 

——発表されていませんが、リリースツアーは予定していますか?

 

JFK 全国●●箇所!なんてのはやりたくないですね。ありがちなのが、結成して3年後にデビューします。そうすると3年の間にみんなで知恵を出し合って作った“制作期間3年間”のアルバムを発表してデビューするじゃないですか? それでツアーだ!って、半年近くツアーして、それから次の6ヶ月で前作よりいいアルバムを作れ!…って、作れるわけないじゃん!だから、世界見渡すと、ファーストアルバムが一番良いってバンドが本当に多い。サードアルバムが一番良いってなかなかいないですよね。それに、日本はこんな小さな島国ですし。

 

Tsurumi そう考えると、だいぶ俺たちは心の余力があるね。

 

Kojima 普段からちゃんと風呂に入れているとか、そう言う普通の生活が整っていて初めて良い音楽ができるものだと思う。今 寿福さんが構想しているペースは理想かもしれませんね。

 

Shunsuke 月1回くらいですかね。来てくれたお客さんに新たな気付きがあるライブを、って考えると、それ以上になると準備する時間が足りないから追いつかないですし。

 

JFK 俺も昔は、南は九州〜北は北海道まで周ってた時代もあったけど、その頃はまだSNSがmixi(ミクシイ)しかなかった頃だからね。今はTwitterとか、俺たちと同じ世界がネットの中、タイムラインの中にもあるじゃない?タイムラインって現実より速いスピードで流れてる。ほら、こうやって軽く1回スクロールすれば、3時間くらいすぐ流れてく。

 

Shunsuke 確かに!

 

JFK だから、過去と同じタイム感でやっていたらダメなんだよね。だからと言って「今はタイム感が速くなったからもっとライブをやりましょう!」って言うのはもっと違うかな、と。ライブが当たり前になったら価値は下がる。ライブは、特別な空間であるから価値があるんだからね。

 

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JFK その代わり、音源は消費されていくスピードがとても早いから、なるべくコンスタントに出す。メンバーで個々の活動があるんだったら、そっちにもしっかり時間を割けるようにする。その時間的、精神的余裕があれば、バンドが集まった時にお互いで刺激を与え合って良いものができる。その“バランス”だよね。

 

——そんなStill Caravanの注目すべきライブが間近に控えていますね!

 

JFK 今日はちょうどそのリハーサルでした。Still Caravanは自分の曲以外に、Steph Pocketsのバック・バンドとしても出演するので大変(笑)。

 

Nakahara それを含めると全部で17~18曲か。でも、すごくいい感じにはなりそうですよね!

 

JFK 見所はShunsukeのMCです。

 

Shunsuke え?嘘でしょ?喋れないよ~

 

一同笑

 

JFK MCをサンプリングにすればいいじゃない?(笑)。

 

Kojima MCをレコーディングしにウチに来る(笑)?

 

Nakahara いいですね。Pad使ってやりましょう。

 

JFK 1/29@渋谷Gladは斬新なライブになりますね。お楽しみに(笑)!

 

取材場所 / 都内某所

 


Still Caravan 『EPIC』release party & IN YA MELLOW TONE TOUR with Steph pockets


2017年1月29日@SHIBUYA Glad

Open & Start / 18:00

ticket / ADV¥3,500+D DOOR¥4,000 +D

詳細はこちら

Still Caravan_EPIC_ジャケ写

【リリース情報】

アーティスト:Still Caravan

アルバム:EPIC

リリース日:2017/1/18

価格:¥2,000

Amazon

iTunes(¥1,500)

 

 

Still Caravan HP