2017
01.29
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デヴィッド・ミード『デューズ』 – 知られざる稀代のメロディー・メイカー –

ARTIST, BLOG, VIDEO

デヴィッド・ミードは、本当に素晴らしいメロディー・メイカーだ。弾けるようなポップ・ソングも美しいバラードもお手のもの。ヴォーカルには人生のペーソスが滲み、聴く者の胸を心地良い切なさで満たす。元々はパワーポップの文脈から登場してきた人だが、キャリアを重ねるに連れ、穏やかな人柄が伝わる内省的な作風を得意とするようになった。作詞能力にも優れ、曲の中に様々な感情を折り重ねてゆくストーリーテラーとしての手腕は高く評価されている。そんな彼のことを、スワン・ダイブのビル・ディメインは「ポール・サイモンに対する21世紀の回答」と称している。

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『デューズ』は8枚目のオリジナル・アルバムであり(ミニ・アルバムを1枚含む)、デヴィッド・ミードの多彩な音楽性が詰まったまさに集大成と呼べる作品だ。ここで収録曲をいくつか紹介しよう。

オープニングを飾る「アイ・キャント・ウェイト」は、静かな希望の歌だ。起きがけの朝、カーテンを開けたときの部屋に射し込む柔らかな光を思わせる。

 


「キング・オブ・ザ・クロスワーズ」は、アルバム随一のパワーポップ・ナンバー。クロスワード・パズルの天才が辿る数奇な運命をユーモラスに綴っている。

 

 

タイトル・チューンの「デューズ」は、落ち込んでいる仲間に向けて書かれた曲。シンプルな演奏と素朴な歌声が魅力的だ。


「ザ・スマイル・オブ・レイチェル・レイ」は、際立って美しいメロディーをもったナンバー。歌詞が実に秀逸であり、デヴィッドのストーリーテラーとしての才能が遺憾なく発揮されている。

 

 

今、僕は強い願いとわずかな苛立ちを胸にこの文章を書いている。デヴィッド・ミードは、けっして有名なアーティストではない。おそらく、この記事で初めて彼の名前を知ったという人も多いことだろう。そして、才能のある人が必ずしも成功するわけではないことも知っている。それでも、なぜこれほどの才能に恵まれながら、デヴィッドはチャンスを生かすことができなかったのか、僕には不思議でならないのだ。そして、とても歯がゆいのだ。それくらいデヴィッド・ミードの音楽は突出している。多くのアーティストがどんなに求めてもけっして手に入れることのできない普遍的な輝きが、デヴィッド・ミードの歌にはある。少しでも多くの人達に、この知られざる稀代のメロディー・メイカーのことを知ってほしいと、心から願っている。

 

 

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【リリース情報】

アルバム:『デューズ』(Dudes)

アーティスト:デヴィッド・ミード(David Mead)

価格:1,905円+税

ライナーノーツ:宮井 章裕

歌詞対訳:佐藤 幸恵

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