2017
03.11
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Bibi Bourelly で知る、シーン2軍の底力

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ヒップホップやR&Bといった音楽が、本国アメリカの一大ショウビジネスとなってどれ位経っただろうか。今や多くのアーティストが”セレブ”の仲間入りを果たし、音楽以外にゴシップ面でも世間を賑わせている。ここ日本でも、インターネットやSNSを駆使しほぼリアルタイムに現地の情報を楽しんでいるファンも多いだろう。

 

 

しかし当然ながら、彼らの存在だけがヒップホップやR&Bではない。寧ろ彼らの影に無数に存在する中堅~ローカルなアーティストこそが”シーンそのもの”であり、トップに君臨する者達も皆この無名時代を過ごしてきたはずだ。

私はどうしてもこの”セレブ未満”とも言えるアーティスト達による、純粋でどこか垢抜けない音楽には何とも言えない魅了を感じてしまうのだ。

 

 

名門レコードレーベルDef Jamと契約中で、正式なデビューアルバムの発表が待たれる女性シンガーソングライター BiBi Bourelly もその一人だ。

 

 

 

こちらは彼女が今年2月に公開した「Ballin」のミュージックビデオ。哀愁を帯びやさぐれ感すら感じる歌声やメロディーはRihannaを思わせる…のもそのはずで、2015年のヒットシングル「Bitch Better Have My Money」を始め、昨年リリースされたアルバム『Anti』から「Yeah, I Said It」「Higher」「Pose(デラックスエディション版のみに収録」といったRihannaの楽曲のソングライティングを手掛けているのが、この BiBi Bourelly なのだ。

 

 

 

ドイツのベルリン生まれ、現在22歳の BiBi。

イリノイ州シカゴ生まれの著名なギタープレイヤー Jean Paul Bourelly を父に持ち(前述の「Yeah, I Said It」 では彼も制作に参加している)、彼女は11歳の頃から父のツアーに同行していたそうだ。

更に母はベルリンの世界文化会館・芸術部門のトップを務めていたようで、早くからアーティストとしての気質が身についたのだろうと推測される。

 

そして多くのアーティストが逆境や劣悪な環境を経験しそこから成長を遂げていくが、彼女も然り。

6歳の時に母を病気で亡くしたことをきかっけに、その後数年間仲間たちとストリートに入り浸るようになり、ついには学業を続けることが出来なくなる程に成績を落としてしまう。結果アメリカはメリーランド州に移り住み高校生を送ることになるが、これをきかっけに後にプロデューサー Paperboy Fabe と出会い本格的な活動を開始する。

 

 

現在彼女の作品は、昨年ダウンロードのみでリリースされた2作のEP(ミニアルバム)のみ。

「Free The Real 」(Pt. #1)、(Pt. #2)とシリーズものとなっているが、どちらも現代の若手R&Bでは珍しく、ブルージーでどこか懐かしい正統派な”リズム&ブルース”を感じるサウンドが味わい深い。中でも同じくDef Jam所属の新人シンガー Earl St. Clair とのあまりに早熟なデュエット「Perfect」は 、メインストリームでは決して聴けない古き良き心地良さがある。

 

 

空前のブラックブーム真っ只中の日本でも未だ知られていないBiBi Bourelly だが、彼女の存在は放っておけないアーティストの一人としてあげておきたい。

                                                            文/ Kaytee Da Shade