2017
04.05
Two bbys ding some stunts - Street artist breakdancing outdrs

【Pick up】今年はこの男!ハードコアラッパー Don Q

ARTIST, VIDEO

70年代にヒップホップが産声を上げた地、NYはBronx。ここに私が今最も注目しているラッパー、Don Qという男がいる。

HighbridgeというBronxの西側のエリアで生まれ育った現在26歳の彼。昨年話題になった新人A Boogie Wit Da Hoodieと同郷で、Boogieの楽曲にて頻繁に客演しているため、すでに名前を目にしたことがある人もいるだろう。

 

 

私が彼の存在を知ったのは昨年8月、デビューミックステープ(ヒップホップにおける無料アルバム)” Don Season”がリリースされた時だ。

ちょうどAtlantaのTrap勢やその中心的プロデューサー軍団808 Mafiaが、全米規模で人気・仕事量共にピークを迎えようとしていた時期。

ローカルラッパーのデビュー作でありながら、またヒップホップにおいては伝統的なスタイルが色濃いNYを拠点としていながらも、NY流Trapとも言うべき的確に流行を押さえたサウンドに驚かされた。

 

 

そして今年2月28日には2作目となるミックステープ” Corner Stories”をリリース。

FabolouosやStyles P 、 Jadakissといった格上ラッパーたちを客演に招き、制作陣営にもMurda BeatsやあのDr.Dreのお抱えピアニストだったことでも知られるScott Storchもクレジットされており、一気にメジャー側に近付いた印象を受ける。

このような変化は当然サウンド面にも表れており、より洗練されたTrapビートとフロウ、一方でTrap全盛期以後動き始めた新たなNYサウンドを一早く捉えたような曲も収録されている。

が、決して大衆受けするようなキャッチーさでは無く、前作同様にどこか垢抜けないローカルなギャングスタさを漂わせているのが好印象だ。

 

 

現在のNYシーンで目立つ存在と言えば、どれも数年前からすでに頭角を現していたラッパーばかり。Trap全盛期真っ只中に登場し(またその影響をはっきりと受けながら)、注目され始めた者はまだそう多くはない。

Don Qのような新世代とも言えるラッパーの存在には、またひとつシーンの歴史が動いた、と感じずにはいられない。

 

更に現地では、あの「故The Notorious B.I.Gを思わせる」という評価も得ている上に、彼自身からは「次のJay-Zになりたい」という発言も飛び出している。

早くも”亡きドン”と”現ドン”の存在がチラつく辺り、彼の名は決して伊達ではなさそうだ。

 

日本ではまだほとんどのメディアが取り上げていないこの男、コアなヒップホップファンには是非おすすめしたい。

 

 

 

文/ Kaytee Da Shade