2017
04.22
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2010年代型 / 無冠・無欲の異彩サウンド Vol.2 “ALARMIST”

ARTIST, BLOG

時折、音楽に対する愛が純粋すぎるのか売れることにまったく関心が無いのかと思われるほど知られてないバンドがいる。当然、そんなバンドが世界のどこかにいて最高なサウンドを鳴らし続けていても、なかなか島国日本国までは響いてこない。もっと貪欲に、とまではいかなくてもちょっとは海外でも売れることに関心持ってくれよ…、と言いたくなる無欲なる優良バンドを、今回はALARMISTをご紹介させていただきたい。

 

ALARMISTはアイルランドはダブリン出身の4ピースバンド。マルチ・インストゥルメントバンドのため各メンバーが演奏する楽器は固定されていないようである。動画を見ると、ドラム、ギター(フェンダー・ジャガーが特徴的)に加えてアナログシンセからiPadまで幅広く用いて演奏しているようである。

 

 

前記Oshwaに比してフロントマンは不在であるがゆえ、逆に音楽から「人格」や「感情」ようなものを感じることはない。上の動画のタイトル「Petrichor(ペトリコール)」とは「温暖な長い乾季の後の最初の雨の時の香り」を指す言葉だそうで、Alarmistsはそのような叙情的、と言うとちょっとわざとらしい感じもするが、いずれにせよ個の感情よりも、もっと五感に作用するような喚起力を重視したサウンドを鳴らしている。彼らの表現したかったことは、日本に乾季はないけれど例えば夏、夕立が降り始めた時に再生してみるとよくわかるかもしれない。

 

 

そうかと思えば、しっかり轟音ギターを鳴らしてくれたりするあたりは、普通にロック好きなリスナー達にも気に入ってもらえるポイントだろう。アルバムとしてリリースされているのは上の「Petrichor」を収録している『Popular Demain』一枚のみで、あとは数枚のEPが存在する。

※Apple MusicやGoogle Play Musicで視聴可能だが、同じ括りにされている同名別バンドもいて(アルバム名は「Evil Works」)こちらはノイズ・ハードコアみたいな全然違う音楽なので注意が必要。

 

文 / 沢田シュウ