2017
05.05
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Mesh Bangaが握る、ベイエリア復権の鍵

ARTIST, BLOG, VIDEO

 

あなたが米西海岸産ヒップホップの熱狂的ファンなら、彼女の魅力を伝えるにはこのミュージックビデオ1本で十分かも知れない。今年2月に公開されたこの曲は、あまりにも王道で、反則に近いほど”美味しいトコ取り”したサウンド、曲名はRegulateときた。西海岸ヒップホップの入門許可証と言える程の定番曲、あの”Warren G – Regulate feat. Nate Dogg (94年リリース) ”を大胆にサンプリングした一曲だ。

 

 

Mesh Bangaは、今年21歳になると思われる女性ラッパーで、カリフォルニア州リッチモンド出身。ここはサンフランシスコやオークランドといった近郊都市とともに、ベイエリアとも呼ばれる地域だ。”ヒップホップ地図”上においてベイエリアと言えば、他の主要都市同様サウンドに独自性があり、レジェンド級のラッパーも多数存在する地域。しかし近年は、全国的なヒットを記録した新人~中堅はほとんどおらず、日本でも一部のベイエリアラップファンを除いてはあまり注目されていない地域と言える。(唯一G-Eazyというオークランド出身のラッパーがヒットしているが、彼はベイエリアらしいサウンドを押し出すタイプではない。)

 

そんなベイエリアを拠点に、恐らく2011年頃から活動を開始したと思われる彼女。ソロだけでなく、地元のローカルラッパーたちへの客演など、ここ1年ほどで活発な動きを見せ始めている。

 

 

 

 

 

また、ご当地サウンドだけではなく現行シーンを意識した曲もしっかりと抑えており、今時のアーティストらしいバランス感覚も持ち合わせている。影響を受けたラッパーにRemy Ma(ニューヨークの女性ラッパー)やDrakeといった名を挙げるあたり、彼女の意識はすでに全国へも向いているようだ。特にスロウな曲ではDrakeからの影響を感じさせる瞬間が度々あり、今後の”化け具合”が非常に楽しみでもある。

 

 

 

私が確認出来ている限り、これまでに彼女のまとまった音源としてはミックステープが2作リリースされている。更に現在、同じくリッチモンドのラッパーM.O.E Ninoとのコラボミックステープ”Diamond”が準備中のようで、収録予定と思われる”Call It”のビデオが公開されたばかり。今やシーンの主流となったTrapサウンドを取り入れ、ベイエリア・西海岸好き以外にも受け入れやすい1曲となっている。

 

 

まだほぼ現地周辺のメディアでしか存在を確認出来ないような、ローカルなラッパーMesh Banga。ベイエリアラップファン(私を含む)にとっては、この地から全国区での活躍が期待出来る若手アーティストの存在は嬉しいところだ。

彼女のことは全米よりも先に、日本のヒップホップファンたちに紹介しておきたい。

 

                               文 / Kaytee Da Shade