2017
05.27
Dave-B

上品でソウルに響くDAVE B.のサウンド感

ARTIST, BLOG, VIDEO

ヒップホップに求める物は何なのだろうか。ゲットーからの成り上がりやその先の酒池肉林なのか。ケンドリック・ラマーのような社会問題を切り裂くクレバーさか。そういった世界を見るのが楽しいが、正直、そのような音楽が溢れてしまっているのも事実。ラッパーは意気揚々とブランドや高級車を歌い、ドナルド・トランプを批判する。ハッキリ言って、もうそのような世界に飽き飽きしている方も少なくないのではないだろうか。もう少し落ち着いてヒップホップが聴きたいだろう。今回はそんな昨今のヒップホップに辟易としてヒップホップリスナーに『DAVE B.』を紹介しよう。

 

 

 

 

まずは彼の音楽を聴いて欲しい。最近の流行りであるとトラップ系のサウンドを取り入れているが、飽くまで飾りにすぎない。本当の魅力は、大味だけどサウンドに上品さを加えるピアノだ。細かい音の抑揚はないが、大味ながら耳の奥を震わせてくれるピアノのサウンドは、非常に新鮮な気持ちにさせてくれる。そしてサウンドの一番奥でさり気なく存在している小鳥のさえずりには、ふとした瞬間に心奪われる。ヒップホップの形をしながら、チルアウトとの相性が非常にいいサウンドだ。

 

 

 

この曲では、ピアノは出てこない。しかし、妙にこもる重低音やドライなスネア。サウンド全体を見てみると、押し付けがましくなく自然と耳に入ってくる心地よさのあるサウンドだ。バックコーラスの不気味さがいいアクセントとなっており、音楽としても素晴らしい。音に包み込まれるような気持ちにさせてくれる。

 

 

 

この曲もかなりヘビーな重低音があるが、アコースティック・ギターの繊細なサウンドがバランスを取っており、絶妙なサウンドとなっている。そして、DAVE B.のラップにも注目して欲しい。ソウル音楽をベースとしているかのようなエモーショナルさを持ちながら、ちょうどいい緩急や独特なフロウなど、三連符など昨今の流行りに流されないスキルフルなラップを持っている。まるで包み込まれるような聴き心地はほんとうに気持ちがいい

 

 

最近のヒップホップにもいいところは当然ある。しかし、どれも同じような音を鳴らして、同じことを歌っているそのように見えてしまうのも事実だ。ここは少し今のラップとは距離を置いて、DAVE B.のサウンドで癒やされてみてはどうだろうか。

 

文 / 海金ヒロキ