2017
08.14
Fashionable Woman on Floral Blossom Background

フロム極寒ロシア、Mokhovが放つ本場のチルアウト

ARTIST, BLOG, VIDEO

「落ち着く、冷静になる」という状態、またそのような状態をもたらす音楽を指して「チルアウト」という言葉がここ数年よく使われるが、元々は“チル(Chill)”とは「冷ます、冷やす」という意味である。確かに、エンジンであればオーバーヒート、人体であれば熱中症で例証できるように、熱くなりっぱなしというのは非常にマズイ状態と言える。

それゆえ、地球温暖化、ヒートアイランド現象、政治的緊張などといった良からぬ熱がまさに籠もりまくった現代、早急にチルアウトが必要だ、そう感じる人は少なくない。熱を冷まし、頭を冷やさなければならないのだ。

我々が求めて止まぬチルアウトのため、Mokhovのサウンドは必ずや役に立つことだろう。

内陸部では1,2月の平均気温が-50℃にもなるという極寒の地ロシアはまさに“チル(Chill)”の本場と言えるだろう。Mokhovはそこで生まれ育った。

 

 

Mokhov名義で活動するOleg Mokhovは現在はラスベガスを拠点に活動するロシア人エレクトロニカ

ミュージシャンである。また、音楽プロデューサーとしても活動中。

 

オフィシャルページによると「MokhovはBonoboやRöyksoppみたいな音楽です」と説明されている。なんとなくそんなことは自分で言わない方がいいような気がするのだが、Wikipedia(英文)によるとBoards of Canada、Four Tet、Aphex Twinなどの影響も指摘されている。日本の音楽好きであればAmetsubなんかが好きな人であれば気にいるかもしれない。

 

 

奇を衒わずに奏でられる美しいメロディー、LからRへ揺らぎながら彷徨うような電子音、そのサウンドの周りに丁寧に散りばめられたノイズはさながら極寒の空気の中に現れるダイヤモンドダストのようである。

 

相当に律儀なタチなのか、2011年より毎年1枚、きっちり10曲入りのアルバムをリリースしている。ジャケットのアートワークも自らのロゴをあしらった毎回ほとんど同じデザインなのでどれから聴いたらいいものか悩むところではあるが個人的なオススメを1枚あげるとすれば、2016年作品のSolace Embrace。チルアウトの必要を感じる時、ぜひとも聞いていただきたいミュージシャンである。

文 / 沢田シュウ