2017
09.01
Handsome young African man in cap and sunglasses standing against the stoned wall and looking away

Don Flamingo - ニューオリンズから満を辞してのベテラン・ローカル・ラッパー

ARTIST, BLOG, VIDEO

ジャズの発祥の地としても知られる、米ルイジアナ州ニューオリンズ。近年ではラッパーCurren$yらが活発な動きを見せ、この地ならではのユルくジャジーなヒップホップサウンドを確立している。また、全国的に露出が増え始めた若手や中堅ラッパーもチラホラと存在していながらも、ここ日本にはあまり情報が入ってきていない、そんなエリアでもある。

 

Don Flamingoという男もまた、現地での露出度とは裏腹に日本ではあまり知られていないラッパーだ。

 

 

 

先日公開された新作ミュージックビデオ「Seen It All」では、ニューオリンズらしいユルくてイナタいサウンドが堪能出来る。派手さこそないが、808系ドラムとシンセベースばかりのシーンに退屈していたヒップホップファンには、嬉しい一曲だろう。ビートのユルさと、主役の軽快なフロウとのバランスも絶妙だ。

 

また、同郷のラッパーPaaskyを引き連れ、お隣テキサス州はヒューストンに乗り込んでいったこんな曲も。

 

 

ビデオでは現地のレジェンド故Pimp Cの映像や、故Big Moe、UGKの壁画も登場し、アウトロではビートがスクリュー(曲の速さを極端に落としたこの地のご当地サウンド)する本格的なヒューストン仕様。前述の「See It All」より更にユルくて気だるいサウンドが癖になる。

 

と、ここまで書くとこのDon Flamingoという男、王道な既存のサウンドを後追いする、いかにも若手な存在と思われるかも知れない。が、意外とキャリアは長い。

筆者が確認出来ている限り、2000年代後半頃から少なくとも8作以上のミックステープがリリースされている。

 

かつてはThe Showという名前で活動しており、更にニューオリンズと言うことで同郷の大御所プロデューサーMannie Fresh(かつてCash Money RecordsからHot Boysらを手掛け、ダーティサウスとも呼ばれた南部産ヒップホップブームを巻き起こした人物)が関与していたりもする。

 

時期は不明だが、当時の南部ブームを知る者であればおっ?と思う面子が集ったスタジオでのフリースタイルセッションにも登場しており、ここでもベテラン勢とのパイプの存在が確認出来る。

 

 

現在はJay-Zが主宰するレーベルRoc Nationと契約を果たし、主要メディアで目にする機会が急増。これまでの活動歴や現行シーンに対するカウンター的なサウンド、ベテラン勢のバックアップ・・・すでにここまで”揃っている”アーティストはそう多くはない。

 

筆者はまさにブレイク直前と見ているDon Flamingo、今知っておきたいアーティストの一人だ。

 

                              文 / Kaytee Da Shade