2017
09.13
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【INTERVIEW】Nozomi Nobody —選んだ道が“近道”ではなかったけれど—

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2017年の東京は連続記録を打ち出すほどの雨続きであったが、Nozomi Nobodyの取材を迎えた日は 息を吹き返したように暑く、それはまるで彼女の溢れ出す情熱のようでもあった。陽だまりのような物腰から歌声から見え隠れする“ソレ”は、おそらく彼女の神聖なる情熱。僕は彼女の情熱を“本質”と呼ぶことにした。そして今となっては、その“本質”と向きあうことが彼女の宿命でもあった気がする。

表現をするために生まれて来た彼女は、見せている以上に自分の本質とうまく付き合えないで来たのではないか。自分の本質を 時には抑えようとしてみたり、表に出しては派手に衝突したこともあっただろう。そんな彼女は今回、彼女はシンプルな中にリアルな深みの得られる歌を聴かせてくれたのだ。

耳元にずっと在るような本作『Everything Goes Back To You』について語る眩しい彼女を眺めていたら、いつの間にか僕の闇も明け渡っていた。

 

写真・取材・文 / 田中 サユカ

Nozomi Nobody

 

——Nozomiさんは表現することに労力やお金も含め、一切を惜しまないイメージですよね。

 

Nozomi それはありますね!だから、いつもギリギリなんです(笑)。

 

——今回の作品(『Everything Goes Back To You』)もそうですよね?表現するとなったら一直線。

 

Nozomi ありがとうございます。嬉しいです!多分、頑固なんだと思いますよ(笑)。

 

——誰かと作品を創作する作業は苦手ですか?

 

Nozomi 今回は君島結さんというエンジニアさんに入っていただいたんで、誰かと一緒に作るという意味でペースを掴むまではちょっと大変でしたね。君島さんはすごく感覚的な方で「これはいい」「これは違うと思う」と遠慮することなくはっきり区別される方だった。元々あんまり人付き合いが得意なタイプではないので(笑)、最初は少し戸惑ったところもあったんですけど、でも今回君島さんから教えていただいたことは本当に多くて、一緒に良いものが作れたなと思います。

 

——悩みましたか?

 

Nozomi 色々考える良いきっかけになったなと思います。私はずっと人とやることがなかったので。

 

——そうですよね。一人で全部できちゃうからね。

 

Nozomi うーん、多分私はすごくこだわりがあるんでしょうね。小学校、幼稚園の頃から、自分の思い通りにならないと許せなくて、自分でやったほうがはやいな、っていうのがありましたね。

でも、音楽を始めてから前作(『We Are Always Bit Lonely』)を作った時に初めて「一人でこれ以上はやれないな」って思いました。

前回はいろんな意味で、一人でちゃんと音楽と向き合ってちゃんと音楽を作る、というテーマがあった。作ることは好きでやっていることだから全然辛くないんですけど、それ以外のプロモーションとなると、途切れることがなくて…本当に体力がついていかなかったですね。

 

 

——それにしてもすごいと思っていましたよ。フェス(CIRCUS FES)も主催していますよね?どういうバイタリティなのか!

 

Nozomi バイタリティって、よく言われます(笑)。そのフェス(CIRCUS FES)は今年で四回目になるんですけど、10月だから今年はツアー中ですね。

 

——それでもフェス開催を続けているということは、アーティストとして意義の在る活動なんでしょうね。

 

Nozomi CIRCUS FESに関してはただ「みんなで楽しいことしよう」って言って始めたものなので、あんまり意味合いみたいなものは求めていなかったりもするんですけど、でもすごく勉強になりますね。例えば 良いライブをすることはもちろんなんですけど、いろんな振る舞いや姿勢も含め出演するっていうことだなあ、と思うようになりましたね。

 

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——そして今回リリースするミニアルバム『Everything Goes Back To You』は、ご自身のルーツに立ち返った作品ですね。

 

Nozomi 前回の作品はやりたいことが明確にあったんです。それを自分一人で納得できるものがちゃんとできた。今回は自然に生まれたものを大切にしてきた感じですね。できた曲に対してあまり手を加えていないし、アレンジもシンプル。

 

——間近で自分のためだけに歌ってもらっているようなサウンドですよね。

 

Nozomi そこはミックスをすっごいこだわったので、そう言ってもらえてすごく嬉しいです!前作は「音楽を作りたい!」っていう気持ちが強かったからあまりヴォーカルを出さなかったんですけど、今回は「歌うことが好き」っていう、元々自分が好きだったことを大事にしたんです。フォークとポップ、そして歌が真ん中にある作品にしたかった。

 

——フォークがNozomiさんのルーツではなくて、歌うこと自体がNozomiさんのルーツなんですね?それにフォークやポップが乗った。

 

Nozomi うん、そうかもしれないですね。物心がついた時から歌うことが好きでした。道端とか学校の廊下とか…いっつも歌っている子供でしたね。でも、きちんと歌を始めたのは21歳の頃だから、少し遅いんですけど。

 

——来年は歌い始めて10年を迎えるんですね。

 

Nozomi そうですね、恐ろしい(笑)。でもまだ全然振り返るところじゃない。やっとこれからだと思っています。これは本当に良くなかったと思っているんですけど、最初は女の子の弾き語りシーンみたいな、すごく小さな場所にずっといたんですよね。どういう風にしたらCDがつくれるかとか、全くわからずにいたんです。

 

——長い間、もがいていた期間があったんですね。

 

Nozomi そうですね。『ふたり』っていう自主盤を出したあたりからやっと自分の音楽性も固まってきて、色んな出会いも増えたかなと思います。

 

 

——詞についても伺いたいのですが、今回の作品も全曲英詞ですよね。それが一番しっくりきますか?

 

Nozomi 絶対に英語!と思ってこだわってるわけではないんですけど、今はそういう時期なのかなという気はしてます。でも実は今回の制作の一番最後に日本語の曲が2〜3年ぶりにできたので、それをシークレットトラックとして入れようかとも思ったんですよ。家で窓を開けて録っていて外の音の入り方も完璧に良くて!でも、最終的には今回の作品には入らなかった。だから、次の作品には日本語の曲もそろそろ入れられるかもなって思います。全部日本語っていうのはないと思いますけど。

 

——言葉が変わるとNozomiさん自身も変わりますか?

 

Nozomi うーん、私は歌詞ありきでメロディをつけるので、メロディが違うでしょうね。でも、今回は訳詞も入れましたよ!前回は考えもしなかったんですけど、心が広くなったのかもしれない(笑)。

 

——今日はもう一つ訊きたいことがあるんです。Nozomiさんの作品は伸びやかで透明感のある歌声が最大の魅力の一つだと思うんですけど、その中でどうもパンクの要素(?)が見え隠れする気がするんですよ。

 

——あはは!それ、どういうところから感じますか?

 

——紛れもなく声から。強さというか、反骨というか。それはNozomiさんの内なるものがパンクなのか、もしくは別の音楽性も持っているのか。

 

Nozomi たまにライブでも気づいてくれる人がいて、すごく嬉しいです!私も自分で根がパンクだと思っているので。でも、なんでしょうね?そういう反骨精神みたいなのは子供の頃からある、負けず嫌いだし。すごく尖ってたんですよ、10代の頃とかは(笑)。

 

一同笑

 

Nozomi 不良だったとかっていうわけじゃないんですけど、学校でも怖い人だと思われて、あまり話しかけらない感じ。話してみたら意外と普通でいい人だったって言われるんですけどね。音楽性に関しては、中学の時に周りがパンクのバンド始めたりしたから、よく聴いていました。ライブも行ってモッシュしたり。パンクという音楽自体も自分の体験として残ってると思います。

 

——なるほど。最近のNozomiさんは?

 

Nozomi 最近はどうでしょうね。いわゆる女性シンガーソングライターとして見られたりするシーンの中でもどうにかやらないといけないんだ、と思っていた時期がありましたね。頑張ろうとしていたけど、すごく憤りというか…「全員黙らせる!」っていう思いはあった。

 

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Nozomi でも今はそれを割と手放しつつあるというか…それが良いのか悪いのかはまだわからないけれど、単純に良いものをちゃんと作り続けたい。その上でそれを一番良い形で届ける方法をちゃんと考える。すごくシンプルになりましたね。まあ…でもまだまだ大変だなって思いますけど(笑)。もうちょっといろんなことが伴ってくるといいなと思ってはいるんですけど、でもそれはやっぱり良いものを作り続けるしかないなって。

 

——MV「Do You Know?」も公開になりましたね、すごく良い。見ている人それぞれの幼い頃や原風景を見ているような気がしました。

 

Nozomi うん、嬉しい。でもあの曲はそういう曲なんです。「あなたの存在が今もまだ胸を苦しくさせる」っていうことをサビで歌っている。それは私の音楽に対する思いなんです。今、原風景って言っていただいたのは本当にそうで、初期衝動というか、子供の頃から自分の中にある大切なものの歌なんですよね。しんどい時があっても良いライブを見たりしたら胸がぎゅっとなるのは…そういうことだなって。MVは 木村和平くんっていう写真家が作ってくれたんですけど、見た瞬間に「これだ!」って思いましたね。

 

 

——「Goes Back To You」はアルバムタイトルにもなっています。フレーズとしても思い入れのある曲ではないですか?

 

Nozomi うん。「Everything Goes Back To You」は「すべてあなたに還る」っていう意味なんですけど、なんでも音楽になるし、音楽として還ってくる、というシンプルな曲ですね。それで、今回は作った後で気づいたんですけど、(アルバムに入れた曲が)全部音楽のことを歌っているな、と思った。

 

——「Goes Back To You」を作った時は、まさにしんどい時でしたか?

 

Nozomi しんどいのを超えたあたりでしたね。前回のツアーが終わって年末年始に書いた曲なんですけど、アルバムを出してからの半年が本当に辛かったんです。でも11月に潮田雄一さんとすごく小さいお店で演ったライブがすごく良かったんですよね。それで、「これはまたできそうだ!」と思えた。

今回、生まれて初めて「本当に無理かも」って思ったけど、結局またやる(運命な)んだな、と。だから、辞めることを諦めたって感じですかね(笑)。

 

——ああ、(Nozomiさんは音楽を)やること(運命)になっているですね。

 

Nozomi そうですね…。(「Goes Back To You」は、)それを超えてできた曲です。私は器用そうに見られるんですけど、実はすごく不器用なんだと思うんですよね。もうちょっとうまくやれたらいいなって思います(笑)。

 

 

——今年もリリースツアーをやりますね?

 

Nozomi はい。今回は去年のツアーで出来たご縁を辿るようなツアーになったと思います。ツアーファイナルはバンド編成でやるんですよ!

 

——これまた人と関わる大仕事ですね。

 

Nozomi うん。でも「やって見たい!」と思えるようになったんで、良いタイミングかと思います。ゲストはRopesが決まったんですよ、是非来てくださいね!

 

 

 

 

 

【リリース情報】

アーティスト:Nozomoi Nobody

ミニアルバム:Everything Goes Back To You

リリース日:2017年9月13日

価格:¥1,667+税

レーベル:Silent Room Records

 


“Everything Goes Back to You” Release Tour


 

09/17(日)神奈川 TOWER ROCORDS川崎(ラチッタデッラ噴水広場)
09/19(火)大阪 FLAKE RECORDS インストアライブ *ゲスト:senoo ricky
09/23(土)神奈川 横浜マリンタワー “TOWER OF MUSIC vol.93”
09/29(金)埼玉 熊谷モルタルレコード
09/30(土)山形 酒田hope
10/01(日)新潟 上越(TBA)
10/24(火)東京 渋谷HOME
10/28(土)東京 下北沢”CIRCUS FES 2017”
11/11(土)大阪 南森町雲州堂
11/12(日)京都 二条nano
11/23(祝木)香川 高松TOONICE
11/24(金)徳島 bar txalaparta
11/25(土)愛媛 松山(TBA)

12/05(火)TOUR FINAL 東京 下北沢ハーフムーンホール *ゲスト:Ropes
*バンド編成 with / ガリバー鈴木(Ba.)、潮田雄一(Gt.)、飛田興一(N.Y&BICYCLES, all about paradise / Dr.)

 

【Nozomi Nobody 関連ページ】

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