2017
09.24
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【INTERVIEW】The Best Average「+」に振り切った先の「僕ら探し」について

INTERVIEW

名古屋で活動を続ける5人組バンド The Best Averageが、2017年の8月にミニアルバム「+(プラス)」をリリースした。どこからどう聴いても“隙だらけ”な彼らの6曲は、どれも目も開けられないほど眩しくキラめいていた。

彼らに感じた眩さは決して若さだけではなかった。90年代を彩った いわゆるビーイング系J-POPへの半ば無意識的なリスペクト感も彼に向かって発光しているように思えた。

織田哲郎らが生んだ80’sUSハードロックを基盤にしたストレートな音作りや坂井泉水の率直な歌詞感覚がリードしたポップロックブレンドの系譜は平成生まれのThe Best Averageにも流れている、となれば、もはやここも無視して通れないだろう。

そんな今回の主役 The Best Averageは、まだまだこんなモンではございません!!今日はフロントマン・近藤君に、これまでバンドが通過したマイルストーンを拾いながら、今後バンドが越えるべきハードルについてラフに語ってもらった。

取材・文・写真 / 田中 サユカ

 

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——結成は2012年ですね。

 

近藤 そうですね。高校の同級生と同じ部活動に入って、それからずっと同じメンバーでやってます。

 

——学生の頃からだと進路などもあって、メンバーチェンジなしとはなかなか難しくないですか?

 

近藤 そうですね。高校二年間は部活動っていう感覚だったから割と続けられたんですけど、受験ではみんながどうなるかがわからなかったですからね。結局みんな名古屋にいることになって続けていますけど。

 

——揉めることもなく?

 

近藤 小さいことは揉めますけど、脱退とかそこまで大きく発展することはなく。

 

——部活動とは軽音部?

 

近藤 名前はフォークソング部なんですけど、みんなフォークソングをやってなくて、ワンオクとかRADとかをカバーしたりしてましたね(笑)。

 

——バンド名「The Best Average」っていうのは結成当時から変わらず?

 

近藤 そうですね。

 

——なかなか探りたくなるネーミングですよね。

 

近藤 あんまり格好良くないと思っているんですけど…って、これは使わなくていいです(笑)!

 

一同笑

 

近藤 バンド名をどうしようかって話している時に、ちょうど情報の授業で“アベレージ関数”を習っていて、詩音が「“The Best Average”はどう?」って。それでこのバンド名になりました。僕が後付けで「頑張ってみんなでバンドの平均値上げて行こうぜ!」みたいな意味をつけたものの…

 

——バンドの平均値ってなんだ?っていう疑問もありつつ。

 

近藤 あー、そこは結構ざっくりしていますね(笑)。バンドのありとあらゆる能力値、みたいなものですかね。でも略称「ベスアべ」っていうのは覚えやすいし気に入っているんです(笑)。

 

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——結成当初はどんな音楽をされていたんですか?

 

近藤 メンバー5人ともそれぞれ好きな音楽が違うので、ローテーションでカバーする曲を決めていましたね。大会に出るようになって、高校生でもオリジナルで勝負するバンドが多いことを知ってから、僕らもオリジナル曲を始めました。2013年のことですね。

 

——軸とする音楽性は最初から変わらず?

 

近藤 そうですね。音楽性は変わらず。耳に残るキャッチーな楽曲作りはずっと心がけています。最近はよりJ-POPを意識している曲が多いかな。

 

——5人とも音楽性が違う中で、一つの方向性にまとまるのは大変なことではないですか?

 

近藤 僕とギター(詩音)が曲を書くことが多いんですけど、ギターが書くときは割とギターロック寄りの曲で、僕が書く曲はJ-POP寄りが多い。直接「やりたくない」とか言われたことがないからわからないんですけど、その辺は寛容に受け入れてくれていたから今もやっていけているんじゃないかと思いますね。ありがたいです。

 

——ミニアルバムをリリースされましたけども、タイトルは「+」。これはどう読んだら良いのでしょう?

 

近藤 「プラス」って読むんです。ジャケットは わたらいももすけさんと言うSNSでも人気のデザイナーさんにお願いしました。どうしてタイトルを「プラス」にしたのかというと 「どの曲をアルバムに入れようか」となった時に「今回は前向きに振り切ってもいいんじゃないか?」ということになったから。

 

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近藤 前向きと言ってもいろいろで、前向きに進むのもあるし、前向きに進もうとしている人を支えるっていう前向きもある。いろんな「プラス」がこの「+」という記号に込められるな、と思ってつけました。

 

——昨今ではこの記号を使ったポップアルバムが世界的に売れましたが、そういった方のリスペクトではありませんか?

 

近藤 そうですね、後からエド・シーランがやっているのを知りました(笑)。次に「−」を出す訳ではないです。デザインとしても良いと思ったんですよね。

 

一同笑

 

——クリスチャンのお墓のようにも見えました。だからバンドとして何かを決心して断ち切ったのかな?といった印象も受けましたよ。

 

近藤 決意した思いは6曲目の「かんがえもの」っていう曲に入っています。生きていくうちに悩むことって増えていくじゃないですか。自分の人生を悲観的に見てしまう時期もある。未来はどうなるかわからないけど、そういう時に自分が信じた道を受け入れて、それに愛情を注いで全力で進んで行くしかないんだ!ていう決意が込められています。だから、このジャケットからそこまで感じ取っていただけたとは嬉しいですね。

 

——詞のお話が出ましたが、全体を通して格言のようなフレーズも多く登場しますよね。でもそれは「諭し」というよりもメンバーご自身の中にあるものがストレートに詰め込まれた気がしますが。

 

近藤 そうですね。でも、詩音が書いた4曲目「味方」という曲と5曲目「アクリル」には「諭し」の要素が表れていたかもしれない。

 

 

——リード曲は「アイスキャンディー」です。

 

近藤 あれは完全に降りて来た感じですね。

 

—— “アイスキャンディー”という言葉自体は完全に昭和の言葉なのに、その言葉をわざわざ使って2017年の青春ソングとして成立させるところがすごいと思いましたよ。

 

近藤 “アイスキャンディー”っていう言葉が降りて来た時に、女の子のあざとい感じが似てると思ってこの曲を作ったんです。…そうか、そんなに前の言葉だったんですね、気にしていなかった(笑)。

 

——それに、隙だらけな部分も。

 

近藤 それは僕なんですよ(笑)!恋愛とか下手なんです。

 

一同笑

 

 

——それは天然モノでないと価値がありませんからね。欲しくても持てるものではないと思いますよ。それにとにかく眩しい!現在のベスアべは「+」のリリースツアーの真っ最中ですね。

 

近藤 これはMCでもよく言うことなんですけど…自分で作った曲を人に聴いてもらうためにわざわざ東京とか大阪とかに出かけて行ってライブするのって、相当エゴイストな行動だなって思うんですよ。でも僕らは結果的にそういう音楽に助けられてこれまで来ている。だから、そういうエゴイスティックなことをする以上は、聴いてくれる人に何かを与える使命があると思うんですよね。

 

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近藤 だから、今回のツアーはコンセプトを固めて回ろうと決めたんです。それは「自分たちの音楽を聴いてもらう人に、明日も自分たちの音楽が流れるように」というコンセプトと持ってライブをするようにしています。そうやって僕らの音楽が誰かの支えになれたらいいですよね。

 

——さっき雑談の中で「自分らしさを模索している」と話してくれました。現時点での“近藤さんらしさ”とは、思ったなりをそのまま表現するところだという。では現時点での“ベスアべ”らしさ“とはどういう点だと思いますか?

 

近藤 僕が作る曲は素直に表現することだし、詩音は引っ込み思案になりがちな子たちを後ろから支えてあげるような作品を作るところ。それは割とリスナーの皆さんには伝わっていると思うし、今のベストアベレージなのかなって思う。

でもそれでは全然満足していません。今はいろんな切り口から探っていって、残ったものを見つけ出せたらなって思っています。だから今、本当に「僕ららしさ」の答えをちゃんと口に出せないのは本当に悩みで…満足しちゃったらダメだと思う。右肩上がりに成長していっている実感を大事に向き合い続けたいですね。

 

——音楽の方向性を大きく変える可能性もある?

 

近藤 多分、いろんなことを試しても軸のようなものは残ると思うんですよ。大きく振り切るつもりでも共通性が残る。それに、これから大人の魅力も出したいと思いますね。

 

——そうですね。また最近では大きな舞台に立つこともあると思います。周りのシーンを見てどう感じますか?

 

近藤 この前TREASUER X2017に参加させてもらって生で見るライブの良さを改めて再確認できました。ライブの表現力、説得力、構成。圧倒的に違いました。だからこそ最前線で活躍しているんだなと確信しましたね。そしてだからこそ僕たちはその域に達したいんだ、という思いが強くなりました

 

——ベスアベもワンマンを経験しましたし、さらなる成長が楽しみですね。

 

近藤 ありがとうございます!年末には新しいシングルをリリースする予定なので、これからもチェックして頂けたら嬉しいです!

 

 

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