2017
10.08
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【INTERVIEW】amamori、遂に完成したアルバム「一昨日見た夢」リリースインタビュー

ARTIST, INTERVIEW, NEWS, RELEASE

amamoriを止めることは誰にもできない、と僕は彼女を一目見た時から読み取った。

物心ついた頃から空想とひたすら対話を続け、4歳から作曲を開始。こうして育まれた彼女の“セオリー”が音大時代にロジックと結びつき増幅する一方で、ずっとこの機会待っていたのだった。

こうして完成したのがamamoriの説明書ともいうべき「一昨日見た夢」だ。少々草のしげる公園に楽器をドドンと置いて、なんのしがらみもなく歌いあげるamamoriが眼に浮かぶが、果たしてそれは一昨日みた夢か、現実か。いやいや、そんなことはどうでも良いのである。僕がそう言い切るのはなぜか。この気ままなインタビューに答えが書かれているような気がしませんか?

取材・文・写真 / 田中 サユカ

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——2013年のサマソニ「出れんの!?サマソニ!?」のステージで初めてamamoriさんのパフォーマンスを拝見したとき、この人はあらゆる出来事をすぐに歌にできる人なんだなって思いました

 

amamori そうですね。お話みたいな歌ばっかり作っている気がしますね。だから今作「一昨日見た夢」の感想も「短編小説見たい」とか「絵本みたい」とか言われます。私自身、前に本屋さんで働いていたこともあって…。

 

——本が好き?

 

amamori そうですね。一年でだいたい…130~140冊は読みます。

 

——それは活字中毒という…

 

amamori そうなんです。だから 読んだ本はエクセルにまとめてあるんですよ。読んだ本と日付と作家を書いておくと、思い出せない時なんかに便利なんです(笑)。それに、後で見返すと「この時は すごくハードボイルドなヤツにハマっていたんだなあ!疲れていたのかなあ?」とか「この辺の資料を集めていたんだなあ。」とか、振り返ることができる。一種の日記みたいですよね。

 

——「リアルのだめ(カンタービレ)がいる!」とも思いましたね

 

amamori それもよく言われますね(笑)。「のだめカンタービレ」は漫画で読みました。いただいたので。

 

——漫画をくれる人がいるんですか?

 

amamori 私は会ったことがないおじさんなんです。その方は母の友人で、この前はビールと、それとは別でつまみが届きました。で、今度 遂にその方に会うんです!うちの家族とその方で焼肉を食べに行くんですけど、そこで会います!

 

——それはこれまで分のお礼を伝えないとね!ところでamamoriさんは、曲を作っている自分とライブをする自分、どっちのモードが“amamoriの原点”なんだと思いますか?

 

amamori それってよく考えるんですけど…例えば 無人島に一人で行ったらピアノは弾かないと思うけど、曲だけはずっと作ると思う。高校の時にピアノをやめていた時期があったんですけど、その時もずっと曲は作っていたので。だから、曲を作る自分が元にあるのかなって思う。その一方で…ステージはステージで好きだから…両方好きなんだなって思います(笑)。

ただ、曲を作っても発表する場がないと ふわっとして終わっちゃう。だから ライブを決めて締め切りができるとありがたい。ツイキャスを演るとかもね。

 

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——なるほど。しかしamamoriさんは、長いキャリアじゃあないですか。リリースが2017年と時間が経過したのには何かあったんですか?

 

amamori どうしたらいいのかがわからなかったっていうのはあると思うんですよね。(例えば)他の楽器を入れたいけれども誰に頼んでどこで録ったらいいんだろう、とか。あとは、一年半くらい前にミニアルバムを作ろうっていう話になったことがあるんですけど、折り合いがつかなくて作れなくなったんです。私は結構心が折れやすいので、そこで暫く「もうだめだ…!」って思っちゃったんですよね。

 

——心の修復期間も必要だったんですね。

 

amamori そうです。それに体調も崩して…。それでも自分の曲を自分で聴きたいというのもあって、今回はTwitterで「amamoriのアルバムが欲しけど自分で作らないとamamoriのアルバムは手に入らない」ってツイートしたんですけど、そうしたらエンジニアもやっているドラ内山っていう友達が「俺がやるよ。」って言ってくれて、完成できたんです。すごくありがたいなって思いますね。

 

——そういう「縁」があったんですね。

 

amamori 「縁」ですね!あとはタイミング!ちょうどよかったです。今までピアノ弾き語りで作っていた(手売りの)CDは「これでよかったのかなあ…」っていう感覚があったんですね。「音源がないといけないから作らなきゃ!」と必要に迫られて作ったというか。一つ前の「蔵」という作品も、気に入ってはいるんですけど、今ライブでやっていない曲を集めたので、初めて会った方に「オススメです!」って出せるものではないし(苦笑)。

 

——それを経ての今作「一昨日見た夢」ですが、手応えとしては?

 

amamori そうですね。今回は 他の楽器を入れて録るのも初めてだったんですけど、いっぱいわがままを聞いてもらって出来上がったので、自分でもよく聴いていますよ。

 

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——今作を聴いていて改めて感じるのは、amamoriさんの作品は非常に演劇的ともとれますよね。小さい頃から舞台もされていたんですか?

 

amamori そうですね。ミュージカルもやっていました。

 

——その頃の経験がamamoriの基盤の一部分になっている?

 

amamori そうですね。それはあると思いますね。音大ではオペラの伴奏を勉強していて、物語を歌うのがすごく好きです。ピアノを弾いて、例えば「これは花が咲く音だ」とか、そういうのをやっていました。

 

——絶対音感たるような表現方法。

 

amamori 音感は 楽器のドレミとかはわかるくらい。だから“だいたい音感”くらいかな(笑)。

 

一同笑

 

——これ(「一昨日見た夢」)は、月並みではありますが、まさに名刺代わりの一枚と言っていいですね。

 

amamori そうですね。「“amamori”です!」って言って渡せるようにしましたね。

 

——だって、1曲目の「MASK」から「これぞamamori!」というプログレ炸裂感!

 

amamori はい。音大の友達には「ピアノの人にしかできない音の使い方だよね」って言われて、嬉しかったですね。私は作家の安部公房がすっごい好きで、その人のイメージを90年代くらいに持ってきたイメージで(「MASK」を)作ったんです。それともう少しアバンギャルドさも抜いた感じ!

 

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amamori それに、すっごいバカなことをしたかった(笑)!ピアノは両手オクターブで動いているんですけど、特にベースとかが入ったらそんなに音を入れる必要はないのに、メタルでよくあるような男のダウンピッキング!みたいな、難しくなくて派手な曲にしたかった。それでできたのが「MASK」ですね。

 

——その次はamamoriの代表作と言っていい「これは恋?」。

 

amamori そうなってますよね(笑)。この曲はもともと四谷天窓.comfort(ライブハウス)のコンピに入っていた曲で、(今作に入れるのに)もう一回弾き語りで録ってもしようがないと思ったので、今回は打ち込みにしました。それで、エンジニアの方にはおもちゃ楽器を盛り込んでもらいましたね。ジミー・ファロンっていうアメリカの人気司会者(ミュージシャン)達が、学校にあるもので、しかもマドンナやメタリカとか、本人を呼んで曲を演奏するっていう企画が好きなんですよ。それをイメージして音を作りましたね。それに、今回はピアノを弾かない曲を入れたかったんです。

 

——これだけピアノのイメージが強いのに、それはどうして?

 

amamori ピアノを弾くのももちろん好きなんですけど、ギターでイメージしている曲はギターで作りたかった。今回は「これは恋?」と「消えた物語」はピアノを弾かない代わりに入れたい音を入れてもらいました。

 

——従来の仕事に縛られず、今回はソングライターとしての仕事とリアルに接触したんですね。

 

amamori でも私のことをまさかの“シンガー”と言う人もいて、それも面白いです(笑)。ハンドマイクで歌いそうですよね(笑)!

 

——それはソウル系の歌唱を期待されそうですね(笑)。曲を作りながらグランドピアノの下で寝ている人に見えますけどね(笑)。

 

amamori あります、布団(笑)。吸音のためにも入れていたんですけど…ちょうどいいんですよねえ〜!

 

——面白いなあ!ところで本作は、もしかして一曲目「MASK」だけボーカルの録り方を変えましたか?それ以外はボーカルが前面に出ているんですけど、この曲だけ直なライブ感がある。

 

amamori そうなんです。ミックスの際、楽器とのバランスを考えてそう言う作りになりました。

 

——なるほど。それにしても、演奏の迫力に圧倒されますからね!

 

amamori 「短い曲だから耳が痛くなっても大丈夫だから!」って、お願いしましたから(笑)。

 

——タイトルの「一昨日見た夢」は、収録曲の歌詞の一節(出だし)ですね。

 

amamori 6曲目「消えた物語」ですね。あの曲は2年くらい前にトリオでやっている頃からよく演っていた曲です。3markets[ ]のmasaton.さんが叩いているイメージが強い曲なので、今回も叩いてもらいました。

この曲もメタルみたいなことがやりたかった。だから“ギターとキーボードのハモリ”があって、サビはパッドで伸ばす!みたいな、あそこの界隈の定番を突っ込んだ!すごく楽しかったです。

 

——メタルが好きだといろんな場面で公言していますね。

 

amamori メタラーっていうほどではないんですけど、70年くらいのプログレッシヴ・ロックはよく聴いていますね。

 

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——漫画ができそうな曲ばかり。

 

amamori 作ってくれる人がいたら作って欲しい!それにアニメーションのMVも作りたいと思っているんですよ。MVっていう感じじゃなくて、逆にアニメーションにつけるっていうことでもいいと思います。

 

——具体的なアニメのイメージがありますか?

 

amamori シンプルなイメージはあるんですけど、私のイメージにはないものも「出会い」だなって思います。そんな出会いがどこかにあったらいいな…って、婚活みたいですね(笑)。

 

一同笑

 

——でも本当にそうですよね。今回の作品だって無理やりこぎつけたものではないわけでしょう?

 

amamori そうですね。どうしても!っていうことはしないようにした。

 

——しないほうがうまくいくのかも知れない。

 

amamori うん、なんかそんな気がします。「やってもいいけど…」よりも「うん、やるよー!」って言ってもらったほうが、お互い楽しくできる気がする。でも、今回のエンジニアは「これは恋?」の打ち込みに関しては死にそうになってました(ごめん)。

 

——あの曲がないとアルバムが成り立ちませんからね(笑)。9月6日には先行でリリースパーティが 開催されましたね。それに、このあとはリリースツアーも控えている。

 

amamori 福井、名古屋、大阪、そのあとは新潟で2日間やって、その前に東京で4日間続いていたり…友達にメロコアバンドみたいに勢いで詰めた(スケジュールの)組み方だねって言われました(笑)!だから風邪だけはひかないように、怪我しないようによく寝て、よく食べよう…!

 

——そうですね。先ほどは思い切ってアニメーションを作る方の募集宣言されましたが、amamoriさんの作風は、今後も様々な分野と交わっていけそうですね。

 

amamori そうですね。今までも朗読に伴奏をつけたりもしていて。別のフィールドの人とやるのも興味がありますね。そのフィールドで使われている共通言語が違うから、イメージを一致させるのが結構大変だけど。

 

——そこも醍醐味でしょうね。

 

amamori そう。だからすごく面白い!初めて聞くようなことをしている人の話とか、自分の生活にはないものだからすごく楽しみです!

 

——次の作品の予定も?

 

amamori まだ出せない情報ばっかりなんですけど…。新潟で2日間やった次の日にツーマンでライブがあって、その日にまた良い情報を発表できると思います。

 

 

【リリース情報】

アーティスト:amamori

タイトル:一昨日見た夢

リリース日:2017/10/11

価格:¥1,800+税

 

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