2017
10.25
mh_04

【INTERVIEW】MASQUERADE HOTEL「無意識のうちに楽器主体で考えちゃうところがあるんですよね。」

ARTIST, INTERVIEW, RELEASE, VIDEO

“はっぴいえんど風”だの“シュガーベイブ風”だの“グラスパー風”だの、と半ば”自称シティポップ乱立時代”にも感じる今日この頃、80’sUSハードロックの流れにある意味素直にアクセスしたコンテンポラリー・ロックバンド”MASQUERADE HOTEL”に出会った。2016年に結成してから1年でリリースしたオリジナルEP「Suite Room」に耳を澄ませば、やや重ためにうねるグルーヴが互いのバックボーンの歩調を合わせるように実直で、時折吐き出すギターソロからはロッカーらしい鋭い牙をチラつかせていてスリリングだ。全4曲を聴いているうちに、このバンドが次に辿り着く音への関心が高まって行くのだった。

初メディア登場でもあるMASQUERADE HOTEL。彼らの素顔を切り取った今回のインタビューの後にはぜひ、彼らが大股で踏み込んだ第一作目「Suite Room」に触れてみてください。

取材・文・写真=田中 サユカ

mh_02

写真左から syun(Vo)  TOGASHI(Gt)

 

 

——お二人ともメタルが原点だと伺いましたが、ジャズ色を強めた今の方向性になったのは?

 

TOGASHI 僕が主体で動いているんですけど、自分が今やっているような音楽をやりたくなったんです。

 

——それはいつのことですか?

 

TOGASHI 去年(2016年)の7月です。それからメンバーを集めました。

 

——最初に声をかけたメンバーは?

 

syun …僕です。

 

TOGASHI うん。まずは僕が作ったデモ音源を渡して「ブラックミュージックみたいなのをやりたいんだよね。」って言ったら承諾してもらえた。

 

——誘いを受けた印象としては?

 

syun ちょうど前のバンドを解散した時で、また違うタイプのメタルをやろうと思っていた矢先のことでした。確かに方向性は違うけど、とにかくデモ音源が気にいったので、やるだけやってみようと思いましたね。

 

mh_03

 

syun デモは二種類あって、一つは今バンドで作っているようなコンテンポラリージャズ系のインスト版、もう一つのデモは結構ロック調でした。ブラックミュージック主体っていうことだけど、ロック等を混ぜて大衆向けに作るのかな?と。

 

TOGASHI 自分の中ではJiLL-Decoy Associationの “男版”をやろうと思っていたからね。あんまりそういうバンドが居ないから。皆のバックボーンは違うけど、お互いの見えている方向性さえ同じならいいかなって思いますね。

 

syun 彼(TOGASHI)が大体原案や参考にした音楽も教えてくれたりするから方向性は自然と確認できている感じかな。曲もTOGASHIが作ってきて自分がメロを作って…

 

TOGASHI そう、それで各楽器の細かいアプローチとかはメンバー皆で考えて。これがウチ(MASQUERADE HOTEL)の曲作りの流れでもありますね。

 

——バンド名は東野圭吾の小説から?それだけで文学的な匂いがするっていうのも不思議なものです。

 

TOGASHI そうです。バンド名はそこから拝借しました。ちなみに歌詞はsyunが書いています。

 

syun 音楽のイメージと合ってるからね、「MASQUERADE HOTEL」って。僕らの音楽って、ライブハウスよりはホテルのラウンジで聴かれるような感じだし。

 

 

 

——まずはカバーの動画で存在感をアピールされていましたね。

 

TOGASHI そうですね。今の時代はネットが栄えちゃっているからそれをうまいこと活用した方が良いと思いまして。YouTuberじゃないけど、僕らのことを多くの方に知ってもらうには、伝える手段としては一番効果的なんじゃないか?と思って。Suchmosとかのカバーで僕らを知る、切っ掛け作りにしてもらえたら裾野が広がるかなって。

 

——ユニークなアレンジも。

 

TOGASHI そうですね。プレイヤーのエゴじゃないけど、原曲をリスペクトしつつも自分たちの色を出した上で、受け入れてもらいたいという気持ちがありますね。

 

mh_11

 

——それを経てのファーストミニアルバム「Suite Room」リリースです。トントン拍子にも見えますが。

 

TOGASHI トントン…トントンじゃないんですよ。リズム隊が代わりましたし。よく言う“音楽性の違い”と言いますか…。

 

syun メンバーが固定されたのは今年(2017年)の3月か。

 

TOGASHI しっかり動けるようになったのも同じくらいかな。本来ならこの音源ももっと早い段階で出すつもりだったんですよ。

 

syun レコーディングでも色々あったね。メンバーチェンジがあって、音源の差し替えをしなくちゃいけなくなった。それで、気がついたら9月。

 

TOGASHI そうだね。本当に気が付いたら9月だね。予定では2017年の3月くらいにはリリースしているつもりでいたからね(笑)。

 

——オリジナル作品を聴いて真っ先に受けた感想としてギターの存在感です。ソロのみならず、全体を通してさりげないけど抜かりないカウンターラインが気持ちいい。

 

TOGASHI その辺も出し切るつもりでアプローチを重ねていますね。ソロひとつとっても、ジャズって言うよりはメタルにも聞こえるように弾いています。そう言う部分でもバックボーンが出ていますよね。

 

 

——なるほど。一聴しただけでギターのメンバーが中心のバンドだってわかるくらい。

 

syun メタルはギター中心だしね(笑)。

 

——ヴォーカルでは日本の情緒的なロックのエッセンスが活きていますね。

 

syun やっぱり母体はコンテンポラリーな要素を散りばめてはいても、自分が染み込ませてきたものは出ますよね。ロックのようにメロがわかりやすいからこそ、いろんな人に幅広く聴いてもらえるとも思う。

 

——2曲目に「Glasper」とありますが、とは言え音響的、よりブラックな方向を選ばずに、シンプルな歌モノで楽器主体・プレイヤーとしての見せ場を重要視しているようにも受け取れますね。これはこのバンドの魅力の一つですよね。

 

TOGASHI メタルをやっていると、無意識のうちに楽器主体でどうしても考えちゃうところがあるんですよね。そう言うところを良い感じに受け取ってもらえたらプレイヤー冥利につきますね。

 

mh_05

 

——こうして改めて今の自分たちのオリジナル作品を俯瞰で見てどう感じていますか?

 

TOGASHI これまでの自分達のルーツをブラックミュージックやシティポップっていう形でまとめられたかな、と。

 

——今日までは、バンドが今のシーンで通用する力を証明してきた期間でもあったんじゃないかと思ったんですよ。それで、これは個人的な思いでもあるんですけども、次のオリジナル作品が楽しみなんです。

 

TOGASHI まだ具体的には何も考えていないんですけど(笑)、期待していただければ!

 

syun 今、曲のストックを貯めているよね。

 

TOGASHI そうだね。近いうちに出せたらなあ〜。今作「Suite Room」とは違った曲調になるかもしれないですよ?今の感じだとまた“別物”になりそう(笑)!

 

——ライブは重視されないんですか?

 

TOGASHI 今のところは。

 

syun 実際ライブを演るんだったら、音源通りにやってもつまらないんで、ライブ用にアレンジして演りたい。そのぶん時間がかかっちゃうけど、闇雲にライブばかりやってクオリティが下がっちゃえば本末転倒だからね。

 

TOGASHI コンスタントにやってクオリティ下げるぐらいなら、ライブの本数は少なくても一本一本が特別になるようなライブを演りたいですね。

 

 

 

【リリース情報】

アーティスト:MASQUERADE HOTEL

タイトル:Suite Room

リリース日:2017/09/20

価格:¥1,000(税込)

 

【MASQUERADE HOTEL 関連情報】

Web

Twitter

FaceBook

Instagram