2018
01.03

【INTERVIEW】VANILLA.6「見る方も演る方もちょっと汗をかきたい。」

ARTIST, BLOG, VIDEO

大阪を拠点に活動するVANILLA.6が2年の活動を経てCD製品化へと踏み込んだ。これまで 脱力系ロックかシティポップかヒップホップかのインディーシーンの中で、孤立する時期も少なくなかったであろうVANILLA.6だが、戸惑いを振り払い、居場所を探すことをやめたからこそこの一枚へと踏み出せたのではないか。気になる中身は80’sシンセロック色が強めなパンチの強い4曲。ビジュアルだけでなく音もまたファッショナブルな作風スタイルは健在で、今後も進化しか見えないバンドの未来を予感させる、芯の通った作品に仕上がったのではないかと思う。その作品「DIE/LOW」を手に今、フロントマンのook-boy自身はどこに立っていて、何を思うのだろうか。彼が放つ強烈な黄色いオーラを浴びながら、渋谷で話を聞いた。

 

写真・取材・文= 田中 サユカ

 

 

——いきなりですが、メンバーが脱退しましたね。

 

ギターのAZELE(アゼル)が脱退しちゃったんです。アベルはアメリカから留学ビザで日本にいる奴なんですけど、9月から東京の大学院で勉強することになったから脱退したんです。だから円満なんですよ。

 

——特に新しいメンバーは決まりましたか?

 

決まってないので募集中です!

 

——結成当初は無国籍感をコンセプトにしていたじゃあないですか。その後は変わりましたか?

 

あんまり俺の周りで音楽をやっている外国人がいなくて、わざわざ外国人を探してメンバーに入れるっていうことはしていないですね。だから我こそは!という人は是非、連絡をください!

 

——それを経て初の、しかも渾身の全国流通盤EP「DIE/LOW」が無事に完成しましたね。去年の今頃は「VNLGRL(バニラガール)」がリリースされました。あの作品の反響が良かった!

 

そうですね。配信限定っていうこともあって、地域に限らず聴いてくれたから「これ、全国流通でCD出してもイケるんちゃう?」って思った。それで一年越しに(「DIE/LOW」)作っちゃいました。

 

——その時の曲は入れていない。それはわざと?

 

 

 

 

わざとです。この中では「90’s Milan」という曲は結成当初からずっとある曲です。

 

——まさにバンドの代名詞みたいな曲ですよね。

 

そうですね。一番良く知ってくれている曲。今回の「90’s Milan」もこねくり回して録り直して、だいぶテンションが上がる仕上がりになっています。

 

——だって、1曲目「DIE/LOW」からだいぶブチ上がりますよね。

 

そうなんですよね(笑)。この前「DIE/LOW」のMVをあげたんですけど、かなり反響がありましたね。メッチャ気合い入ってます。曲数が少ないぶん、4,000曲くらいの気合いが入ってます!

 

——そうですね。「何があったんだ?」って言いたくなるくらいに挑戦していますよね。

 

京都のhanamauiiっていうスタジオで、エンジニアの宮さんっていう人と、ずっと深夜テンションで作ってて(笑)!「これもやっといたらオモロイんちゃう?」みたいにガンガン詰め込んだら、ああなりました。

 

 

——曲間だけでもあれだけ遊べるっていうこと自体、ノスタルジーも感じながら、今の作品としても相当新鮮な挑戦ではありませんか。

 

そうですよね?スネアの音を作るのに、10トラックくらい重ねているんです。

 

——そんなに?

 

それで出来上がったらあんなに意味のわからない音になった。インディーズバンドで1曲50トラック使うバンドもいないと思うんですよね。エンジニアさんを泣かせちゃったんですよね〜申し訳ないんですけど(笑)。

 

 

 

——デヴィッド・ボウイも亡くなった今、再びニュー・ウェイヴの功績を味わう機会が世界中で訪れたわけですけども、そう言ったタイミング的にもVANILLA.6が羽ばたくには良い時期でもあると思います。一方で日本の市場は同類で蔓延しがちだから、奇抜な存在でもある。いろんな意味でVANILLA.6が現代の“ニュー・ウェイヴ”の開拓者となり、切り開く道は明るいでしょうね。

 

時代が一致したのは偶然ですけど、これまで常に他のバンドがやらないことを意識してやっていて、結果的に「VANILLA.6は声かけづらい」っていう状況になった。それで「他と違いすぎるっていうのは良くもあるし悪くもあるんだなあ」って思った時期もあったんです。

 

 

でも他人からどう見られているかばかりを考えていたら楽しくない。「振り切り切ったろ! 全部メインストリームの逆を行ったろ!」と決めて今回は作りましたね。

 

——2曲目はANNAさんがメインで歌っていますね。これも新鮮。

 

そうですね。ANNAがメインボーカルの歌を音源化するのも初のことなんです。それもちょっと反響が気になりますね。

 

——ライブを見ていても思いましたけど、ANNAさんの存在っていうのは、バンドにとっても相当重要な存在ではありませんか?

 

そうですね。俺ら的には俺とANNAのダブルフロントマンっていうのを認識してもらいたいと思っています。そういう意味でもANNAが歌っている歌を入れようと思いました。

 

 

——オオクボーイからみてANNAさんはどんな存在?

 

カリスマですね!俺が誘って加入してくれたんですけど、それまでは歌も楽器も何もしたことがない子だったんです。加入してからキーボードの練習を始めたけど、努力家だからもちろん弾けるようになったし、ANNAはステージに上がった時のナルシストになれる能力を持っていると確信しましたね。

 

——人前に出るべくして出てきた…

 

出るべくして出てきた人なんだな、と。ANNAとはもともと古い付き合いだったんですけど、当時からファッションから美意識から周りの子達よりも次元が高い子だと思っていたし、人から自分が見られている意識もでかい子だから、絶対にステージに上がったら化けるなって思ったんですよね。それで誘いました。

 

——美的センスもずば抜けていたんですね。

 

ずば抜けていましたね。だからグッズデザインとかももちろんジャケデザインも逐一ANNAのセンスを反映させていますね。

 

 

 

——ずっと気になってはいたんですが、VANILLA.6とファッションやアートの関係性について伺いたいんですよ。この二つは親密な気がして。グラムロックやニュー・ウェーヴの道筋を辿ってもファッションへの親交は外せないところですが…

 

俺は70〜80’sのニュー・ウェーヴとかの音楽やファッションが好きで着ていたんですけど、ANNAはモードファッションとかが好きな子だから、その辺がうまいことミックスされてVANILLA.6のビジュアルになっていったんだと思っています。そうしようと思ってなったわけではないんですよ。

 

——バンドにとって意図してできたものではないのですね。ごく自然な流れなんですね?

 

そうです。今も、俺はThe Cureみたいなファッションをして、ANNAはそれを「こっちの方がいいんちゃう?」ってファッション的な視点で言ってくれる。それで出来上がったのがいまの形なんです。

 

——今回のアートワークも?

 

そうですね。このジャケのプロデュースは全般的にANNAがやってる。

 

——他のメンバーの衣装も?

 

そうですね。他の二人はザ・日本人っていう感じなので、なかなかVANILLA.6っぽい見た目をするのは難しいんかなって思ってたけど、ANNAの意見を反映させたら間違いないっていう感じですね(笑)。

 

——今回の作品を聞いていて、より自分たちのポップに振り切っているような思い切りの良さっていうところにも好感が持てました。

 

自分らの中では「ポップにする」っていうこだわりがずっとあったんですけど、「だからといってひねくれた側面や個性を捨てるということでもないんだな」っていうことも最近気づいた。だから最近はポップさとひねくれた気持ち悪さみたいなものを共存させることが楽しいです。二番煎じだけにはなりたくないなって思った。

 

——リリース後はもちろんライブ数が増えてくると思うんですけど、とにかくVANILLA.6はライブがいいですよね。何が良いかって、迷いのないところだと思うんですよ。目的地がはっきりとしていて、それに向かってまっすぐに突き進んでいる感じ。しかもすごいのは、あれだけ奇抜な目的地を設定しながらちゃんと観客と一緒に盛り上がっていく。

 

迷いはないですね。いつでもスタジアムでやっている気持ちでやっています。でも、自分でもどうやっているかわかってないんですけどね(笑)、ありがとうございます!

 

——レコ発もね。

 

2018年1月に下北沢でSomeday’s Goneとやります。Someday’s Goneとはダブルリリースツアーで一緒に全4公演を回ります。

 

——Someday’s Gone、気さくだし面白いでしょう(笑)?

 

面白いですね〜!あんだけライブでかっこいいことをやっておいて、MCで少しふざけたりするのもいいですね。(Someday’s Goneとは)一回も対バンしたことがないんですけど、お互いに音源のチェックをしたりしていたんですよね。たまたま大阪で会った時に「このまま付き合えるんちゃうかな?」っていうくらい両思いだったので、ちょうどリリース時期も近いし、一緒にツアーを回ることになりました!

二つのバンドのカラーは全然違うと思うんですけど、目指しているところは近いところがあるんちゃうかな。

 

——それはどういうところで感じる?

 

Someday’s Goneは宇都宮のエモシーンから出てきたけど、洋楽ポップスやインディーミュージックなど、いろんなところから吸収して成長しているし、VANILLA.6はニューウェイヴやシューゲイズとかいろんな音を吸収して大きくなっている。

だから、両バンドともスケール感のでかい音を目指しているんじゃないかなって思いますね。バンドを始めた頃は何も考えないで始めたんですけど。

 

 

——確かにVANILLA.6は 70’s~80’sで目指していた洗練されたサウンドとはまた別のベクトルも見えますよね。しっかりとノイズも乗っているし。シンセの音をビビットなまま いかに鮮やかに仕上げるかという視点よりも同じ音でもグレートーンを重ねたスモーキーな仕上がりが旬に映るんですよ。

 

そうですね。最近は音も見た目も2018年感は出したいな、と思ってる。本当に今回は金に糸目をつけないで思い切り作品を作ることができた。聴いてもらえればその辺のCDとは全然違うことがわかると思う!

 

——最近のインディーシーンで言えば、全くもって“異端”かもしれません。でも、だからこそ。

 

最近のインディー音楽は抜け感がある音楽がオシャレで東京でも受け入れられているんだなっていうのはわかるし、俺も聴いていてオシャレでいい感じだなって思うんですけど、俺はそれだけじゃあ満足できないんですよ!俺自身はエモーショナルがすぎる人間なので、見ている方も演る方もちょっと汗をかきたい。だから今のバンドはすごく楽しいですね!

 

——そうですね。クラブでやって欲しい気持ちもあるし、ファッションショーやアートとも共演したら面白いことになりそうです。

 

クラブでやりたいですね!俺は6年くらい全く別の音楽をずっとやっていて、VANILLA.6を始めた。前のバンドと全然違うカラーになって思ったのは、VANILLA.6はバンドシーンじゃないところでも広がっていけるバンドなんじゃないかって思った。だから、バンドの枠にこだわらない、いろんなシチュエーションで演れたらすごく嬉しいですね。

 

撮影協力=Weekend Garage Tokyo


Someday’s Gone “Someday You Will Be Loved”

VANILLA.6 “DIE / LOW”

W Release Tour『ClubBAGSY』


■2018年1/13(土)下北沢Daisy Bar
Someday’s Gone “Someday You Will Be Loved” VANILLA.6 “DIE / LOW” W Release Tour『ClubBAGSY』
ACT:Someday’s Gone / VANILLA.6 / sui sui duck / kiwilips / SonoSheet
DJ: 影正一貴 / Rock’n Roll Birthday
Open/Start 18:00
Adv ¥2,500 / Door ¥2,800(1D別)

■2018年1/28(日)難波artyard
VANILLA.6 “DIE / LOW” Release Party “NIGHT / OUT / DIE”
ACT:VANILLA.6 (mini show) / and more
OPEN/START TBA
TICKETS: TBA

■2018年2/11(日)静岡 沼津POCO
Someday’s Gone “Someday You Will Be Loved” VANILLA.6 “DIE / LOW” W Release Tour
ACT:Someday’s Gone / VANILLA.6 / The Restaurant / SonoSheet / and more..
Open / Start TBA
TICKETS: TBA

■2018年2/24(土)南堀江SOCORE FACTORY
Someday’s Gone “Someday You Will Be Loved” VANILLA.6 “DIE / LOW” W Release Tour『Rock’n Roll Birthday』
ACT:Someday’s Gone / VANILLA.6 / and more..
DJ: Rock’n Roll Birthday / and more..
Open / Start TBA
TICKETS: TBA

■2018年3/3(土)愛知 栄Party’s
Someday’s Gone “Someday You Will Be Loved” VANILLA.6 “DIE / LOW” W Release Tour
ACT:Someday’s Gone / VANILLA.6 / SonoSheet / and more..
Open / Start TBA
TICKETS: TBA

■2018年4/1(日)南堀江SOCORE FACTORY
VANILLA.6 “DIE / LOW” Release Tour Final
ACT:VANILLA.6 / and more
Open / Start TBA
TICKETS:TBA

VANILLA.6

Someday’s Gone