2018
03.18

【INTERVIEW】HoLYWooDが構想する「いっしょにつくれるアーティスト」

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抑うつ状態を直に原動力とした楽曲、「統整的理念」を最初の武器に、HoLYWooDが動き出しました。かつて渋谷で、所謂「ロキノン系」と呼ばれる邦楽ギターロックを鳴らしていたHoLYWooDですが、より素直でハングリーに、新たにEDM(エレクトロ・ダンス・ミュージック)と「新しい地図」を携えて…。

現在の彼らを説明するならば、オルタナティヴな生き様を栄養源に奮起するインテリジェンス・バンドと言いましょうか。いや、バンドではなく あくまでもバンドから派生した「音楽コミュニティー」とも言えるでしょう。それは現代社会の中で、半ば運命でもある「音楽」と添い遂げるための、一つのアンサーでもありました。

そういえば、彼らもリスペクトするホリエモンが『個人コミュニティーが企業を上回る時代にきた』と語った記事を目にしました。ここで大きく踏み出すHoLYWooD、今年は大きな変化を楽しむ年になりそうです。

 

インタビュー回答=AkirA(HoLYWooD)

写真・取材・文=田中サユカ

 

 

——思い切ってEDMに振り切っていますが、この方向性はいつ頃からですか?

 

AkirA EDMに移行したのは前作(セカンドシングル)からで、今作はさらにアコースティック要素を融合させて作りました。アコースティックに寄せたのは、自分の声質を活かせる音楽を作りたかったから。新しい音楽を発信したいマーケットインの発想がEDMに、自分達の強みを活かすプロダクトアウトの発想がアコースティックに繋がった感じですね。

 

——しかしリリックは変わらず、どっしりとした日本語でぶつけていますよね。

 

AkirA それは、本当に良い所を指摘して頂いていて、詞とメロディはHoLYWooDのコアな部分。そこさえ崩さなければ(どんなテイストの音楽だとしても)「HoLYWooD」だと思っているんです。アレンジは時代に合わせて変えて行くべきだと思っていますね。

 

 

AkirA 今の日本のロックって、ある意味フォーマットが出来上がっているじゃないですか。綺麗にパズルを組み合わせているみたいで、耳障りはいいし、ノリやすいですけどね。僕が好きな音楽は、その人の根幹から滲み出てくるような音楽。だから、僕らはそういう音楽を作っていきたいと思っています。

 

——「根幹から響く」と言えば、今作でとにかく耳に残ったのが「悲壮感」と「劣等感」!

 

AkirA それはめっちゃ嬉しい!今働いているコンサル会社でストレスを抱えるっていうのもありますけどね(笑)。

実は「HoLYWooD」っていうバンドは7年前に一度解散をしたんですけど、当時一緒にライブをしたONE OK ROCKやSUPER BEAVERが、大きな舞台で活躍するようになっていて、彼らと僕らを比べたときに「なんなんだ、この差は…!」って、そういう想いから出てきた言葉がその二つだろうと思います。

 

——7年前、なぜバンドは解散しなければならなかったんですか?

 

AkirA 解散したのは大学4年の頃ですね。両親と、大学4年までにメジャーデビューできなければ解散する約束をしていたんです。当時、大手レーベルの社長を呼んだプレゼンライブを何回か試みたんですけど、それが全部ダメだった。「ヴォーカル(僕)の声も顔もダメだし、曲もダメ!」って言われたこともあって。それを言われたら…全部ダメじゃん!って。

 

——それで、音楽と再会した。

 

AkirA そのあと就職の道を選んだんですけど、2~3年前に当時付き合っていた彼女にプロポーズしたら、色々あって失敗したんです。それまではキャリアアップをして、彼女と幸せな家庭を築くことが一つのモチベーションだったのが、一気に崩れたんですよね。そこで本当に好きなことをやろうと思った。

実際に好きなこと=音楽を選んだきっかけは、そのあと仕事で軽い抑うつ状態になったときです。「どうせぶっ潰れるなら自分のやりたいことをやってぶっ潰れたい!」って思った。それで思い切って2017年に本格始動を決意しました。

 

——抑うつ状態って…立ち直れたんですか?

 

AkirA 抑うつ状態で制作した楽曲が「統整的理念」でしたが、作詞・作曲、レコーディング、ミックス・マスタリングからLyrics video 制作まで、全工程を初めて自分で作ることができたんです。それが自信になって、自然に立ち直ることができたんだと思います。前向きに何かをやりたいと思った。

 

 

——新しいプランが次々と湧き出してきましたね。

 

AkirA 新しくやりたいことは大きく分けて二つ。一つ目はプロモーションに関して、二つ目は楽曲に関することです。

まずプロモーションについては、我々の全ての活動の過程(プロセス)を公開していこうと思っています。僕らは「チャレンジできる日本にする」っていうコンセプトを持っていて、だから、まずは自分達のチャレンジを全てオープンにしていくことが大事だと思ったんです。

まず僕らは、具体的な目的は現時点で公表できないんですけど、4月から8月あたりまで路上ライブで100万円集めるチャレンジをします。東京の主要都市で開催予定なんですけど、基本的には上野で、インバウンド(外国人観光客)を狙ったライブをしていきたい。

 

 

AkirA これには実績があって、かつて毎週土曜日に渋谷のスクランブル交差点で路上ライブをしていた際、外国人観光客がすごい勢いで集まってきたんです。猫のお面と着物っていう衣装の効果もあったと思いますけどね。それで、外国人が集まってくると、日本人も集まってくる。あの時は、一日に大体1~2万円は投げ銭で入れて貰えた。今回はこれをもっと本格化して、活動資金を募っていこうと思っているんです。

 

——クラウドファンディングもね。

 

AkirA そうですね、路上ライブである一定の実績を作れたら、そこで初めてクラウドファンディングを立上げようと思っています。

二つ目の楽曲に関しては、全曲無料で公開するし、楽曲でお金を貰う概念は、一切捨てようと思っています。尚且つ完成品を公開せず、あえて未完の状態で公開して、リスナーの方々のフィードバックを貰いながら、どんどんアップデートしていきたい。

 

——ボーカロイドの概念ですね。

 

AkirA まさにそうですね。僕らは音源でお金を貰うのではなく、「自分達がやろうとしているアイデア」に対してお金を貰う仕組みを作りたいんです。

 

——仮想通貨の構想も聞かせてください。

 

AkirA 僕らにとって「ファン」は、ファンではなくて、今語ったような活動に賛同してくれる人達…もう「メンバー」ですよね。その中で、現在開発中の仮想通貨「hlwdコイン」が活躍します。

hlwdコインは、僕らのホームページ上にあるMembers clubに登録をして貰うと使えるようになるんですけど、コインをどうやって獲得するかというと、例えば、僕らの活動をSNS上で拡散してくれると貰えます。コインを集めるとどうなるかというと、ライブ中のプロジェクションマッピングで使える。これも今開発中なんですけど、僕らのライブで上映されるプロジェクションマッピングに、観客が好きなタイミングで好きなオブジェクトを流すことができるんです。

そんな風に、仮想通貨を使って観客と協創するバンドにしたいと思っています。「いっしょにつくれるアーティスト」でありたい。それに「HoLYWooD」というプラットホームを通じて、どんどん他の人達がチャレンジできるようになって欲しいとも思います。

 

 

AkirA でも、これを実現するためには越えなければならない壁がたくさんあると思うので、地道に仮説検証を繰り返して実現させていきたいですね。

多分、元々音楽的に才能がある人だったら、メジャーレーベルからデビューする、既存のビジネスモデルに乗れば売れて行くと思うんですよね。でもこれは結構先天的なもの。僕らみたいな平凡な音楽家でも、音楽を続けられる環境を作りたかったんですよね。ちゃんとやり方を考えて行動すれば、後天的な努力を通じて、意外と大きいことができるんだよ。っていうところを見せていきたい。

 

——ところで、今年のグラミー賞は過去最低の視聴率だったそうですが、そんな中で、まだ詳細は非公表ですけど、HoLYWooDはより一層アメリカへ繋がろうという意識を高めていますよね。

 

AkirA それは面白いですね(笑)!でも、そうですね…昔住んでいたからかもしれないですね。だから最終的にはアメリカに行きたいっていう漠然とした想いがありますね(笑)。

 

——AkirAさんはとてもインテリジェンスな構想を持ちつつも、肝心な部分は感覚で判断するところが興味深いですね。ちなみに「HoLYWooD」というバンド名の由来は?

 

AkirA そうですね、すごく感覚的です。Hollywoodのスペルの「L」が一個抜けているのは、当時、きらびやかで満たされている世間が失くしてしまった「LOVE」を僕らが見つけに行く、っていう意味を込めて。

 

——それはかなり感覚的な発想ですよね。それにしても、商業音楽で疲れた男が、商業音楽のメッカにアンテナを向けるっていうのは、茨の道を選ぶような、なんだか凄まじいものを感じますね。

 

AkirA わはは…!それは本当にめっちゃ面白い視点ですね(笑)!もはやわからない場所すぎてわからないっていうのもありますよ。でも、僕の音楽の強みは日本語の歌詞なので、最終的には日本でちゃんと聴いてもらえるようにはしたいんですよ。だから、現時点でアメリカで戦おうとか、そういうことは思っていないんです。

 

——石橋を叩くけど、結局は直感で渡っちゃう。

 

AkirA 渡っちゃいますね(笑)。就職してからは確率論で物事を判断してましたけど、これからは楽しいか、楽しくないかで選択したい。やってみないとわからない!

 

——それにしても、楽曲とは対照的な、ポジティブなインタビューになりましたね。

 

そうですね!でも、去年の8~9月頃あたりは最悪でしたよ…無気力状態!音楽をやってみようと思えた時から、少しずつ戻れた感じですね。

 

——慶應大学出身という環境も負担だったのでは?音楽を選択できず、そこでの「普通」に乗れないジレンマとか。

 

AkirA それは大きかったですね。ある程度、皆が同じ方向を向くから、そっちを向いておけば安心、っていう楽な部分もあれば、それを踏み外す怖さもありましたね。両親は理解がある方だったんですけど、同級生と比べてプレッシャーを感じた面はありました。

そもそも今の会社に入ったのも、どこかで世間体を気にしていたんでしょうね。本当は音楽やエンタメ業界に近いベンチャーとか、色々な選択肢があったはずなのに、「自分は良い企業に就職した」ことを示したかったんだと思う。これは全部、自分の「煩悩」ですよね。だから次のシングルのタイトルは「煩悩」にしました!

 

——また重いよっ!

 

一同笑

 

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