2018
04.11

【INTERVIEW】ルルルルズ×秘密のミーニーズ スプリットシングルで語る「同じルーツ」

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80’sフュージョン(シティ)ポップを基調としながらも、バンドにとっての風通しの良さを追求し続けるルルルルズと、ウエストコーストロックのハーモニーを鮮やかな現代色に染め上げて進化を続ける秘密のミーニーズが、運命的なスプリットシングルをレコードストアデイにリリースします。

この2組の本当の“出会い”は、はちみつぱい やシュガーベイブなどの日本のロック&ポップシーンを牽引してきた音楽家達が通い詰めた「パイドパイパーハウス」という上質な音楽の発信基地(の復活地 / タワーレコード渋谷店内)でした。

このリリースはいち音楽ファンとしても大変喜ばしいことで、僕らが暮らす大衆音楽における大きな源流の一つが、彼らの手によって純度の高い感触のままクラウド時代へ届けてくれると信じています。是非、気の許せる場所で静かに針を落としてお楽しみください。

 

取材・撮影・文=田中サユカ

 

 

——見方によってはこの組み合わせに意外性を感じる人もいるんじゃないかとは思うのですが。今回のスプリット7インチについて、お互いはどう捉えていますか?

 

渡辺 この前、パイドパイパーハウスで僕ら(秘密のミーニーズ)とルルルルズのアルバム作品を並べて置いていただいたんです。その時、オーナーの長門さんが、僕たちの対バンを見たいって言ってくださったこともあって、2月25日に神保町試聴室でのライブが実現したんです。当日は長門さんにもDJで参加してもらって、ライブ自体も満員ですごく盛り上がったんですよね。

それに、僕らはアルバムを出す前からモナレコードでお世話になっていて、モナレコードに出ているルルルルズの事はもともと気になる存在でもあったんです。僕の地元・新潟の友人から勧められたのもルルルルズの1stアルバム「色即是空」だったし、ルルルルズを好きな人が周りに多かった。今回のスプリット盤が決まった時に一番反応があったのが、実は新潟だったんじゃないかなあ、と思うくらい。周りからすごく「やったじゃん!」って言われましたね。

 

奥野 新潟にはライブで一回だけ行っただけだったので、すごく意外ですね。

 

——サウンド面ではどう感じていますか?

 

渡辺 パッと見が違うようですけど、すごく似ているところがあるんですよね。例えばルルルルズのドラムの音はいわゆる現代の音じゃないんです。昔を取り入れつつファンクっぽかったりもして、そこに女性のヴォーカルが乗ってくる。僕は割とルルルルズにシンパシーのようなものを感じていますね。この間のライブでもお客さんにそういった意見をいただいて「この組み合わせは間違っていなかったんだなあ!」って思いましたしね。

 

奥野 僕らは結成当初からモナレコードというLIVEハウスによく出ていたのですが、そこでミーニーズさんを知ったんですよね。もちろん音源も聴いていました。僕ら(今の20代)の世代でルーツミュージックを基礎として音楽をつくっているミュージシャンはそんなにいないと思っていて、例えば少し前のいわゆるシティポップといわれるムーヴメントの中では(山下)達郎さんや、大貫妙子さんの名前が頻出していたと思うんですけど、実際にそれ以上深く掘り下げている人があまりいなかったように思います。

ミーニーズさんはそういった表面的な部分ではなくて、その人たちが何を聴いてきたかっていうところをしっかりと掘っている。そういった理由もあって実はずっと前からミーニーズさんと一緒にライブがやりたいねって言っていたんです。

 

 

渡辺 この間そう聞いて「社交辞令かな?」って思っちゃったんですけど、そうじゃなかったんですね(笑)。

 

一同笑

 

奥野 マインドを共有できそうなバンドがなかなかいないんですよね。いろんな人とライブを演ること自体は面白いと思うんですけど、自分たちにとってもお客さんにとっても楽しめるイベントを目指すには、互いの共通性をアピールしていかないといけないと思っています。そういった意味で、この間の神保町視聴室のライブはとてもよかったし、最初に抱いたシンパシーは間違っていなかったな、と思いましたね。

 

菅野 その試聴室で行ったイベントでルルルルズとミーニーズが特別編成のバンドを組んで演奏したんです。色々あって直前まで合わせたことがなかったんですけど、一回合わせただけでピタッとあった。似たものがあるのかな。

 

 

——ミーニーズさんは日常的にジャムって曲を作られるそうですが、ルルルルズさんもジャムセッションは普段から?

 

奥野 うちのメンバーはすごく多いですね。いきなり譜面渡されて叩いたりする感じ。来たものはその場でできることが前提なので、得意な方だと思います。

 

——これからミーニーズさんはメンバー編成を経て、新たなフェーズへと向かって行きますね。女性ヴォーカルバンドとしての色も若干濃くなってくるとは思うのですが、お互いのヴォーカルについてはどう感じていますか?

 

モミ この間のライブで実際に歌声を聴かせていただいたとき、私にはできない歌声ですごく素敵だなって思いました。ずっと聴いていたい…。曲も素敵ですけど、菅野さんの歌声によって引き立たされている感じがすごく好きですね。

 

菅野 そういえば、私とモミさんは地元が一緒(福島県)で“地元あるある”で盛り上がったリもしましたね(笑)。

 

モミ すごく仲良くさせてもらっています(笑)。

 

菅野 私は大貫妙子さんが好きなんですけど、モミさんの声質に近いものを感じていて、特に「いつのもあなたで」で“ねえ”と問いかける出だしがあるんですけど、それなんてまんま大貫さん!グッと引き込まれて…大好きですね!歌詞もモミさんが書かれているんですか?

 

モミ いえ。あの曲はギターのコバヤシが書いています。電車の中で30分くらいで書いたって言っていました。

 

奥野 あの曲は今のメンバーになる前の作品なんです。2年半位、ずっとバンドがうまくハマらなくて迷走していましたね。あの頃はいわゆる現代のシティポップ的なバンドやミュージシャンと一緒にカテゴライズされることが多くて、実際に同じイベントにも出ていたんですけど、そういった音楽をリスペクトしながらもなんだか自分達にはしっくりこない感じがありました。

「いつものあなたで」という曲はそんな時に「今の時代、こういうのをやるべきだよね!」っていう気持ちで作った曲なんです。すごく綺麗な曲なんですけど、バンドとしては結構攻めた曲でもあるんですよね。

 

菅野 恋の歌ではないんですね。

 

奥野 ヴォーカルのキャラクターを軸に据えて書いた曲で、基本的には恋の歌なんですけど、そうでない曲にもとれるかもしれません。シンプルな言葉しか使っていないので、その辺はうまいなあって思いましたね。

 

菅野 バンドの方向性を決める一曲でもあったんですね。

 

奥野 そうですね。アルバムの中ではバンドとして一番進展がある曲だったので、この曲を選んでいただいたのは嬉しいですね。…やっぱりわかるんだな!

 

渡辺 ルルルルズさんのアルバムを2枚とも改めて聴かせていただいて、よりわかりやすくなったけども深くなった感じがしましたね。今のバンドって難しくひねりがちなんだけど、レイドバック感というか、シンプルなのがいいなって思いましたね。

 

奥野 ありがとうございます。ミーニーズさんのアルバムにも音の密度が感じられます。時間をかけてこだわったのが一聴しただけでわかりますね。

今のポップミュージックは“かっこいい”とか“面白い”とか、表面的な次元で処理されがちで、それに合わせて創り手もどんどんキャッチーなフレーズだったりインパクトを重視するようになってきているような気がするんですよ。CDショップに行っても、大体の人が一曲目の30秒を聞いただけで、買うかどうかを判断する。聴く人も同じ音楽を何回も聴いたり、没入するスタイルじゃなくなってきているような気がします。

 

 

奥野  その中で、ミーニーズさんが自分たちの表現したい音楽にここまでこだわり抜く姿勢はすごく好きだし、ある意味僕らもミーニーズさんみたいな、確固たるマインドを持ったサウンドを作りたいなっていうところがあります。音数を積めばいいとか、削げばいいとかいう、創作上の表層に左右されないで、本来はもっと根底にあるはずの「何が表現したいのか」っていうところにこだわっていきたい。ミーニーズさんのアルバムは一回聴いただけじゃわからない奥の深さがある。すごく魅力的ですよね。

 

 

渡辺 新譜って、リリース一年後には全く聴かなくなる。長くお付き合いできる曲を目指すって、本当に難しいですよね。そもそも気に入ってもらえない可能性もあるし…。

 

奥野 例えば、この間のようなイベントをやることによって、シーンに対して一石を投じたいっていう気持ちはどこかにあるんです。誰でも簡単に音楽をつくったり手に入れられる時代を迎えて、その方法論に迎合することも必要だとは思うんですけど、やっぱり音楽っていうのは一つの作品として聴いて何かを得るようなものじゃないと、やっている自分達が快感を感じないんですよね。ファッション的になんとなく格好いい音楽とか、なんとなく綺麗だとか、そういうことだったらわざわざ音楽という時間の尺の中で表現する必要はないんじゃないかな。だから、僕たちはそういった姿勢がアピールできるようなライブ活動を続けていって、フォロワーの方もどんどん増えていくといいな…と思っています。そこでミーニーズさんと7インチを出せるっていうのは、(ルルルルズにとっても)大きな進展ですね。

 

——それがアナログであるという点にも注目したいですね。

 

渡辺 どうしてもCDだと1曲目、2曲目、という風に序列ができてしまうんですけど、レコードは どっちから聴いてもA面になるから、おこがましい話ではあるんですけど、ある意味バンドとして対等に表すという意味では7インチっていうフォーマットはすごくいいなあ、と思う。それに、選曲もお互いに相談して決めたわけじゃないけど、偶然にも共通点が多い曲で面白いなって思いましたね。

 

——ほぼ2011年(ルルルルズ)と2012年(秘密のミーニーズ)、ほぼ同時期に活動をスタートさせ、これまで変化を経験したルルルルズ、そしてまさに今変化を経験するミーニーズ。今後、両バンドでの活動は増えそうですか?

 

奥野 そうですね、ぜひ長くお付き合いさせていただければと思っています。この前のイベントは本当に盛況だったし、単発にするにはとてももったいないと思っています!あとは、両バンドとも今の音楽シーンにある程度のフラストレーションを感じていると思うんですけど、そういうバンドやミュージシャンって意外と多い気がするんですよね。2010年代になって、頑張れば自分たちで様々なコンテンツが公開できるし、思ったように自分自身が表現ができる時代になってきたので、誰もが頭ごなしにメジャーを目指すっていう方向でもなくなってきたと思うんです。だから、他にもこういうバンドをジョインしていって、一つの面白いシーンが作れたらなっていう思いがありますね。

 

渡辺 そうですね、本当に我こそは!というバンドは是非 声をかけて欲しいですね。僕らもそういうウエルカムな気持ちでいます。

 

撮影協力=Mexican Dining AVOCADO 下北沢店

 

 

【リリース情報】

アーティスト:ルルルルズ/秘密のミーニーズ

7インチ:スカイライン/風はざわめき

価格:¥1,500+税

販売元:なりすレコード

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