2018
05.23

【INTERVIEW】bjons「どこにも所属したくないっていう気持ちが強いのかもしれないですね。」

ARTIST, BLOG, RELEASE

bjonsが1stアルバム「SILLY POPS」をリリースします。仲間が再び繋がって生まれたポップミュージック。耳を傾ければ、いつか鳴らしただろう90’sロックと憧れの80’s年代のロック、それから今再び手にした60’sロックの深い味わいがしました。とはいえ、カレーライスのレシピが無限にあるように、今日生まれるポップミュージックは無限の可能性が証明できるのですが、一つ明らかなことは、例えば70年代までの作品に感じるような、楽器を上手く演奏する音楽家にしか出来なかった音作りのテクスチャがにじみ出ていることだと思います。

だからこのタイトルにある“SILLY”を例えばポール・マッカートニー&ウィングスの“Silly Love Songs”で例えるとするならば、そのままジョンに向けた皮肉の回答だと思うより、やっぱりまっすぐな愛情のまま受け入れたいと思うのです。bjonsが、時を経て確かになった「心のポップス」。そんな気持ちにさせてくれるような、甘酸っぱさ香る初インタビューをどうぞお楽しみください。

 

取材・文・撮影=田中サユカ

 

左から 橋本(Ba)今泉(Vo&Gt)渡瀬(Gt)

——「bjons」の由来は?

 

今泉 僕がもともと「kodomonokodomo」って言うバンドをやっていたんですけど、自分でやっておきながらそのバンド名が好きになれなかったんですよ。だから今回は(僕の好きな)短めで“B”で始まるバンド名、しかも動物の名前がいいなって思って決めました。何故なら、僕の好きなバンドは“B”で始まるバンドが多いから。それでちょうど「熊」をスウェーデン語では「ビョーン」と呼ぶことを知ったんですよ。若干綴りは違うんですけど、ビートルズやバーズだって本当の綴りじゃないからいいや!と思って、この綴りにしました。…って言うのは後付けで、本当は発表してから間違えていることに気づいただけだよね(笑)。

 

——そんな「bjons」とはどんなメンバーの集まりですか?

 

渡瀬 10年くらい前、今泉と僕が同じ大学でバンド(kodomonokodomo」を一緒にやっていたんですけど、最近また一緒にバンドをやりだしたのが「bjons」です。ずっと誘っていたんですけど、断られていたんですよ。

 

今泉 2008年に前のバンド(kodomonokodomo)が解散してからはずっと普通のサラリーマンをしていました(笑)。

 

渡瀬 そしたら、ちょうど2年前(2016年)の正月くらいに突然「今年はやるぞ!」ってメールがきたんです。

 

今泉 なんですかね…曲自体は断片的だけどずっと書いていて、ちょうど子供が産まれるあたりでアルバム「SILLY POPS」にも入っている「けもの」(#1)と言う曲が完成したんです。それがきっかけかな。

 

渡瀬 その前から、僕はハッシー(橋本)さんと別のバンド(roppen)をやっていた。その流れでハッシーさんも加わったんです。それから、サポートを入れながら活動をしてきて、今のサポート(岡田梨沙 Dr. / 谷口雄 Key.)で落ち着いたのが2017年2月の結成から3ヶ月くらい経ってからですね。

 

今泉 だから、初めてのライブ(2017年の2月)を結成日にしているけど、発端的にはもう少し前なのかな。あの時は、人前で演奏するのが8年ぶりだったから、すごく緊張するのかなって思っていたけど、別に普通だった。

 

橋本 一番堂々としてた(笑)!

 

今泉 なんか、演奏中に色々思い出した。「ond densen」っていうバンドの企画に出演したのが初めてのライブで、その日は他の出演者のお客さんっぽい人が最前列にいるんだけど、僕らの方が最初に出るから、すごく興味なさそうな顔で見ていた。その人達の顔を見た時に「…そうだ、こういう感じ、懐かしいなあ」って、割と冷静に思い出した。

 

一同笑

 

 

 

——今作はアルバムを作ろうと思って曲を作ったのではなくて、曲が集まってきて必然的にアルバムに収まった?

 

今泉 そうですね。ライブのセットリストとほとんど変わらない構成になっています。

 

——録音ではベーシックを一発録り。2018年に生録へのこだわりをみせてくださるのがこの作品の大きな魅力です。

 

橋本 そうだね、ポンポン進んだよね。

 

渡瀬 5時間くらいしかやってない。

 

今泉 一番多くても5テイクくらい。僕は基本的に色々と音を重ねたくなっちゃうんですけど、この二人(渡瀬と橋本)がプレーヤーとしてもかなり上手い人たちだし、サポートの人達もすごい人達だから、それを生かしました。実は一度は色々と重ねてみたんだけど、そしたら変な音になっちゃった。

 

渡瀬 そう!一回その作品をライブハウスで聴き比べたら「これはやばい!加工しすぎた!」ってなった。(ちなみに)ミックスは全部今泉です。

 

——「SILLY POPS」というアルバムタイトルも深読みしたくなりますね。

 

今泉 僕らのバンドはシティポップと括られがち。だから「ぱっと聞いた感じ、そういう風に聞こえるかもしれないね(でも、ちょっと違うかもよ?)。」という意味でつけました。

 

——ちょっとシニカルな意味合いだったんですね。また「silly」という言葉自体が二つの意味を持っているのかもしれません。シティポップと括られるのは嫌ですか?

 

渡瀬 俺はどうでもいい。括られたもん勝ちっていう感じ。

 

今泉 そうですね。「いいように言ってくれ」って思います。

 

橋本 読み手によって解釈も違うでしょうしね。

 

——だからと言って、懐古主義でもない。

 

渡瀬 一番ひねくれているかもしれないですね(笑)。でも、どこにも所属したくないっていう気持ちが強いのかもしれないですね。でも、あくまでもポップス。

 

——ポップスといえば、bjonsのポピュラー性を証明する要素として外せないのはメロディーと心地よいコードワークだと思うんです。

 

今泉 メロディーとコードワークには、これまでの自分の音楽体験が反映されていると思いますね。というのも、そこまで特殊な音楽を聴いてきたわけじゃないから。そういう意味で、さっき言ったように単なる懐古主義ではなく、ただただ普遍的な音楽を作っているという自負はあります。

 

渡瀬    好みとしてはアメリカやイギリス、60~70年代の音楽に憧れはもちろんありますが、自分たちの作るものはそこだけじゃなくて、日本人らしさとポピュラリティにこだわってやっていきたいですね。

 

橋本 そうだね。演奏も同じで、ルーツ思考すぎず、かといってオルタナティブに振れすぎず、曲によっていい塩梅のところを探して素直にやっていけたらと思います。

 

 

——特に今泉さんのヴォーカルは、ビンテージロックやカントリーの中にありながらもすごく日本語の固さを意識しておられる部分も印象的でしたよ。

 

今泉 意識はしていないんですけど、多分作り方がそうなんでしょうね。

 

——だから、レーベルのイメージにマッチしながらも、70年代以前のサウンドよりも90’sのオアシスやブラー、ザ スミスなどのオルタナティヴの要素もしすごく感じます。

 

今泉 ヘー。昔は超“オアシスっこ”だったんですよ、僕(笑)。(ヴォーカルに関しては)英語を流暢に発音することを考えたことがなかったですね。

 

渡瀬 カタカナのイメージだよね。

 

今泉 そうですね。ただ、今回のアルバムでは、全部平熱で歌えたと思いますね。熱くも冷たくもない温度感。これでメロディの印象が変わるので。昔から僕はライブでつい熱くなっちゃうんです。それに昔は冷たくするほどメロディの本質がでると思っていた時期もあった。今回はブランクも良い方向に転じて、自然に良い温度で歌えた気がします。だって歌うときにさ、無駄に歌っちゃったなっていうときあるじゃん?

 

渡瀬 俺はいつも張り切っちゃう(笑)。(でも僕たちは)その辺がシニカルで、あんまり熱くなっているところを見られると恥ずかしいって思っちゃう世代(笑)。

 

今泉 90年代の考えですね。本気を見せたくないというか。こんなに売れる気がなかったのに売れちゃった〜みたいな。

 

——そういう世代の“呪縛”って、音楽だけでなくいろいろな分野で感じるかもしれない。

 

渡瀬 もっと若い人とかはそういうのがないかもしれないね。

 

今泉 音楽に限らず仕事とか頼まれても「(クールに)まあ、できますけど、やります?」って(笑)。がっつり表現するっていうのが苦手な世代なのかもしれないですね、僕らは。

 

渡瀬 それを自覚しているという…面倒臭い感じ。

 

——7月7日にはゲストバンドを迎えてのレコ発ですね。

 

今泉 秘密のミーニーズさんは音楽的なところで重なる部分があるんで、ライブを観るのが楽しみですね。

 

渡瀬 表現の仕方は違うかもしれないけど、ルーツが多分同じだからね。

 

今泉 もう1組の出演者である「おとぎ話」の有馬くんは、昔からの知り合いで、ミュージシャンとしてシンパシーを感じる仲。僕がもしアルバムを発表してレコ発やちょっとしたお祝いをすることになったら、また一緒にやりたいなと思っていました。僕らのバンドも見所があって、その日はバンジョーのアダチヨウスケくんも加えたレコーディング時の編成で、レコーディング以上に良い演奏をしたいと思っています。

 

 

【リリース情報】

アルバム;SILLY POPS

アーティスト:bjons(ビョーンズ)

リリース日:2018/05/30

価格:¥2,000+税

bjons twiter