2018
06.03

【pick up】女性ラッパーが注目される今、Southwest Mookの魅力を考察する

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昨年、Cardi Bのメジャーデビュー曲”Bodak Yellow”が、女性ソロラッパーとしては19年振りに全米ビルボードHot100(シングルチャート)で1位を獲得。Lauryn Hillの“Doo Wop (That Thing)”振りとなったこの記録は、ヒップホップファンだけでなく多くの音楽ファンにとって記憶に新しいニュースだろう。

このような話題があるとシーンの他の女性ラッパーにも注目が向かうのが常だが、Cardi Bの存在を抜きにしても、女性ラッパー達の存在感は近年確実に勢いを増していたところだ。

そんな流れの中で、筆者が特に女性ラッパー達の勢いを感じているエリア、ミシガン州デトロイトから、 Southwest Mookというラッパーを紹介したい。

 

 

その名の通りデトロイトは南西部出身のSouthwest Mook。昨年ミュージックビデオが公開されたこの” Must I Remind You”からも分かる通り、昨今の女性ラッパーにありがちな”お洒落さ”や”イマドキ女子さ”のような雰囲気は一切無く、ゴリゴリに硬派なフロウが彼女の持ち味だ。12歳になる頃には早くもドラッグディーラーとなり、2014年には胸に銃弾を受ける等、ハードな環境を生き抜いてきた彼女らしさが感じられる。

 

 

 

先月公開されたばかりの” First Day In”でも硬派で正当派なラップを披露。しっとりと聴かせる前半から突如激しさを増す後半への流れも痛快だが、上モノだけのビートをここまで安定感のあるラップで乗りこなせる女性ラッパーは決して多くはないはずだ。彼女は”ラッパー”ではなく”MC”という呼び名が似合うタイプだろう。

 

 

3年程前には、ローカルなギャングスタさがたまらないこんな曲も。先陣を切り男性陣顔負けのフロウで突き進む彼女の姿は、似たようなキャラクターである女性ラッパーYoung M.Aと重なる。しかしダラリとした語り口のYoung M.Aに対し、こちらはより芸が細かくスキルフルな印象だ。

 

 

 

女性ラッパーと言えば、クラブダンサーとして日銭を稼いでいた経歴があったり、SNS上でモデルやセレブのようなキャラクターを売りにするようなタイプが注目されがちではある。(これは決してCardi Bだけの話では無い。)また前述のYoung M.Aですら、ギャングでも無ければ高校を卒業し販売員をしていたようなタイプだ。

そんな彼女達とは異なり、筋金入りのストリートライフを送ってきたSouthwest Mook。詳細な時期は不明だが、今後3年間の”お務め”まで控えており、ラッパーとしてのスキルに加え話題性も十分だ。

現状、日本の大手メディアではまず取り上げられない存在であろう彼女。今のうちにチェックしてみてはいかがだろうか?

 

                              文= Kaytee Da Shade