2018
06.17

【レポ】Half Mile Beach Club、初リリパ東京編で何を“証明”したのか。

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2018年6月16日、この日はHalf Mile Beach Club(以下:HMBC)がデビューアルバム『Hasta La Vista』のリリース・パーティーとして居心地の良い地元・神奈川県は逗子以外での空間作りに挑戦した最初の夜だった。その東京編として選んだ舞台が下北沢・ベースメントバー。シティバンドセオリー通りとも言えるシーンの中心地を選んだのは、だからこそ浮き彫りとなるHMBCの無二を確認するためだったのかもしれない。

 

 

HMBCといえば、ハイセンスなイベントを展開するクリエイター集団としてのイメージが先行しがちだが、勿論そのイメージも”イメージ通り”なのである。この日はゲストDJ2名、ゲストバンド2組を招いての3マン体制で、オープニングはHMBC メンバー RyoによるDJで会場をHMBC色に染めた後、すばらしか が同郷の絆をロックのキーワードで“東京の夜”に馴染ませる。

DJのラインナップによる阿吽の呼吸(選曲)も聴きどころで、beipanaによるミニマルかつドラマチックなビート展開で躍動感を添えると、作品繋がりもあっての The Wisely Brothersが、平穏かつ刹那なロックチューンをオルタナ仕立に展開してくれた。HMBCとは以前逗子でのイベントに出演経験があると言うが、あの時に交わしたシンパシーの理解を深めたステージングに、初参加のギャラリーの信頼も厚くなってゆくのがわかる。

この後からまた一層鮮やかに世界を見せてくれるのがDJ KASHIFによるギターDJ。これより始まるHMBCの味わいを前説するように、ビートとリフのコンフォータブルなフィット感が心地よい。いよいよ始まるHMBCへと、全身でイマジネーションをはたらかせていったのだった。

 

 

さて、いよいよ登場するのはバンド・HMBC。今宵は初会場での初リリース・パーティーと初モノ続きでの彼らだが、ひとたびリード「Olives」の呼吸が揃えば、主役に相応しい風格を醸し出していった。

逗子の潮風を肴にした、快適な音楽— 自分達が愛したクラブミュージックを敢えてミニマルに配置したバンドサウンドは東京の夜にもマッチすることが証明された瞬間だった。特筆すべきはゲストパーカッションニスト・Ryudaiの存在だ。このオーガニックなグルーヴがクラブミュージック仕込みのライブサウンドに一層の華やかさを添えているのは明らかだ。アルバムアートワークを彷彿とさせるサンセット色のパーライトに煽られた空間で、催眠にでもかけるように、ギャラリーの身体を上下左右に揺らせたまま「Yankee」から「Blue Moon」まで流れていった。

 

 

 

「改めましてこんばんは、Half  Mile Beach Club です。」

地元逗子では知られた存在の彼らも下北沢では自己紹介すら新鮮だ。Yuhei(Vo.)のMCで会場が和んだところで、ゲストヴォーカリスト・ico! (Far Farm)が駆けつけて、初期ナンバー「Twilight」を聴かせてくれた。

浮遊するリズムギター。ダウナーなバッキングにico!の深く透明なヴォーカルが甘美に響く。底で渦巻くグルーヴィングは、生演奏と言う条件下のみ複雑なポリリズムを気泡のように生み出しては弾け出し、新たなバンドサウンドのスタンダードを予感させてくれる。続く「Bee Line」では、HMBCのもう一つのテーマである“映画”をHMBCならではのSE使いでエモーショナルに展開した。

 

 

ノイズもHMBCのライブには欠かせない。残響でつなぐラストナンバー「Baobab」では、リフレインの中で派生する静穏なバンド性が妙なエキゾチシズムを生み出していて面白い。ここでハッと、ベーシストのHarukaが、リズムの発生源であるドラムのTsuzuki を立てながら、全体の波長をさりげなく調えているのに気づく。その流れをヴォーカルのYuheiがアイコンタクトで汲み取りながら、さらにバンド全体の呼吸の。この仕事こそHMBCがバンド足らしめるべき要素かもしれない。

 

 

「わざとらしくアンコール待ちするのは嫌だから、最後にもう一曲だけやらせてもらっていいですか?

それで、気持ちよく終わらせて、乾杯させてください。この後はHMBCのDJもありますんで!!」

 

終始悠然と聴かせるHMBCの立ち姿は、最後まで紳士的だ。アンコールとしてあらかじめ用意していた「Monica」を敢えて自分から出したのは、相手に気を使わせないため。ダフトパンクさながらのエフェクトを駆使しながらもサングラスひとつかけない“見た目”通りの爽やかさは、決して湘南の風によるものでもなく、向かう音楽シーンへの畏敬の念であろう。やがて、多幸感に包まれたベースメントバーにHMBCのスピリットを汲むOASIS「Whatever」が響き渡り、客電が静かに灯った。

 

 

今後HMBCは、9月 日にライフワークでもあるシネマ&ライブイベント「HALF MILE BEACH CLUB 2018」をホーム“CINEMA AMIGO”にて開催、今年も独自のセンスを光らせたラインナップでシーンを盛り上げてくれるだろう。詳細は後日。

 

写真=Reina Watanabe(HMBC)

文=田中サユカ


Half Mile Beach Club

Hasta La Vista Release Party Tokyo 2018

SET LIST


  1. Olives
  2. Yankee
  3. Blue Moon
  4. Twiright feat ico!
  5. Bee Line feat. ico!
  6. Baobab
  7. Monica

 

 


Half Mile Beach Club

Live Info


7/15 (sun) at 京都二条 Live House anno

mogran’BAR feat.Half Mile Beach Club『Hasta La Vista』Release Party

ACT: Half Mile Beach Club, in the blue shirt, the oto factory, mogran’BAR DJs

9/8 (sat) at 逗子CINEMA AMIGO

“Half Mile Beach Club #13”

ACT: Half Mile Beach Club, and more…

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