2018
07.17

【INTERVIEW】ニガミ17才 -「ニガミ」は「愛」でできている!

ARTIST, EVENT, VIDEO

みんな大好き、ニガミ17才の飛躍EP「ニガミ17才b」がリリースされましたね。

”嘘つきバービー”時代のクセモノ曲を違和感なく新たな毒性を効かせて仕上がった「ねこ子」や、口の悪さもあって爆発的人気を獲得したキレッキレのリード曲「ただし、BGM」を含む7曲入りです。ポリリズム、変拍子、ハーモニー、エレクトロニカ、ラップ、あらゆるコンテンツが岩下優介の脳内で一旦雑多化した後で、豪快な大皿料理のように仕上げられた本作は、もちろん美味!

今年間違いなく輝きを増したバンドの顔となる岩下優介と平沢あくびコンビにお話を伺うべく選んだのは、実は誠実な彼らだからお連れしたと言ってもいい、新宿二丁目の秘境。音楽の中では灰汁しかないお二人からが“青春の輝き”なる信頼のトークをいただきました。

 

取材・文・撮影=田中サユカ

 

——「すっごいバンドがいるな!」と思ったら 岩下さんのバンドだった!ていう具合な方ばかりだと思うのですが、嘘つきバービーの解散からは随分と時間が経っていますね。

 

 

岩下 そうですね。解散が2013年だから…もう5,6年か。

 

 

——外野の私から受けている印象は、岩下さんはいつもさっぱりとしている感じがするんですけど、実際は紆余曲折あったのでしょうか。

 

 

岩下 ありましたね。音楽を辞めようと思っていましたからね。裏方に行こうとも思っていました。そもそも音楽をやりたいのかな?て、思った。でも表現すること自体は好きなので、文章とか他のジャンルに手を出してみようか、とも思ったり。

 

 

あくび 放送作家とか、ネタを書く人になって、表に立たないほうがいいのかも?みたいな事を言い始めていたので「絶対(音楽を)辞めないほうがいい!」って思った。

 

 

——確かに 嘘つきバービー時代の作品の大きな魅力の一つとして、歌詞としての文字の綴り方が挙げられますから、文章と聞くと不思議と合点はいきます。

 

 

岩下 歌詞とか音楽とかで表現できる幅の限界ってあるじゃないですか。もっと説明したい、長い文章を書きたいって言う気持ちから、音楽じゃないところで長い文章を書いてみたいと思ったんです。

 

 

岩下 でも、あくびや友達が頼みもせんのに毎日飲みにやってきて、その時に流行っている音楽を聞かせるんですよね。「こう言うのが流行ってるよ~」って。当時の僕は音楽を辞めようとしているから、サカナクションとかゲスの極み乙女とか、サチモスとかの音楽が、普通のリスナーとして耳に入ってきて、素直に「かっこいいな」って思ったんですよ。嘘つきバービー時代だったら「はいはい、こういう感じね」で片付けていたのに。そうしているうちに音楽がやりたいって思えるようになりました。だから、周りが引っ張ってきてくれたんですよね。

 

 

——それでも「バンド名」の看板を掲げて動き出すのは大変なエネルギーが必要では?

 

 

あくび 実はニガミ(17才)の前にも一度、岩さんは別のバンドを組んでいるんですよ。でも結局、スタジオに入っただけで岩さんがそこを抜けた。だから、このバンドを組んだ時に、本当に私が岩さんの背中をちゃんと押せるのかなって言う不安はありました。もうやるしかない!って言う状況にしないとやらないと思ったので、結構追い詰めましたよ(笑)。

 

 

岩下 あくびが女優として所属していた事務所を辞めてきたんですよ。彼女のその覚悟がエンジンの一つになりましたね。

 

 

あくび 最後の「賭け」と言うか…(笑)。

 

 

——あくびさんをそうさせたものとは、何だったのですか?

 

 

あくび 私は3歳くらいから役者を続けてきたんですけど、ちょうど岩さんが悩んでいる時期に、私も初めて芝居に対して悩んでいたんですよ。 自己表現するために役者を選んだはずなのに、自分を中心に考えた芝居っていうのは作品のためにならない…そういう葛藤があったんです。そんな時期に岩さんの葛藤を見ていたら、岩さんが羨ましく思ったんですよ。音楽は自分自身を表現して勝負できるから。

 

 

あくび 岩さんに音楽を辞めて欲しくないし、岩さんが新しいバンドをするために楽器や歌ができる女の子を探そう。そういう思いと「私、音楽を羨ましいと思っているんだ」っていう気持ちが不思議と重なって「私、音楽やってみようかな」って思うようになっちゃった!

でも、この年齢で音楽を始めるなら相当な覚悟が必要だし、や“ミドリ”のブランドも背負わなくちゃいけないし…すごく悩みましたね。

 

岩下 でも、最初は二足のワラジでいいじゃないですか。絞るのは軌道に乗ってきてからでもいいのに、その覚悟が僕に刺さったんですよ。最初から一つに絞ったなら、「僕がその表現の場を作るしかないな。」って、決意しましたね。

 

 

あくび 多分、二つのことを同時にできない性格なんですよね。だからすぐに事務所に行って、理由を話しました。契約のこともあるので、実際に辞めるまで半年くらいかかりましたけど、絶対今の方が良いですね!ライブしている時も思うし、自分のために忙しい感じも好きです。締め切りとかデザインの入稿とかも、自分のため!

 

 

あくび それに、今まではマネージャーさんがやってくれていたことも全部自分がすることなって、今までの感謝もできるようになったし、じゃあ今度は私がニガミのために何ができるかっていうバンドへの愛も生まれる。すごく充実している感じがしますね。何よりも、私は昔から岩さんをリスペクトしているので、岩さんと表現ができているのがすごく幸せだなっていう感覚があります。

 

 

——とはいえ、岩下さんという強烈なキャラにただ強烈なものを合わせても、うるさいだけだと思うんです。このようにピタッとハマるのは、お見事としか言いようがない。例えば男子だけだから爽やかにだったエロスも、女性メンバーが加わるだけで聞こえ方が変わってくるわけですし。

 

 

岩下 ニガミって、4人で一つの人間を作っている感覚があるんですよね。でも初めからバランスを考えながら作っても、面白い人間はできない。全員がそのままの個性でぶつかって、ぐちゃあ となったものを無理やりにでも一旦人型にして、あーこういう体型になったか。じゃあ性格はこんなんかな。癖はこんなんかな。とか決めていったといいますか。

 

 

あくび そうですね、そういう感じがしますね。4人が集まって大喜利をしているみたい。

 

 

——結果的には女子が加わったと言うよりは「平沢あくび」という個性が加わり、それによって起きる化学反応が成功した。

 

 

あくび 嘘つきバービー を好きだった人に私が受け入れられるわけがないっていうところで、最初は不安でした。もう、ボロクソ言われる覚悟でした。

 

 

岩下 覚悟ばっかりやん(笑)

 

 

一同笑

 

 

あくび あの時期はすごかったなあ…

 

 

岩下 僕は“嘘つき~”を好きな人は“嘘つき~”を好きな人だから、「嘘つきバービーじゃない」って言われても「それはそうだから。」でしかないと思ってました。

 

 

——「ニガミ17才a」からの全国リリース「ニガミ17才b」。あくびさんのポエトリーラップのような歌唱も印象的ですね。良い意味での“今っぽさ”とも言えるのかもしれません。

 

 

 

岩下 今っぽくなろうとはしていないんですけど、常に最新の音楽は聞くようにはしているので、図らずとも「今っぽさ」が出てるのかもしれないですね。それが嫌なことだとも思っていない。あくびの歌に関しては「あの人っぽく歌って」とか、お願いしたりもしました。

 

 

——“~っぽく”とは言っても、オリジナルになってしまうのが平沢あくびのすごいところ。

 

 

あくび やっと苦手意識がちょっと減ったかな(笑)。

 

 

岩下 本当は歌うのが嫌いだったんですよ、彼女は。

 

 

あくび 最初は、鍵盤だったらやろうって言う話だったんですけど、どんどんコーラスが増えていくので…

 

 

——背中を押していたつもりが、実は背中を押されていたんですね?

 

 

あくび そうなんです(笑)。

 

 

一同笑

 

 

——これは本当に良い意味ですが、洗練された音だったので、大人が入っているのかと思いましたよ。そしてそれは全て岩下さんの経験とカリスマによるビジョンに基づいたワンマン経営だと。でもそうではなく、愛と思いやりの賜物だった。

 

 

岩下 そうです、ニガミは「愛」です!

 

 

 

——一度表舞台を経験している岩下さんにとっては、人気と同時に得る窮屈さみたいなものも味わってきたと思うのですが、これからバンドが育つにつれ、どういったビジョンをバンドで共有していますか?

 

 

岩下 僕らは結成時から紅白出場を最初の目標に掲げています。

 

 

——紅白に出ることは、バンドにとってどんな意味がありますか?

 

 

あくび ニガミ17才の音楽はどちらかと言うと地下寄りなイメージがあると思うんですけど、それを地上に持って行きたい思いがあった。今はヤバイTシャツ屋さんがNHKで流れている時代。ニガミ17才が紅白で流れる時代って面白いって思うんですよね!

 

 

——それでいきなり最新作リード曲サビ一発目に「ババア」ですからね、その“エッジ”がニガミ17才!

 

 

一同笑

 

 

岩下 そういうところがあるんですよね~。

 

 

——でも、ここは「ババア」じゃないと。

 

 

あくび ここを受け入れられるようにするのがバンドの力だと思うんですよね。

 

 

——直さなくて正解でしたね。

 

 

岩下 出す前は 結構言われましたけどね(笑)。

 

 

あくび 「おばさまにしたらどうかなあ?」って、言われた!

 

 

岩下 主人公からしたら「ババア」だからな。映画で「ババア!」っていうセリフがあってもそうは思わないのに、どうして歌だとそう思っちゃんですかね?

 

 

あくび あくまで曲の主人公が言っているだけですからね。

 

 

——本当にそうですね。それに あくびさんの存在の塩梅が作品のポップ感を保たせているような気もします。

 

 

岩下 それは本当によく話し合うことで、あくびを前に出しすぎても違うし。あくび自身は「私はいつも二番手でいたい」って言うなあ。

 

 

あくび そうですね、岩さんという絶対的な存在がいて、その周りを駆け回る犬っていうか。

 

 

 

——リリースツアーも控えています。ラスト2ステージはワンマン。

 

 

あくび 心斎橋pajgeaと東京のWWWの対バンをどうしましょう?って話していたら、急に岩さんが「ワンマンにするけん」って言い出したんですよ!

 

 

岩下 思いついたんです。

 

 

あくび びっくりしましたけど!「ワンマンするならこのハコじゃあないんじゃないですか?」って、不安でしょうがなかったです。でも、チケットは結局ワンマンの売れ行きが一番良いですね。

 

 

岩下 大丈夫、大丈夫よ(笑)。

 

 

【リリース情報】

アーティスト:ニガミ17才

アルバム:ニガミ17才b

リリース日:2018/06/06

価格:¥1,700

 


ニガミ17才 レコ発ツアー

ニガミ17才B -2018-


7.18   札幌COLONY                       with 空きっ腹に酒 / ドミコ

8.07     仙台enn 3rd                           with ネクライトーキー

9.08     福岡UTERO                          with 八十八ヶ所巡礼 / the twentyes

9.20   名古屋ell.SIZE                          with 空きっ腹に酒

9.29   大阪 心斎橋pangea               ワンマン公演

10.11 東京 渋谷WWW                    ワンマン公演

 

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