2018
07.23

恐るべきホドホド感。Clan Caimán(カイマン族)のぬる〜い温泉音楽につかりなさい

ARTIST, BLOG

南大阪を拠点に、独特のエキゾセンスでリリースを続けるエム・レコード (EM Records)。DJユニットSoi48とコラボする「タイ音楽アーカイブ・シリーズ」は、日本でのモーラム人気の立役者と言えます。Soi48が音楽監修を手がけた空族の映画『バンコクナイツ』の2017年の公開にあわせた、坂本慎太郎 x VIDEOTAPEMUSICという異色の組み合わせによる映画のトリビュート・シリーズも話題となりました。

 

そんなちょっと「けったいな」レーベル、エム・レコードが今年の目玉としてぶつけてきたのが2018年7月リリースの『Clan Caimán(カイマン族)』。Twitterにポストされたアルバムジャケットに、ただならぬ匂いを感じてエムのBandcampをさっそくチェック。(エム・レコードは2018年にBandcampに参入。助かるわ〜)。一聴して、あっコレ本年ベストかも!というファースト・インプレッションでした。ディスクユニオン新宿ラテン・ブラジル館も「…ッ!スッゴイの来ます!<中略> This is the 半端ない music」と絶句しながらツイートしてました。

 

「カイマン族」は、アルゼンチン音響派のマルチ・インストゥルメンタリスト、エミリオ・アロ (Emilio Haro) が新しく結成したバンド。カイマンとは、アリゲーター科の小型なワニで、コビトカイマンとかメガネカイマンなど可愛らしい名前のものもいるみたい。レーベルによると「架空の部族の奏でる音楽を空想した、あるはずの無い秘境に流れる音楽というコンセプト」だそうですが、違うタイプのワニのカイマンがキャラクターに応じた音楽を奏でているようにも聞こえる。演奏には、カリンバとヴィブラフォンを合体させたような、「カリンバフォン」というオリジナル楽器が使われていて、これがなんとも癖になる音。

 

 

「ハイラマズやVIDEOTAPEMUSICのファンも絶対にハマること間違いなしのユル~いエキゾ幻想音楽!ゆったりした波動でメローかつ幻想的に、徹底してミニマルに演奏されるバンド・グルーヴにはかなりの催眠性と中毒性がある」とのレーベル解説もまったくその通り。

 

すべてのトラックの出来がいいんですが、2曲目の「Apuna」のぬるい温泉に揺らぎながら浮かんでいるような感覚は最高に気持ちいい。3曲目「Venado tuerto」のB級ウェスタン映画のサントラっぽい感じ、5曲目「El domo」の坂本慎太郎の劇伴か?と思わせる音もグッときます。けっこうヘヴィロテで聴いても、ぜんぜん飽きない。絶妙なホドホド感のあるアルバムです。

 

VIDEOTAPEMUSICと坂本慎太郎の名前が出てきたので、エム・レコードによる2人のコラボの参考音源もどうぞ。「カイマン族」に繋がるエキゾ感が流れていますよ。

 

 

 

 

文=nanchatic