2018
08.17

【INTERVIEW】”SIRUP EP2”から探るシーンのセントラルポジション

ARTIST, INTERVIEW, LIVE, NEWS, RELEASE

ふと ブレイク直後のサム・スミスが自身のヒット曲についてダンサブルに仕上がるのを悲観的に受け止めていたのを思い出しました。あの時、おそらくそれは”Money on My Mind”や”Latch”を指しているだと憶測したのを覚えています。

そういった回想が巡る程、SIRUPのグルーヴィンでメロディアスなR&Bヴォーカルをファンも自分自身も愛し貫いてきたはずが、SIRUPではアレンジにアレンジを重ねた音の中で水を得た魚のように歌や言葉のポテンシャルをフル稼働しまくっているのだから、これはもうあらゆる意味で彼こそが今最もインディペンデントなシンガーソングライターだと思うのです。

そんな矢先のSIRUP ニューEP”SIRUP EP2″が8月1日にリリースされました。若手プロデューサー Shin Sakiuraとの”Last Dance”、Mori Zentaro (Soulflex)との“No Stress”など、2018年の大型新人小袋成彬氏率いるTokyo Recordingsとの”Synapse”誕生から1年、SIRUPは以前にも増してイノセントなプロダクションを貫いた作品を1曲目”Do Well”から聴かせてくれます。はっきり言って、必聴です!

 

取材・文・撮影=田中サユカ

 

 

——“SIRUP”という一種のコラボレーションプロジェクトですが、戦略的にパートナー出会っているというよりは、自然な出会ありきで作られているものですか?

 

そうですね。元々(自然な)出会いは常にあって、音楽の趣味が合う子に出会うと一瞬で仲良くなってすぐに曲を作っちゃうんです。だから制作のスタイル的には以前からそんなに変わっていないですかね。

 

——地元大阪のクルーSoulflexの影響も大きい?

 

そうですね。今回も”Do Well”で一緒にやっているし、もう10年の付き合いで、ずっと刺激し合える仲間です。

 

 

 

 

——ブラックミュージックの要素は最初からSIRUPの中にあった訳で、2作目はより踊れることにフォーカスされている印象です。

 

そうですね。ライブなどの現場でも体感的に”踊れる”ってすごい重要だなと感じていてそういう意味では前回よりもかなり重要視しているかもですね。。

 

——SIRUPとしてそういった方向性を強めるに当たって、歌唱とのバランスの取り方が非常にポイントになってくると思うんです。10年間、歌一本で勝負するスタンスでもあった中で、例えばループする単語にボーカリストとしての物足りなさを感じることもあったりしますか?

 

物足りなさはないですね。多分その部分はラップに集約されているんだと思います。結構リズム引き出しを開けたりする歌唱が難しいし、単純にサウンドでカバーできないところを歌だけでカバーするところも出てくるんで、返って歌の底力を鍛えられるし、試される。同じループの中で起承転結とつけなければならないし。そういう作業をずっとしながらもラップを入れることによってもっと幅が広くなってきたりしているんです。

 

——シーンのブラックミュージックブームについてはだいぶ落ち着いてきたとは思うんですが、ラップの多様性が説かれる一方で、ラッパーが歌うヒップホップとシンガーソングライターが歌うヒップホップに関して、だいぶ解釈のされ方が違うのも事実だと思うんです。どうして歌出身のラップは「ヒップポップ」にカテゴライズされるのか。しかしその中でも唯一SIRUPのラップは完全にそのジレンマから解放されている。さらっと演っていますけど、これはものすごいことだと思うんですよ。

 

僕は今、そんな風には見えないと思うんですけどめっちゃ嬉しいです(笑)!この議論は僕らもよく話をするんですけど、一番難しいところですよね。ヒップホップは音楽ももちろんですが、カルチャーが特に強いと思うので、その中に踏み入れるって結構難しいと思っています。

ただ、僕自身がこういうスタイルに辿り着いたのは去年の「Synapse」を作った段階で、今のラップのフロウが増えてきたっていうのは言えるかもしれません。

 

 

——実際に作品として聴いていて、歌い手としてだけでなくメロディーメーカーとしての仕事も存分に感じますね。今作はさらにサウンドメイキング的にも立体性を感じられて非常に面白い仕上がりになっています。

 

ありがとうございます。SIRUPとして守りたいのは、例えばバラードでも踊れる。だけどちゃんとリリックが入ってくること。歌として聴けるものでもありたいんですよね。

さっき話にも上がった“Do Well”は大阪のチーム(Soulflex)と作ったんですけど、音を下げてクールに落としながら踊れるようにしました。こういう世界観は所謂SIRUPっぽいって言われることはあります。

”One Day”は、同じ事務所のイケガミキヨシさんと作ったんですが、この曲はメロディを完全を作ってもらった曲ですね。編曲は“CIRRRCLE”っていう、めっちゃかっこいいHIPHOPグループのA.G.O君っていう子にお願いしたんですが、ビートを強めにして、歌はがっつりしていても踊れるようにしてもらいました。

 

——前作から制作工程のやり取りがうまくいったそうですが、今回はいかがでしたか?

 

そうですね。前作「SIRUP EP」をリリースした後に意気投合した子と作れた感じがします。音楽の趣味が合うのはもちろんですが、基本的に飲み友達が多いんですね(笑)。

 

——もう一つ伺いたいのはこれだけの音の厚みの中でジワジワと刺さるリリックの鋭さ。

 

おそらく精神的にアナーキーなところがあるんで(笑)。これまで割と自分自身が自由に生きられてきたし、今の日本自体もどんどんガラパゴス化していると思う。だからみんなも昔のルールが無駄になってきているのを歌っていると思うし、自分も歌いたいと思っています。

ただ、そのバランスは難しいと思いますね。文書にして伝わるものは極端な話文で良いじゃないですか。でもあんまり言葉が強すぎると考えちゃって踊れないので、歌を聴いているうちに無意識にリリックが体の中に入っていたらいいなって思って作っています。

 

 

あとは、歌詞を作るときは一発目に出た歌詞を基調にするようにしています。例えば“No Stress”の「昼まで寝たい」っていう歌詞は、その言葉自体はゆるい一方で普段しんどい感もあって意外と強い言葉だと思うんです。日本人って基本的に自分に厳しい。そういう直感から趣向につながるようなモノづくりがしたいし、すごく大事にしています。

 

——SIRUPが始動してからのマインドはどう変化しましたか?

 

SIRUPをスタートして、今の時代って基本的には自分が発信したいものを作っていくのが一番良いかなっていうところで、やりたいことをやるようにしたんです。だから今は今までで一番良いマインドだと思いますね。

 

 

——アルバムリリースについては?

 

最近やっと考え始めた段階ですね(笑)。基本的には僕らが発信したいものを常に優先にしていきたいので、納得できるものができたらアルバムに限らず、ドンドン発表していきたいなと思っています。ミュージシャンとしてはとてもやりやすい環境ですごく感謝をしています。

 

——逆にフィーチャリングなどで呼ばれることもありますか?

 

最近有り難いことに声をかけてもらう機会も多いです。特に全然違うジャンルの人に呼ばれることはすごい嬉しいです。今まで自分ができなかったサウンドに挑戦できるし、刺激的ですね。

 

——10月からワンマンが2本控えていますね。

 

そうなんです!Soulflexの面々とがっつりバンドでやるので、是非見に来てもらえたら嬉しいです。

 

 

【リリース情報】

アーティスト:SIRUP

EP:SIRUP EP2

リリース日:2018/08/01

試聴・購入はこちらから

 

 

 

【ワンマンライブ情報】

SIRUP EP2 RELEASE ONE MAN LIVE

◆TOKYO

日時:2018/10/26 (Fri.)

OPEN 18:30 / START 19:30

会場 : 代官山UNIT

◆OSAKA

日時:2018/11/11 (Sun.)

OPEN 18:30 / START 19:30

会場 : 心斎橋Music Club JANUS

Ticket

前売り:¥3,500

当日 : ¥3,800

(税込 / オールスタンディング / 1Drink別 / 入場整理番号付)

※整理番号順の入場になります。

※未就学児童入場不可。

 

8/25 (土) 10::00〜一般発売開始 (詳しくはSIRUP HPまで)

 

お問い合わせ (東京公演) : キョードー東京 0570-550-779

お問い合わせ (大阪公演) : キョードー大阪 0570-200-888

 

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