2018
08.26

【INTERVIEW】SILVA DOUBLE SUGARSOULデビュー20周年!女神に聞く10のこと

ARTIST, INTERVIEW, NEWS, RELEASE

日本のバブルがはじけて、更なる世紀末感が漂1998年。あの宇多田ヒカルが鮮烈なデビューを飾った年でもあり、SILVA・DOUBLE・SUGARSOULもまたデビューをした年でもありました。市場はテクノ・デジタル派とブラックミュージック派に大きく二分し、中でも今作の3人は後者の代表的なディーヴァとしてシーンを華やかに彩ってくれました。あの頃 どれだけの音楽ファンがこの日本人離れしたグルーヴに度肝を抜かれたことか。同時にアンダーグラウンドシーンも市民権を得るようになり、今日のインディーやクラブシーンにも大いに貢献してくれたと思っています。

今回そのお三方が20周年を迎えるにあたり、女神と化しました!世代的にドンピシャな某TV番組のイントロをメインソースに投入したこの“ショッキング”な新曲は、これまた完璧なまでのプロダクションで、隙の無さが90年代らしく3人の気質らしくもあり、ファンにはたまらんものがあるのではないでしょうか。

3人とも離れた場所で生活をしながら作られた本作です。ソーシャルメディアをフル活用して遠隔制作を行ったとのことですので、こちらも「10の質問」を遠隔で送らせていただきました。

 

文=田中サユカ

 

 

——メジャーデビューから20周年。実感はありますか?

 

SUGAR SOUL ないですね。私は半分くらいは冬眠してたも同然で、余りに色々ありましたが、キャリア的には大した事ないですから。

 

SILVA わたしSILVAは15年前からマネージメントの所属もレーベル契約もなく音楽活動してきましたので、長くは感じていますし、この企画の発起人がわたしでして、3年前からデビュー20周年に、同期のDOUBLEとSUGARSOULと一緒に作品を作りたいと考えて、二人には相談していたので、このUPLOADの作品も2年と言う時間をかけて完成させたので、温めていた夢も20年目にかない、とても感慨深い20年となりました。

 

DOUBLE 実は特にこれといった実感は無いんですよね。活動していない時期も何年もありますし、最初にSILVAから言われるまでは忘れていた位ですから。

ただ今回3人で20周年記念EPをリリースして、それこそこういうインタビューなどで聞かれる度に考えている内に徐々に「20年も経ったのか」という気持ちは浮かんできているところです。

 

——20年の中でご自身最大のターニングポイントとなったのはいつでしたか?

 

SUGAR SOUL  息子を授かった事です。

 

SILVA  やはりデビューしてからの4年間はテレビ、ラジオ、ライブ出演など休みなく、走り続けた4年でしたのでそこで、自分のSILVAと言う名前、作品がたくさんの方に触れられる機会となり、自分を取り巻く環境が変わったことはいまでも印象深いです。

当時から「SILVA」と言うアーティストを客観的な感覚で、自分自身がクリエイトしてきたと言う点は、このデビュー当時の4年の活動がきっかけで始まり、いまに至ってます。

 

DOUBLE  デビューから3枚目のシングル「BED」で日本語でのR&Bを表現する為に初めて自身で作曲に関わらせてもらって、次のシングル「SHAKE」では完全にソングライティングを任せてもらいました。その時期から楽曲、ビジュアル、アーティストイメージなどトータル的にセルフプロデュースする様になったので、そこが一番のターニングポイントだったと思います。

 

——デビュー当時はそれぞれアーティストとしてどんな印象を持っていましたか?

 

SUGAR SOUL  私にとっては当時は誰であろうと、みんなライバルでした。

 

SILVA  お二人はすごくかっこいいアーティストでした。作品も、MVも歌詞の世界も、歌にかける情熱も姿勢も。同じイベントに出演時に、楽屋で一緒になることが多々ありましたが、良い意味で刺激的なライバルであり、一線をともに歩む、闘う同士のような感覚でした。でも意識しすぎて気楽に話しかけられなくて、緊張すると言う初々しい感じでした。

「今度の新曲もめちゃくちゃかっこいい!カラオケで歌っちゃったりしてる!今度一緒に何か作ろうよ、プライベートでも遊ぼうよ」と何度心で叫んだことか、笑。でも距離感があってなかなかそんな気軽に思いを伝えられなかった当時があります。

 

DOUBLE  当時はR&B”系”という括りで一まとめにされていたんですよね。レゲエもソウルも何でもかんでも。SILVAに関しては音楽性はハウス系のソウルシンガー、という印象でメジャー感のある華やかなイメージでした。SUGARSOULはDOUBLEと同じアンダーグラウンドなイメージ、余り地上波のTVには出ない感じとか。ただ音楽性はもっとソウル、当時でいうとエリカバドゥみたいな印象だったので、全員”R&B”として扱われていたけども、みんな違う方向性なんだけどな~、と思っていました。

 

——今回の20周年企画をご自身でどのように受け止めていましたか?

 

SUGAR SOUL  私は個人的に「女神開き」という活動を一人勝手に展開だったので、みんなを巻き込むいいチャンスだと、意気込みました。

 

SILVA  20周年にはデビュー当時から大好きなリスペクトするアーティストと記念の作品を作りたいと言うのが私の夢だったので、この構想2年の月日で3人でともに1つの作品を作ること、世に出すことができたことが私には人生最高の記念作品となりまして、夢が1つ叶えられて嬉しい限りです。この作品を通して、DOUBLEやSUGARSOULの20年の軌跡をもっともっとたくさんの方に知っていただきたいし、Japanese R&BやHIPHOPの歴史、軌跡を知ってもらえたら嬉しいと願います。

 

DOUBLE  エキサイティング!あとは緊張感があるっていう意味でのドキドキ。ただでさえレコード会社や事務所ありきでしか活動した事が無かったので、最初からアーティストだけで何でも決めて、という作業も初めてでそれだけでも新鮮なのに、「20周年の為」という大きな一つの目標があったので、とにかくエキサイティング!

 

 

 

——「UPLOAD」にはどんな思いが込められていますか?

 

SUGAR SOUL  伊藤詩織さんの事件や、女性蔑視、女性軽視が蔓延するこの世の中で、全ての女性が本来の輝きに満ち、この世界を新たに創造する事を真に願い、女性性を讃え、皆んなでアガってイキたい、

共に栄え認め合い、本気で遊んでこの世に楽園を体現してイキたい!そんな想いが詰まっています。

 

SILVA  このテーマをサンプリングしようと提案してくれたDOUBLEの提案は本当に天才的な名案で感動しましたし

歌詞の世界では女神性や女性性を歌おう!女祭だよ!とリードしてくれたSUGARSOULの提案にも共鳴して賛同しました。

本当にこの3人がプロデュースして作った作品で、ゴールできたことが奇跡だし、その全ての工程、作品自体がメッセージなので、ファンでいてくださった方はもちろん、この作品を聞いて、とにかくたくさんの人のSoulやPowerが「上がって」くれたら本望です。

 

DOUBLE  今回のコンセプトはデビュー当時全くと言っていい程接触というかコミュニケーションの無かった3人が一つの事をやるという事で自然に自分の中で「融合」といったイメージがありました。

そこにSUGARSOULのAicoちゃんが、彼女は毎回熱く自分のイメージを勝手に語り出すんですけれども(笑)、その内容のほとんど全てに賛同出来て。具体的に話すと本当に深く熱く長くなってしまうので簡潔に話しますが、全ての生命に内在する女性性を祝おう、そして人種も性別も国境も超えてみんなが仲良くしよう、でも何より自分自身を愛する事を大切にして、というメッセージが込められています。

 

——R&B系ディーバとしての代表格だった3人ですが、今作「UPLOAD」の制作にあたり、ラテン、メロウ、J-POP、ヒップホップなど、それぞれの持ち味が面白いほど溶け合っていて大変興味深い1曲だと思います。活動拠点も近くない三人です、どういった制作工程を踏んでいますか?

 

SUGAR SOUL  LINE電話が無かったらコレは成立しなかった!

タカちゃんが「朝生」のネタをブッ込んで来て、私がガレバンで仮構成を作り、モンク君が制作チームに入ってから、それぞれメロディ案を出し合いながら、少しづつ曲を構築して行きました。どれだけ電話ミーティングしたことか。長い道のりでした。。w

 

SILVA  最初はLINEやSKYPEでビデオ電話や電話で制作内容をとことんやりとりしあい、お互いの生活環境も違うので、そのペースも理解し合いながら打ち合わせ、制作を重ねていくこと自体が本当に労力や思いやりも大事な作業の一環で大変なやりとりでした。また作品作りの方法や情熱は3人3様なので、その部分がどうまとまるのか、とにかくやって見なきゃわからない!と言う思いでここまでやってきたその日々がまさに奇跡の一端でもあります。プリプロは個々に行い、A,Bメロディ+歌詞を構築し、出来上がったらお互いで意見しあい、修正しという作業までは全て遠隔で各々で進めまして、本番のVocal Recは2日間、3人でスタジオに一緒に入って作業し合いました。とにかく細かい確認も3人で全てして行く作業をしたので時間はかかりましたが、納得のいく形まで落とし込めたのは素晴らしいクリエイティブな時間で、貴重な体験でした。

 

DOUBLE  テキストチャットやグループ電話を駆使してミーティングを重ねました。テレビ電話もグループで出来るので、正に今の時代だからこそ実現出来た事ですよね。参考曲や資料なんかもその場で送って直ぐに確認出来るから、ほとんど普通のミーティングと変わらない作業効率です。あ、でも逆に家に居ながらにして出来るので途中で子供が泣きだしたり家族が帰ってきたりという、微笑ましい時間のロスはありましたね(笑)。

 

——リスナーには「朝まで生テレビ」という印象をまず与えると思います。その狙いは?

 

SUGAR SOUL  タカちゃんに聞いて!

 

SILVA  10年DOUBLEが温めていたサンプリングネタ提案で

老若男女、誰もが一度は耳にしたことがあるあのイントロのフレーズでトラックを作ったら、それこそたくさんの人がこの楽曲に興味を持ってくれるであろうと言うDOUBLEの名案でしたので、即座に私もSUGARSOULも最高!やろう!!と同意しました。

 

DOUBLE  まず楽曲をドラマチックにしたかったんです。「朝まで生テレビ」の印象が無く音だけ聴けば純粋にドラマチックなイントロだと思うんですよ。そしてあのイントロは日本人なら誰もが記憶にあると思うので、思わず耳を傾けると思いました。なのでキャッチーでドラマチックな曲になるだろう、と。

勿論「朝まで生テレビ」の印象だけで「ふざけてる」とか「ギャグ?」で終わってしまう感性の人も大勢いるだろうな~という事も予想は出来ましたが、それは仕方のない事ですし、そういった邪念(?)も吹き飛ぶクオリティーの曲にすればいいだけの事だと思いました。

楽曲のクオリティーに関しては十分な物に仕上がったと思いますし、あとは聴く人の感性の柔軟性に委ねるしかないですね(笑)。

 

——5曲目は現代女性ラッパーのあっこゴリラが参加していますね。彼女についてはどう感じていますか?

 

SUGAR SOUL  ヤるオンナ‼そしてキュート♡声もラップもリスペクトです。

 

SILVA  SUGARSOULの一押しのあっこちゃんでしたので、Recしてくれたラップを聞いて、世代を超えて、オリジナルの私たちの歌詞の世界に共鳴し、カッコよく彼女の個性的なリリックやラップのアプローチをしてくれたことは、感動しました。選んだSUGARSOULもあっこちゃんもさすがだと思いました。

 

DOUBLE  女性ラッパーって本当にデビュー当時は少なかったですが、今では随分女性ラッパーの層も厚くなってきて、競争も激しくなってきている時代じゃないかと思います。

そんな中で男性の真似じゃなく、女性の持つキュートさも感じられるラップスタイルに力強さもある、そんなオリジナリティーが彼女の魅力だと思います。

 

——国内におけるブラックミュージックシーンもだいぶ変化してきたと思います。ご自身の目には現在のシーンがどう映っていますか?

 

SUGAR SOUL  お隣韓国みたいに、BlackPinkなどのアイドルも普通に激ヤバな曲やってるくらいに、日本もなったらいいのにとか、いつも思います。

 

SILVA  女性アーティストの表現方法が、今までの従来のやり方である、プロデューサーを通してのデフォルメされたアーティスト性や作品作りという形ではなく、女性アーティスト自身が自らプロデュースして仕上げて行くというやり方が当たり前になりつつあるこのご時世には、メジャーだからとかアンダーグラウンドだからという垣根が全く意味を持たなくなり、最強にかっこいいアーティストが巷にたくさん出現してきてくれていて、若い世代から刺激を受けることが止みません。すごく嬉しいし、私もここからは一度SILVAという皮を脱皮して自分のルーツに忠実に表現することも追求していきたいなと改めて思うシーンになっているので、とても刺激的でやりやすい時代になったのだなと感じます。

 

DOUBLE  普段そんなにアンテナを張っているタイプではないので印象でしか言えないのですが、歌が上手い人が大勢出てきていますね。私たちと同じようにU.S.R&Bシンガーの影響を強く受けているのも感じます。

どんどん盛り上がって欲しいところなんですが、今はみんなダンスに夢中って感じですよね。それもブラックミュージックシーンの一つだからいいんですけど、曲の方ももう少し盛り上がってもいいんじゃないかな~、なんて。

 

——今後、アーティスト(DJ)としてどういった活動のビジョンをお持ちですか?

 

SUGAR SOUL  自主でやっていくことになると思いますが、自分ペースで、ただただ楽しく、ふざけて音楽ヤっていたいです。

 

SILVA  ここまではあれこれ考えてやってきた自分がいます。でもこの作品で夢が叶ったりして、やりたいことをとことん追求する奇跡のすごさを体感したのでここからはあれこれは考えず、自分の本質に従順に型にはまらない音楽を自分で奏でていけたらなと、そんなシンプルな部分に挑戦していきたいと初心に帰っている自分がいます。

 

DOUBLE  面白そうな事にはどんどん関わっていきたいと思っています。今回のプロジェクトもとってもエキサイティングだったし!

 

 

【リリース情報】

アーティスト:SILVA DOUBLE SUGARSOUL

EP:UPLOAD

リリース日:2018/08/01

価格:通常盤¥1,852+税 / 初回限定盤¥2,315+税

キングレコード