日食なつこ「あのデパート」MV、感涙の大反響

ピアノ弾き語りアーティスト日食なつこが先日公開した「あのデパート」のMV。 彼女の出身地である岩手県・花巻市にある有名百貨店の“マルカン百貨店※”が43年の歴史に幕を閉じたタイミング発表となった。 日食なつこ自身の思い入れも強く、なくなってしまう前に何とか“マルカン百貨店”という存在を残したいという想いからMV撮影に至ったという。 その「あのデパート」のMVが公開から1ヶ月を過ぎ、全国から感動の声が届いているという。 YouTubeには下記のようなコメントが寄せられている。 「母と泣きながら見てました; 見るほどに染みます… 素晴らしい曲をありがとうございます」 「聴きながら、PV見たら涙が止まりません。 思い出を詩と映像に残してくれて、ありがとう!」 「マルカンありがとう。 そしてみんなの思いを代弁してくれた日食さんにも感謝です。」 「ひどく大切なモノが有ったようで、 そんなたいそうなモノは無いのだけど、子供用の器にラーメンを移す母の表情と、上手く割り箸を割れずに泣きだした幼い頃の自分、他愛も無い記憶ばかりが溢れてる場所でした。」 ※マルカン百貨店 岩手県花巻市の中心地に43年に渡って営業を続けたデパート。 レトロな内装や箸で食べる10段巻ソフトクリームを出す大食堂で有名な、地元民なら誰もが足を運んだ場所。 老朽化による耐震問題で2016年6月7日に惜しまれつつ閉店となった。 マルカン百貨店HP http://www.marukan-group.jp/shop/department.html

突如現れた謎のバンド Nulbarich(ナルバリッチ)、6.22デビュー

今、あるバンドが日本の音楽シーンに新たな才能の登場として、各方面から大きな注目を集めている。 突如シーンに登場した謎多きバンド。ソウル、アシッド・ジャズなどをマナーに唯一無二のグルーヴを奏でるポップ・ロック・バンド“Nulbarich(ナルバリッチ)”。 6月22日に発売されるシングル『Hometown』のリリース前に、18日に行われたYATSUI FESTIVAL! 2016に出演し、駆け付けた耳早リスナーの前で、『Hometown』に収録されている「Hometown」、「Fallin’」など計6曲を披露し、大盛況のうちに終幕した。 7月には、韻シストBANDとの対バン・イベントが決定する等、各方面からイベントオファーが殺到中のNulbarich。全国各地にその名を轟かせるのも時間の問題で、2016年最も注目を集める新人になるといっても過言ではない彼らの動向にぜひ注目してもらいたい。 【リリース情報】 タワーレコード限定シングル『Hometown』 リリース日:6/22 価格:¥1,000(税別) ライヴ情報等はこちらから Nulbarich オフィシャルサイト http://nulbarich.com/ こちらの最新投稿もチェック!

第88回アカデミー作曲賞を受賞!エンニオ・モリコーネという巨匠

第88回アカデミー賞で大きく報道されたのは2つだろう。レオナルド・ディカプリオが主演男優賞をとった。「ギルバート・グレイプ」で助演男優賞にノミネートされたのが1993年。日本のレオ様ファンも喜んだはずだ。もうひとつは「マッドマックス」の6冠。何度も映画館へ足を運んだ人がいるぐらい「マッドマックス」にハマった人たちがいる。作品賞をもらってもおかしくなかった。しかし、もっと賞賛されていい作品がある。「ヘイトフル・エイト」だ。第73回ゴールデングローブ賞、第69回英国アカデミー賞、そして第88回アカデミー賞のすべてで作曲賞を受賞した。作曲家の名前はエンニオ・モリコーネ。 THE HATEFUL EIGHT – Official Teaser Trailer https://www.youtube.com/watch?v=gnRbXn4-Yis 「ヘイトフル・エイト」でメガホンをとったのはクエンティン・タランティーノ監督だ。言わずと知れた映画オタク(シネフィル)である。監督自身もそれを認めている。「ヘイトフル・エイト」の内容を一言で表現するなら西部劇だ。タランティーノ監督らしい題材を選んでいる。前作「ジャンゴ 繋がれざる者」も西部劇だった。 A Fistful of Dollars Official Trailer #1 – Clint Eastwood Movie (1964) HD アメリカの西部劇では善と悪がハッキリと分かれている。それは今もハリウッド映画の底辺に流れているはずだ。具体例を挙げるまでもなく、アメリカ先住民や黒色人種が悪で、白色人種が善の映画は腐るほどある。悪役は善にはなれない…いや、悪のままでいなくてはならないのが掟のようにあった。「ジャンゴ 繋がれざる者」でタランティーノ監督は、それを見事に裏切っている。 巨匠モリコーネとの仕事にタランティーノ感激!『ヘイトフル・エイト』特別映像 「ヘイトフル・エイト」で作曲をしたエンニオ・モリコーネはイタリアの巨匠である。映画界で名前が知られたのはスパゲッティ・ウェスタン(イタリアのウエスタン映画)だ。「荒野の用心棒」や「夕陽のガンマン」などの音楽で有名になった。シネフィルのタランティーノ監督が「ヘイトフル・エイト」の作曲をエンニオ・モリコーネに依頼したのは自然に感じる。そして、それは大成功を収めた。 映画「ニュー・シネマ・パラダイス完全オリジナル版」日本版劇場予告 エンニオ・モリコーネが曲を提供した映画は幅広い。マルキ・ド・サド原作で、ピエル・パオロ・パゾリーニが監督をしたカルト映画「ソドムの市」、ギャング映画の大傑作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」、映画愛に満ちた名作「ニュー・シネマ・パラダイス」など、まるで共通点がない。エンニオ・モリコーネの曲は優しく、時に大胆な展開をする。全作品に言えることはひとつだろう。決して音楽が映像のジャマをしない。映画を見終わった観客が家路についても、それぞれの耳にそっと残るようなメロディをつくる。 明確な善と悪はこの世に存在しない。エンニオ・モリコーネの映画音楽はそんな当たり前のことを具象化している。これまでエンニオ・モリコーネが作曲した音楽たちに最大の賛辞を、そして、アカデミー賞受賞に心からスタンディングオベーションを送る。

6年ぶりのアルバム『K 2.0』 クーラ・シェイカーの挑戦状

クーラシェイカーはデビュー・アルバム『K』でイギリスのアルバム・チャート1位を取った。華々しい登場だ。ギターボーカル&のクリスピアン・ミルズがルックス、家系も含めて人気の原因だったこともある。ただ、その後の売れ行きは今ひとつだった。 Kula Shaker – Infinite Sun 2016年、2月末に新譜が発売される。タイトルは『K 2.0』。収録されている「Infinite Sun」のミュージックビデオを、クーラシェイカーは出してきた。イギリスの、しかもロンドン出身のバンドとは考えられない。イントロからインドに影響された『K』をさらに進めたような音が鳴っている。これが彼らの『K 2.0』なのだろう。 Kula Shaker – Tattva デビュー・アルバムからインド音楽への傾倒は濃かった。ビートルズやローリング・ストーンズとの大きな違いは、音の取り込み方だ。クーラシェイカーは良い意味で言えば「そのままの生食」を混ぜ込んでいた。食べた瞬間にインド料理と分かるような感じだ。ビートルズなどはスパイスとして利用した。隠し味ではない。ハッキリと風味は口に残る。しかし、もっと複雑な口当たりがした。それがセンスと呼ぶなら、それで終わりだ。 Kula Shaker – Hey Dude 「Hey Dude」。デビュー・アルバムは、この曲から始まる。1996年、シングルカットされた。全英2位である。アメリカではスマッシュ・ヒット程度の扱いだ。「1発屋」という言葉がある。音楽シーンにも数々の「1発屋」がいた。ほとんどがシングル曲の「1発屋」だ。時代のせいもある。昔はシングル曲がメインの音楽界だった。クーラシェイカーのイメージとしてアルバム「K」だけの「1発屋」。その印象は拭い取れないだろう。 Kula Shaker – Hush もう1曲、全英2位を取ったシングル曲がある。カバー曲だ。元はジョー・サウスの曲だった。日本では、ディープ・パープルのカバー曲の方が有名かもしれない。「Hush」だ。センスの話をしよう。カバー曲のカッコ良さならディープ・パープルよりクーラシェイカーの上だ。インドの味はしない。正統派である。クーラシェイカーは実力派だった。あまりにも過小評価されていないだろうかと、そんな気がしてならない。 1996年のデビュー・アルバム『K』。2016年に発売される『K 2.0』。「Infinite Sun」を聴く限り、こんなことを感じる。 進化ではない。深化だ。 デビューから20年が経った。あえて、『K 2.0』というタイトルを付けたことは、クーラシェイカーとしてリスナーへの挑戦かもしれない。「ほら、聴いてみなよ」とクリスピアン・ミルズが語りかけているようだ。

【INTERVIEW】アブナイSSW北村早樹子「愛って言葉がいけないんです。」

北村早樹子の作品を初めて聞いた時、真っ先に戸川純さんの「蛹化(ムシ)の女」を思い出して喜んだ。そして彼女の新作『わたしのライオン』を始めて聞いた時、真っ先に「遂に目に見えるカタチになったぞ!」と喜んだ。本作は誰が聞いてもまず音が決定的に違う。レトロな構造を崩さずに音の透明感をそして厚みをプラスした難技には拍手を送る他ない。それにより浮き彫りにされるエロス。このエロスの定義が時代によって移りゆく中で「今」を皮肉るような質感こそが彼女の無意識な秘技であり、それらは「女性の悪と性が正常に納められた魅惑の現実」とも言えようか。 インタビューでの彼女はお馴染み「アウト×デラックス(フジ系列テレビ番組)」どおりの「変わった雰囲気」調でゆっくりと語ってくれたのだが、その眼差しは作品どおりの「シミだらけの人生」調に静かに現在を見据えていた。そして、興奮すると可愛い。 彼女をまだ「異色」で片付けるか?僕はそうは思わない。大多数を占める女子に潜む悪と性をデザインするマルチ女子クリエイター、そう映っている。 ▷大阪にお住まいで? 北村 いえ…もうこう、こっちに住んで7年目とかです。関西弁が抜けないだけで。 ▷どうですか?大阪と東京って。 北村 もう全然!東京の方が馴染んでるというか…。東京大好きなので、むしろ大阪は帰りたくもないみたいな感じなので(笑)。 ▷(笑)どうですか? 北村 やっぱりね、人の感じとかが全然違う。 ▷大阪の方とお話しする機会があったんですけれど、東京ではみんなが信号を守っていてびっくりするって。 北村 そうそう、そうですね。大阪人は反対側の信号がピカピカしてるときは行ってもいいっていうことになっていて。本当は良くないんですけど(笑)。 ▷今日は、アルバムについてのお話しと北村さんについてのお話を少し伺いたいと思っています。 北村 よろしくお願いします。 ▷まずはおめでとうございます! 北村 ありがとうございます。 ▷10周年にリリースされた『グレイテスト・ヒッツ』以来ですよね。 北村 いつもはソロだから自分の采配のみで作っていたんですけど、今回はプロデューサーさんがいて、その方に編曲ごとお任せするっていう形だったので、人と何かをしっかり作るっていうのを初めてやったので… ▷難しかった、ですか? 北村 いや、それがレコーディングもすっごく楽しかったです。一人でやっていると、どうしても自分で自分を追い詰めてしまっている感じなんですけど、プロデューサーがいることによって「ああして・こうして」って言われるのに乗っかっていけば良い感じだったので、すごく楽しくレコーディングできましたね。 ▷まず、音が格段にクリアになった印象を受けたのですが。サウンドプロデューサーが中村宗一郎さんですね。 北村 最初は「すごく気難しいオッサンだろう」と思ってビビっていたんですけど、いざご一緒してみると、本当に「面倒見のいいオッサン」って感じでお世話になっておりますね、いろんな面で。 ▷北村さんの楽曲っていうとまずは“個性的な歌詞”だと思うんですけど、音質がクリアになった分、音数が増えても歌詞が入ってくる、入ってくる!一曲目が「本日の悲報」。出だしが「日本でいちばん臭いらしい…」。かなり衝撃的です。 北村 いきなりそれですもんね(笑)。 ▷しかも三拍子ってわりとポップでは扱われないようなリズム。でも北村さんは躊躇なくよく使いこなされていますよね。 北村 私、好きなんですよ、三拍子。四拍子よりも三拍子の方が出て来やすいんです。「ずんちゃっちゃ、ずんちゃっちゃ…」みたいなノリが好きなのか、私の曲にはわりと曲が多い。 ▷アルバムタイトルもすごい。『わたしのライオン』は曲にもありますが、曲から作れらたのですか? 北村 はい。「わたしのライオン」っていう曲がそのままアルバムタイトルになりました。 ▷リード曲になるわけですが、これもかなり歌詞が…スゴくないですか? 北村 ちょっとエロいというか… ▷エロいって言うか…エロい、ですよね(笑)。 北村 そうなんですよ(笑)。 ▷すごいですよね。「ようこそ待っていました 狭いところですけど…」って。例えばこれをカヴァーで歌える人がいたら紹介してほしいくらい。誰も歌いこなせないでしょう? 北村 なんですか、それ(笑)!誰でも歌えませんか? ▷この世界を表現できる人ってなかなかいないでしょう。 北村 ヤラしい歌ですよねえ、本当に! ▷別の方が歌ったら、変にいやらしくなったり奇をてらう感じになったりしちゃう。これは北村さんの天性としか言いようがないから、ちょっとズルい!なんて(笑)。 北村 私はおっぱいも全然ないんですけど、エロさみたいなのが人より少ないからちょっとギョッとするくらいのことを言っても許してもらえているんちゃうかな?って。多分、本当にグラマラスでヤラしい感じの人がエロいヴォイスで歌うと、ちょっとやりすぎな感じになるかもしれないんですけど、私は残念ながらあんまりないんで、なんとか許してもらえているんだと思います。もう三十路なんですけど(笑)。 ▷いやね、私はこれが北村さんの最強の武器の一つなんじゃないかって思っているんですよ。例えば私はこの作品を通して「エロスとは何か」と考えるわけですよね。或いは「色気とは何か」。叶姉妹のように直接的なものだけがエロスじゃない。誰が操作するのか、そうなりがちですけどもね。このサウンドになってから余計に北村さんの考えるエロスが浮き出てきた。 北村 あら! ▷それに加えて最小限のノイズやエレキの男臭さや汚さで“エロ”がさらに引き立つんですよ。これを読んでから作品を聴いてくれた方は「エロくねえじゃん!」っていう人もいるかもしれない。でも、きっと頷く方も多いと思うんですよね。 北村 私は意外とエロスとは無縁の人間と思われがち。それこそ「アウト×デラックス」という番組を観た人が「バツイチなんです〜」っていう私の発言に対して「絶対バツイチなワケないだろ〜!コイツ処女だろ〜!」ってつぶやかれたりしていて。 北村 それを見て「処女って思われるんや〜あ…。」みたいな感じがあったんです。「普通に30代女子が起きるくらいの…それくらいのことはやってるぜ?」みたいな(笑)。そんなに経験豊富なワケじゃないですけど、(私の作品は)女の人なら誰しも思うようなことなんじゃないかって。 ▷むしろ女性の世界をそんなに知らない男性がそういうのかも!あんまり良い例えが思いつかないんですけれど…例えばE-Girlsみたいな女子はほんの極一部で、大多数は“ただの女子”。男子がゲームやスニーカーに対し夢中になるように、女子も何かに夢中になったりするわけで。因みに、いちばんお気に入りの曲はどれですか? 北村 やっぱりリード曲になった「わたしのライオン」。こういうアレンジになって、すごく気に入っていますね。あとは、森下くるみさんが歌詞を書いてくださった「みずいろ」っていう曲があるんですけど、自分では書けないような言葉。くるみさんはわたしのパーソナルな部分をわかってくださっている方なので、すごく当て書きをしてくださっていて…「泣いちゃう!」みたいな。 この「いろんなことがあったけどもね この染みだらけの 人生がとても だいすき」ってい言うところがすごくないですか? ▷うん…ああ、いいですね!染みだらけの人生。ぐっときますね。 北村 みなさん自分に当てはまる方もいらっしゃると思いますね。 ▷森下くるみさんは北村さんのお友達ですか? 北村  くるみさんの『すべては「裸になる」から始まって』という本を読んですごく感動して、ファンになったんです。 3年くらい前に私が出た映画と同時上映されていたのが森下くるみさんが脚本を手がけた映画で、その時に配給の人に「ファンなんで、チョット紹介してもらえませんかね?」とかいって近寄って(笑)。 北村 当時は家が近所だった時もあったのでくるみさんが「遊ぼうよ!」って言ってくださったんです。そこから色々ご飯を食べに行ったり家にお邪魔したりして仲良くさせていただいています。だから私の卑屈な部分や暗い部分をわかってくださっているので、良い曲を書いていただけたんだと思います。 ▷では、今回北村さんが作詞をオファーされたんですか? 北村 そうですね。多分作詞をお願いしたのは初めてだと思いますね。そういうことを誰かに…。 ▷そうですよね。北村さんといえばシンガーソングライター。それから劇団もされていますよね。 北村 いえ、客演で呼んでいただいてちょっと出していただいてる程度ですけど。お芝居はご覧になりませんか? …